やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

唐松観音/最上三十三観音 第五番

2006-08-25 | 出羽百観音、を訊ねる


予定が変更になり、帰りがけに久しぶりのお客さんの処へ立ち寄るも留守で、
丁度運転席から見へた、近くにある唐松観音を訊ねてきました。

山形市から仙台へ向かふ道沿ひ、馬見ヶ崎川の岸に建ってゐます。
何故こんなところに? と思ふ場所ですが、
観音のいはれもさることながら、戦国時代、仙台藩をかなり気にしてゐたといふ
当時の山形城主の警戒感から、一種見張りの出城的な役目もあったやうです。









駐車場に車を置き、観音堂へは真直ぐに伸びる橋を渡る。












切り立った岩の中腹に、地蔵が祀られてゐます。





              






仰ぎみると、舞台つくりの観音堂が天にある。








三十年ほど前に再建されたといふ観音堂。












修学旅行の時、奈良で見た寺の回廊を思ひだす風情です。

             


登りきると、展望がひらけ、一寸した休憩所のやうになってゐる。
灰皿があるといふことは、その景色を楽しんで…、といふことでせう。




驚くことに、堂内はまったくの”無料開放状態”で、
”安全都市”山形の広告塔のやうです。




格天井の絵は、再建当時、山形の著名な画家たちによって寄進されたものださうです。
色鮮やかな一枚一枚が、川をわたってくる風に触れてゐる。




いつも、こんな状態で開放されてゐるでせうが、
世知辛い昨今の世情を考へると、のどかな風景です。




帰りの橋の上からは、すっかり秋らしくなった空が望めました。
あと半月もすると、馬見ヶ崎の川岸は、芋煮会をする人たちで賑はってきます。