晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

高田郁 『みをつくし料理帖 八朔の雪』

2017-05-09 | 日本人作家 た
この作品のタイトルだけは、数年前にドラマをやって
いてテレビ欄でちらっと見て、覚えていました。
が、そのドラマを見てません。
原作をまず読んでから見ようと思ったのですが録画
するのを忘れていて見られずじまい。じゃあもういい
やと原作を買うのも忘れる始末。

ところが、NHKでこのドラマがはじまるという
ではありませんか。ナイスタイミングというわけで、
さっそく4巻まで買ってきました。

すでにシリーズは完結してまして、全10巻。

神田明神下のそば屋「つる屋」で、料理を作って
いる娘。上方風の味付けで作りますが、いつも
客から「こんなの食えるか」と突き返されます。

名前は「澪(みお)」。大坂の生まれで、幼いころ
に両親を水害で失い、孤児になってさまよっている
ところを、料亭「天満一兆庵」の女将、芳に助けら
れ、そのまま天満一兆庵の女中に。

それから数年後、澪は「出汁の味が変わった」と
言い、店で使ってる井戸水の微妙な水質の変化を
見抜いたのを料理長に気に入られ、板場に入る
ことに。

ところが、天満一兆庵が火事に。助かった料理長
と女将の芳と澪は、数年前にオープンした天満
一兆庵の江戸支店に行ってみると、なんと支店長の
左兵衛が、どこかに消えてしまって、店はありま
せん。

料理長はショックで病気になって亡くなり、芳も
ずっと具合の悪い状態。そんなあるとき、澪は
「つる屋」の主、種市と出会い、働かせてもらう
ことに。
ところが、澪の馴染んできた上方の味付けと江戸
の人が好む味付けが違い、澪は悩みます。
それでも主の種市は、澪が欲しいという江戸では
あまり流通していない昆布や白味噌などを買って
澪を応援してくれます。

澪ほどの味覚の勘がいい料理人であれば、江戸風
の味付けにすることなど簡単なのですが、本当に
それでいいのか悩み苦しみます。

「つる屋」の常連で小松原という武士、青年医師
の永田源斉という澪を応援してくれる人もいて、
どうにか工夫して、やがて「つる屋」の一品は
すごく美味いと評判になります。

ですが、そんな「つる屋」に、旗本や大名も通う
料理屋「登龍楼」が、陰湿ないやがらせを・・・

澪は、幼いころ、手相見の名人に「雲外蒼天」の
相だと言われます。

「頭上に雲が垂れ込めて真っ暗に見えるが、それを
抜けたら青い空が広がっている」

という意味で、苦労が絶えまなく襲ってくるが、
耐えて精進すれば、その先には誰も見たことのない
素晴らしい青空が待っている、と・・・

このとき、澪の友人、野江ちゃんも手相を見てもら
い、こちらは「旭日昇天」の相だと言います。
天下取りの相で、太閤秀吉クラスだとか。

ところが、先述の水害で、野江ちゃんの行方はわか
らず。
野江ちゃんは必ず生きてる。澪は野江ちゃんとの
再会を信じます。

ネタバレにならない程度に、最後の話で野江ちゃん
(らしき)人がちょろっと紹介されますが、それが
はたしてそうなのか、はやく2巻を読みましょう。

巻末に、澪の考案した料理のレシピが載ってるので、
これも作ってみましょう。
コメント
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