予定が変更になり、帰りがけに久しぶりのお客さんの処へ立ち寄るも留守で、
丁度運転席から見へた、近くにある唐松観音を訊ねてきました。
山形市から仙台へ向かふ道沿ひ、馬見ヶ崎川の岸に建ってゐます。
何故こんなところに? と思ふ場所ですが、
観音のいはれもさることながら、戦国時代、仙台藩をかなり気にしてゐたといふ
当時の山形城主の警戒感から、一種見張りの出城的な役目もあったやうです。
駐車場に車を置き、観音堂へは真直ぐに伸びる橋を渡る。
切り立った岩の中腹に、地蔵が祀られてゐます。
仰ぎみると、舞台つくりの観音堂が天にある。
三十年ほど前に再建されたといふ観音堂。
修学旅行の時、奈良で見た寺の回廊を思ひだす風情です。
登りきると、展望がひらけ、一寸した休憩所のやうになってゐる。
灰皿があるといふことは、その景色を楽しんで…、といふことでせう。
驚くことに、堂内はまったくの”無料開放状態”で、
”安全都市”山形の広告塔のやうです。
格天井の絵は、再建当時、山形の著名な画家たちによって寄進されたものださうです。
色鮮やかな一枚一枚が、川をわたってくる風に触れてゐる。
いつも、こんな状態で開放されてゐるでせうが、
世知辛い昨今の世情を考へると、のどかな風景です。
帰りの橋の上からは、すっかり秋らしくなった空が望めました。
あと半月もすると、馬見ヶ崎の川岸は、芋煮会をする人たちで賑はってきます。
ぜひ、一度行ってみて下さい。
これからでしたら、
紅葉の頃が良いかもしれませんよ。
よしなに。