やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

バッハの次男ー。

2006-02-22 | 音楽を

バッハの次男、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハのシンフォニア集を聴く。

ナクソスレーベルの、若手の奏者によるCD。
このレーベルはスタート当時から好きで、決してメジャーが手を出さない分野に堂々と全集を作ったりして、それに値段も安いのでー。

C・P・E.バッハのシンフォニア。
確か、ピノック指揮の盤があった気がするのですが、このディスクでその面白さを改めて感じました。

もう、モーツァルトが目の前の音楽、です。

確かに、実際の時代も交差してゐますし、モーツァルトがC・P・E.バッハの音楽に影響を受けた、とも云はれてゐます。
それとは別にして、このシンフォニアには、大バッハの息子!といふレッテルをはがさうといふ、よい意味での気概とユーモアが感じられて、それほど深刻ではないけれど、耳に心地のよい音楽です。

人間的な興味は、兄ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(父の多大な期待を受けながら、その才能もありながら、性格のためか、結局酒におぼれ、自暴自棄な生活の果てに、貧困のままに死ぬ。父バッハの楽譜もずゐぶんと売り払ってしまった、とも云はれてゐる)にありますし、モーツァルトの息子たちと同様、音楽家として名をなした弟クサヴァーよりも、やはり兄カールの、音楽家への道を自ら閉ざし、ミラノでの役人生活で一生を終へた(でもきっと、屈折した気持ちがずっとあったに違ひない!)生き方に興味は尽きません。

とまれ、ハイドンはほとんど聴かないのですが、この機に、同時代のC・P・E.バッハの音楽をまとめて聴いて見るのも面白いかもしれない、といふおもひを与へてくれたCDでした。




(写真は、ジャケットより)