やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

伊右衛門殿!

2006-01-05 | 雑記

図書館から「四谷怪談は面白い」(横山泰子著/平凡社)といふ本を借りて読みました。

以前から、南北の「東海道四谷怪談」は好きで(歌舞伎そのものも好きで)、
哀しい岩の姿と、色悪の民谷伊右衛門の凄みが好きでした。
以前読んだ京極 夏彦の『嗤う伊右衛門』も、作者の独自の解釈で、二人の壮絶なラヴ・ストォリになってゐて、溜飲が下がった思ひでした。

決まって年末に話題になる忠臣蔵の話は、以前から嫌ひで、興味はひたすら”参戦”出来なかった人々(そちらの方が多かったはずですが)の生き様にありました。また、憎まれ役の吉良上野介にも興味が多く、以前調べた時にも「それ程、悪い人物でもない」といふ結果で、納得した覚えがあります。

「四谷怪談」もまた、”参戦”出来なかった人達の、一局面を描いたものです。
実在したともいはれてゐるお岩の魅力の有無は兎も角、劇中で、”醜くなった自らの顔を鏡で見たときに、変身を意識した”お岩の女としての凄みと哀しさ(幽霊にもなってやる! 夜叉にもなってやる!)は、小生には魅力のあるテーマです。