やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

バルトーク/ピアノ協奏曲第1番

2005-10-12 | 音楽を
マウリッツオ・ポリーニのピアノ、クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団の演奏で聴く。
共に30代半ば、鉄壁の演奏です。

1926年、フランクフルトにて、バルトーク自身のピアノ、フルトヴェングラーの指揮にて初演が行なわれた。

弦の数をこまかく限定・指定してまで全体のバランスを図り、既に、旋律としての主題もなく、ティンパニや管楽器と対峙する、激しく打ち鳴らす打楽器としてのピアノがあるだけです。
ハーモニーとしての意味は無くなり、音の断片として、あるひは、色彩的な価値のみを許してゐるかのやうにー。

聴き終はって、耳に残るメロディは少ない。
第2楽章で、管楽器が異なる調を同時に響かせ、その上をピアノが進んでゆくあたりは、映画「砂の器」の音楽に似たところがあって、とてもスリリングで面白い。

難解さにかけては、屈指の曲といはれてゐるやうですが、それゆゑ逆に、改めて聴きなほした時の新鮮さは(無調の世界に入らなかったバルトークの素晴しさ!)とどまる先をしらないほどです。