やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

ゴダールの「女と男のいる舗道 」、を見る

2006-06-02 | 雑記

ゴダールの「女と男のいる舗道 」を見る。

GYAOにて、ネットで見ることが出来ました。
時間が出来たときに少しずつ見てゐたのですが、これも便利なものです。
これだけでも、小生は、USENとlivedoorは応援しますがー。


40年以上前の映画ながら、古臭さが微塵も感じられない。

ストーリーそのものは月並みだし、
ラストが唐突過ぎるし、それ自体の意味も少ないやうな気もしたのですが、
如何にもよい意味での、映画を撮ってゐる、といふ緊張感が伝はってきます。

今さらながら、タイトルのつけ方も素敵。
M・ルグランによる哀切なナナのテーマ音楽(なのでせう)。
ナナの呼吸のやうに、気持ちのやうに揺れ動くカメラアングル。
パリの街の雰囲気がモノクロの画面から伝はるカフェのシーン。
”幸福は楽しくない”といふ命題。
カフェでの、老人との禅問答のやうな会話。
そして、ナナ役のアンナ・カリーナの美しさ!

アメリカ映画に席捲される前の、
一寸理屈っぽい、退屈さを背中合はせにしながら、でも、人生の命題と正面きって向かひ合ってゐた欧州映画の面白さを見たやうな思ひです。