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rakitarouのきままな日常

人間の虐待で隻眼になったrakitarouの名を借りて人間界のモヤモヤを語ります。

日本にも展開されるグローバル官民パートナーシップ

2025-05-19 08:12:32 | 社会

I.  グローバル官民パートナーシップ(G3P)とは何か?

 

前回のブログで、世界経済を統一的にグローバリストがコントロールするメカニズムとして、

(1)国家の枠を超えたグローバル官民パートナーシップの確立による事業展開

(2)世界銀行やIMFによる強制的国家債務の押し付けによる国家独立性のはく奪(債務帝国主義)

(3)パンデミックや温暖化といった大規模なパラダイムシフトによる強制的経済転換(グレートリセット)

があるというRJ Burrowes氏の指摘を紹介しました。

そこで、一見架空の陰謀論的なシステム、軍産複合体とかディープステートといった漠然としたシステムを考えがちなグローバル官民パートナーシップが、現実のものとして世界や日本で政府推進の下で機能していることを今回示します。前回ブログでは2021年に設立されたCOP26会議でのグラスゴーネットゼロ金融同盟GFANZを例示しましたが、英国政府は2019年に世界経済フォーラムとパートナーシップを締結したことを正式に表明していますし、保健医療などの世界では1990年代からこのシステムは世界的に展開されてきました。まずは、リバタリアン的ブロガーのIan Davis氏がまとめた前回も引用した図と、グローバル官民パートナーシップとは何かを解説した文を一部引用します。

英国政府と世界経済フォーラムが正式に取り交わした協定のプレスリリース

 

(引用開始)

投稿者:イアン・デイビス 2021年10月6日

グローバル官民パートナーシップ(G3P)は、ステークホルダーである資本家とそのパートナーによる世界規模のネットワークです。このステークホルダー集団(資本家とそのパートナー)は、グローバル企業(中央銀行を含む)、慈善財団(数十億ドル規模の慈善家)、政策シンクタンク、政府(およびその関連機関)、非政府組織(NGO)、選抜された学術・科学機関、国際慈善団体、労働組合、大手メディア、そしてその他の選りすぐりの「思想的リーダー」で構成されています。

G3Pは世界金融と世界経済を支配しています。G3Pは(グローバルガバナンスを通じて)世界、国家、そして地域政策を策定し、G3P内で「パートナー」でもある主流メディア(MSM)企業を利用してそれらの政策を推進します。その世界モデル形成は、1998年のダボス会議における国連事務総長、アナン氏の演説によると言われます。

1998年国連事務総長の世界経済フォーラムにおける演説のプレスリリース

これらの政策は、多くの場合、シンクタンクによって策定され、その後、G3Pのパートナーでもある政府によって採択されます。政府は、G3Pのグローバルガバナンスを明確な政策、立法、そして法律的強制へと転換するプロセスです。

現在のウェストファリア国家主権モデルでは、ある国の政府が他国の法律を制定することはできません。しかし、グローバル・ガバナンス(G3P)を通じて、G3Pは地球規模で政策イニシアチブを創出し、それが各国の人々に法的強制力を持って波及します。これは通常、IMFやIPCCなどの政策提言機関を介して行われ、各国政府は勧告された政策を施行します。

政策の方向性は、問題の正式な定義と規定された解決策によって国際的に定められます。G3Pが国際的に合意を得ると、政策枠組みが設定されます。その後、G3Pのステークホルダーパートナーは協力し、望ましい政策が法制化され執行されるよう努めます。これが、よく引用される「国際ルールに基づくシステム」です。

このように、G3Pは多くの国を同時に統制しています。これには、G3P(権威主義的な階層構造)の最高位パートナーによる決定に対する法的異議申し立てが極めて困難になるという支配者にとっての利点、つまりガバナンスやアカウンタビリティを気にしなくても良いという問題があります。

G3Pは伝統的に公衆衛生の視点で実現化されており、特に世界保健機関(WHO)などの国連機関の文書を含む文書において言及されてきました。WHOの2005年の文書「健康のためのつながり」は、ミレニアム開発目標が世界の保健にとって何を意味するかを指摘し、新たなG3Pを明らかにしました。

(引用終了)

 

II.  日本における官民パートナーシップの展開

内閣府のG3P推進を紹介するホームページ

日本においても内閣府を中心に官民パートナーシップは盛んに推進されています。これらは2020年から積極的に会議が開催されて推進されており、2023年にはアクションプランの改定が行われ、30兆円規模の事業目標が示されました。2025年2月には第6回の会議が開かれました。官庁としては、内閣府、経産省、国土交通省、厚労省などが中心になっています。それらを全て国民に害するものとして排除する必要はないと考えますが、前のめりになって無暗に進めてしまうことで、後から多くの問題が生ずる可能性について危惧される点も多くあります。

 

III.  保健医療関連で問題化するG3P

 

WEFはいかなる選挙による権限も持ちません。私たちの誰にも、その判断に影響を与えたり、疑問を呈したりする機会はありません。それでもWEFは、民主的に選出されたとされる政府や、G3Pの他の利害関係者と協力し、私たちが暮らす地球を再設計するために活動しています。G3Pの中核を成すのは、ステークホルダー資本主義です。本質的に、G3Pは利益を追求するグローバル企業を意思決定の中心に置くことで、民主的な政府(あるいはあらゆる種類の政府)を乗っ取ります。理論上は、政府はG3P政策を実施する義務はありませんが、現実には実施しなければなりません。

SDGsは、G3Pに基づくグローバルガバナンスの実践例の一つに過ぎません。このプロセスにおける選挙で選ばれた政治家の役割はごくわずかです。彼らは単に政策を実施し、国民に売り込む役割しか担っていません。誰を選出するかは問題ではありません。政策の軌道はグローバルガバナンスレベルで決定されます。

2000年に英国のWalt氏らがG3Pのガバナンスに関する懸念をWHO年報に発表しています。その指摘によると、G3Pシステムは、利点ばかりが強調されているが、そのシステムにはガバナンス、政策決定者の正当性、政策の市民への説明責任の所在、執行上の適切な能力、適性手続きの尊重の全てに問題があると問題提起されています。

日本においても、グローバル官民パートナーシップの研究が発表されていますが、保健衛生活動を通じた分析においても、企業利益の追求とNGOの求める公共性の両立、最終目標の認識の統一などの課題が提唱されています。

日本における研究良い面もあるが課題も多いと指摘

 

我々の日常生活で、政府が主体的に決めているように見える政策も知らないところで資本主義ステークホルダーが勝手に決めた政策(デジタル化やマイナンバーへの統一、保健衛生政策など)をやらされている事例が実は山積しているという視点が重要ではないでしょうか。


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