晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

平岩弓枝 『はやぶさ新八御用帳』

2016-11-11 | 日本人作家 は
長いこと投稿をサボってました・・・

入院とかパソコンが壊れたそういう理由ではまったくない
んですが、ようは新しい本を読んでなかっただけ。
前回の投稿が7月下旬ですか。うーん、暑かったですねえ。

そんな与太話は置いといてですね。

これはシリーズものなんですね。ただ「御宿かわせみ」
とは違って短編ではありません。

主人公は、南町奉行、根岸肥前守の内与力、隼新八郎。

町奉行には与力と同心という肩書があって、これは、
表向きは一代限りの役職なのですが、実際には世襲と
なっています。でも、町奉行のトップ、有名どころ
でいえば大岡越前とか遠山の金さんですね、は交代制
だったので、この「内与力」というのは奉行の直属の
部下にあたります。

で、新八郎の役目は、「市中取締」ならび「諸色調掛」。
すでに述べたように奉行は交代制で与力、同心は世襲なので
上司ではあっても殿と家来のような関係ではないので、
まあいろいろ頼みにくいこともあったりした場合には
この内与力に頼むことになります。

新八郎の奥さんは郁江といって、新御番組頭、神谷伊十郎の娘。
郁江の兄は鹿之助といって新八郎とは幼馴染。

さて、新八郎は、内藤新宿の西、淀橋近くにいます。
十二社権現の近くにある団子屋にいる、お鯉に会いに来たの
です。
あれ、新八郎は新婚では?
このお鯉は、かつて新八郎の家に女中奉公していたのですが、
新八郎の結婚が決まって、郁江が女中を連れて嫁入りしたので、
暇をもらったのです。
新八郎はお鯉のことを気にはなっていたのですが、いかんせん
武家と女中では身分違いですし、友達の鹿之助は「いずれは
うちの妹と・・・」というのもあったりで、お鯉に対する恋心
に気付いたときにはもう遅かった、といったところ。

淀橋からの帰り、夜であたりは暗闇、新八郎は何者かの気配を
感じます。すると突然、刀で斬りつけてきたのです。

すんでのところで相手の攻撃をかわした新八郎。何者かは逃げ
ますが、辺りから血の匂いがします。よく見ると、橋の袂に人
が。急いで近くの番屋に駆けつけ、現場に引き返したときには
橋の袂に人はいなく、そのとき新八郎は自分の着ている服の肩
先が切られていたことに気づきます。

翌日、新八郎は奉行の根岸肥前守に呼ばれ、昨夜、淀橋に死体が
あがったことを聞かされます。
水死体は、日本橋の菓子屋、鶴丸屋の主人、清兵衛。
鶴丸屋の番頭によると、昨日、清兵衛は母の見舞いに千駄ヶ谷に
行くことになっていたのですが、一緒に行った手代の話では、
千駄ヶ谷の手前で清兵衛はちょっと寄り道をするといってどこか
に行ったそうです。
清兵衛は出かける前に三百両もの金を包んで持っていたそうですが、
死体からは金は出てきませんでした。

新八郎は清兵衛の葬儀に日本橋の鶴丸屋へ行きます。
すると、家じゅうが騒ぎに。清兵衛の妹で、江戸城大奥に奉公して
いるお喜久が帰ってきたというのですが・・・

ふたたび、淀橋の近くで、今度は男の首なし死体が見つかります。
そして、新八郎に、大奥の御年寄、音羽様の鬼子母神参詣の道中
警固の依頼が。
普通、将軍が上野の寛永寺や芝の増上寺に御成りになる時には
町奉行が警固をすることはあるのですが、歴代将軍や御台所の
命日に大奥女中が代参で行く場合には町奉行は出ません。
しかも今回は鬼子母神という、音羽様個人の参詣に、御留守居役
より奉行に内々でお願いがあったというのです。

そこで、警固にあたっていた船越という町奉行が何者かに殺され、
音羽様までもが殺されたのです。

さらに後日、将軍の御鷹狩りでのこと、何者かが将軍を鉄砲で暗殺
しようと・・・

この事件のカギは大奥にあるのでは、と思ったところで江戸城内の、
さらに将軍以外の男が立ち入り禁止の大奥で訊き込み捜査などできる
はずもなく、さてどうしようと考える新八郎。

そこで、鹿之助が、新八郎に内緒で、お鯉に、大奥女中奉公に
行かせて、内偵をさせるのですが・・・

これはもう久しぶりに読み終わって「面白かった!」と叫びたくなる、
そんな時代ミステリです。
コメント
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