朝日新聞の土曜日版に、ブラームスとクララ・シューマンの話が載ってゐました。
ブラームスの交響曲第1番の終楽章、不安げな、悲劇的な装ひに続く朗々としたホルンの旋律をクララに奉げた、といふエピソードでした。
14歳違ふ(そのこと自体には、興味がありませんが)二人の、それぞれの、間違ひなく恋といふ感情は、彼らの劇的な死の年のエピソードと共に、尽きない興味を小生に示してゐます。
そして、思ひだしたやうに、交響曲第1番を聴きました。
イシュトヴァン・ケルテス指揮/ウィーン・フィルの演奏を出しました。
水泳中に事故で亡くなる数ヶ月前の録音。
確か、カップリングの「ハイドンの主題の変奏曲」の録音が未完成だったために、
のちにウィーン・フィルのメンバーがケルテスの死を悼みながら、指揮者なしで完成させたといふ名盤です。
ケルテスをそれ程多く聴いてゐるわけではありませんが、ブラームスとモーツァルトは、格別です。
きっと、急死しなければ間違ひなくウィーン・フィルの指揮者になっただらうと云はれてゐた逸材のケルテスですから、40代前後の録音ながら、派手さはありませんが風格の整った演奏を残してくれてゐます。
(写真は、CDのジャケットから借用)