やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ブラームス/ピアノ三重奏曲第一番

2005-10-15 | 音楽を
              (蔵王の秋~)

秋から冬にかけて、ブラームスの、室内楽曲と器楽曲をまとめて聴いてゆきたくなりました。

最初に選んだのは、ピアノ三重奏曲。
演奏は、ピアノがアルトゥ-ル・ルービンシュタイン、ヴァイオリンはヘンリク・シェリング、チェロはピエール・フルニエといふ、黄金トリオです。

作品番号8のこの曲は、ブラームスが二十歳過ぎに一度出来たものですが、それから36年後に手を加へての作品です。

曲の出だしの、ピアノにからんでチェロが歌うところは、結構、恋多かったブラームスの甘味な味はひがストレートにでてゐて、晩年の改訂でも残したかったメロディなのでせう。
どの部分が手直しされたのかは小生にはわかりませんが、後半になると、曲の雰囲気が内向的になってくるあたりでせうか。

完璧さを求めるあまり、自分の作品を破棄することに何のためらひも持たなかったといふブラームスの、曲の中に残された馥郁たるかをりを感じることができます。


バルトーク/ピアノ協奏曲第1番

2005-10-12 | 音楽を
マウリッツオ・ポリーニのピアノ、クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団の演奏で聴く。
共に30代半ば、鉄壁の演奏です。

1926年、フランクフルトにて、バルトーク自身のピアノ、フルトヴェングラーの指揮にて初演が行なわれた。

弦の数をこまかく限定・指定してまで全体のバランスを図り、既に、旋律としての主題もなく、ティンパニや管楽器と対峙する、激しく打ち鳴らす打楽器としてのピアノがあるだけです。
ハーモニーとしての意味は無くなり、音の断片として、あるひは、色彩的な価値のみを許してゐるかのやうにー。

聴き終はって、耳に残るメロディは少ない。
第2楽章で、管楽器が異なる調を同時に響かせ、その上をピアノが進んでゆくあたりは、映画「砂の器」の音楽に似たところがあって、とてもスリリングで面白い。

難解さにかけては、屈指の曲といはれてゐるやうですが、それゆゑ逆に、改めて聴きなほした時の新鮮さは(無調の世界に入らなかったバルトークの素晴しさ!)とどまる先をしらないほどです。


芋煮会

2005-10-10 | やまがた抄

定例の、「山形盛り場研究会」の芋煮会が、好日の下ありました。

今回は、幹事は他の方でしたが、一応、鍋奉行を仰せつかってゐる身ですので、
朝早く、場所取りにゆきました。



朝7時、既に河原の外れまでテープが張られ、昨年よりやや遠い場所となりました。


昼頃の様子。絶好の、芋煮会日和でした。



さて、芋煮のプロセスはこんな感じ、です。



近くで調達した石のカマドにてスタート。


今回の調理主任は、飲み屋のママさんにより、芋は切らずに入れる。


これも調理主任の希望で、最初にネギを少し入れて旨みを図る。


コンニャクとタレを入れる。
今回は、芋煮のタレなるものでしたが、これは不評で、やはり、
醤油、塩、砂糖、味りん、酒等で微妙な味付けをするに限ります。


あく取りは小まめに。


今回の牛肉。霜降りのやうな、良い肉でした。これは、皆に好評。


牛肉を入れる。


出来上がり寸前。ここで、鍋奉行が味見。
いつも、ここで、喧々がくがく。皆が好き勝手なことを云ふ。


最後の仕上げにネギ。しんなりとしたら完成。


芋煮鍋、完成!!


芋煮の前のバーベキューで既に出来上がってゐる人もゐましたが、
改めて、芋煮で乾杯!


例年、残りの鍋でカレーうどんを作ります。
今回は、きしめんで、これが好評。


芋煮会をしてゐると、誰かしら知人に遭ひます。
そして、差し入れものの交換。
今回の頂き物。焼き鳥、そして、イワナと豚肉のすき焼き。






好天に恵まれた、楽しい一日、でした。




吉野路、を通る

2005-10-06 | やまがた抄
山形市と南陽市を結ぶ山間の道があります。
仕事で、抜け道的に利用するのですが、道路沿ひの景色に趣があるので、幾枚か写真を撮りました。

保存運動もあるやうです。
途中の集落では、映画のロケに使はれたりとしてゐるやうです、が小生は、名前といひ、雰囲気といひ、落人伝説があるのかな、と思ってをり、近いうちに調べてみやうかと思ってゐます。

























        





山法師の実

2005-10-05 | やまがた抄

初夏に、異常に花を付けた山法師に、実が鈴なりになってしまひました。
昨年、アメシロを発見して、枝を幾つか落としたせゐでせうか。
そろそろ実も熟しはじめ、ところかまはず落下してゐて、
家人には、まったく不評、です。
(これだけあれば、ジャムが出来さうな、と小生は思ふのですがー)

とまれ、この分では、来年は花は少ないだらうな、と軽い失望感で見上げてゐます。

「能装束」展、を観る

2005-10-04 | 絵をみる
仕事で、郡山市へ行ってきました。
一寸、辛い内容の用向きで、何とか終へると疲れ果ててしまひ、
ふと、郡山の市立美術館を思ひだし、問ひ合はせてみると、「能装束展を開催してゐます」、とのこと。
東へ15分ほど車を走らせ、久しぶりに訪ねました。





企画展の名称は、正式には
 「林原美術館名品展 華麗なる能装束」
といふものでしたが、いつものやうにパンフレット等もろくに読まず、
いきなり見事な装束に見入ってしまひました。




見事な逸品ばかりで、江戸時代の装束の、突き抜けたモダンに改めて感心すること
しきりで、思ひもかけない時間が拾へました。



特に、何面か展示してあった能面の中に、小生の好きな「増女(ぞうおんな)」があり、その面がまた素晴しく、妙にうら若い感じがして、ガラス張りの前で係員の怪訝な様子も無視して、前から横から斜めからと、しばらく覗いてしまひました。





庭先にはー

2005-10-03 | やまがた抄

今日から着手したお客様の庭先は、秋がひと足早く着いてゐました。




柿木に吊るされた、一寸面白い焼き物。




鉢物には、秋本番の色。




ご主人に名前を聞いたのですが、忘れ果ててしまった、十文字草、のやうな花。



ナラ・レオンの声

2005-10-02 | 音楽を
      


ナラ・レオンがアメリカのスタンダード曲を歌ったアルバムがあります。
1989年に47歳で亡くなった、彼女の最後に近い歌声です。

意外性が受けたのか、セールス的に成功して、すぐ二枚目が出ました。
既に病を得てゐたこともあるのか、全ての曲が、やはらかな風のやうに歌はれてゐます。余りにも軽すぎる、といふ意見もあるやうで、賛否は両論です。

小生はこのアルバムを車中で時折聞いてゐますが、
春であれ、暑い盛りであれ、晩秋であれ、降りしきる雪の中であれ、
彼女の、豊かな中域の声がゆったりとした気持ちにさせてくれます。
ボサノバだ、ジャズだ、との細かなことに拘らずに、四季折々の景色の中に
すっと溶け込んでゆく彼女の声は、やはり、絶品です。




秋のかをりはー

2005-10-01 | やまがた抄

朝、家を出るときに、ふと足を止めました。

ー何のかをりだっけ?

毎年、さう思ひながら、ああ、金木犀だと思ひだします。
我が家には、二本の金木犀がありますが、それぞれが
小さな花を咲かせやうとしてゐました。
かをりは、まう、あたり一面に漂ってゐます。




下には、ホトトギスの花も咲き始めてゐます。