最近ウクライナへの供与で俄に脚光を浴びているジェネラル・ダイナミックF-16 Fighting Falconを作りました。F−16は1970年代に最後の有人戦闘機と言われたF104の後継機として、大型のF14やF15が計画されていた際に、小型軽量で機動力とコストパフォーマンスに優れた機体を模索した米国空軍により研究開発が発注されてジェネラル・ダイナミックス社、現ロッキード・マーチンが提案した機体です。胴体も翼の一部として一体的に設計するBlended Wing Bodyによる美しい形状、操縦もフライバイワイヤとコンピューターを駆使した当時最新のメカニズムを搭載して試作機の登場時点から注目を集めました。私も1970年代に試作機YF-16を見てから、P−51ムスタング、F-86スーパーセイバーに継ぐ傑作戦闘機であると注目して当時ハセガワから出た1/72のプラモデルを早速作りました。
F16C 実機 70年代に出たYF−16のプラモ 米国旗をモチーフにしたトライカラーで塗装されていた。現在の塗装、濃淡グレーの競演とは対照的。
F−16は数々の改良を加えながら4,604機も製造され、NATO各国など10数カ国で使用され、現在も次世代機との交換まで使用されています。
1980年代以降中東などほぼ全ての戦乱に参加はしてきましたが、湾岸戦争やコソボ内戦など戦況を転換させるほどの活躍に至る事はなかったようです。ウクライナ戦争においてもウクライナ軍への供与が戦況を変える切り札になる如く言われていますが、100%無理です。機体をみれば解る様にステルス性はほぼなく、現代の高性能対空ミサイルにチャフで回避する他ありません。空戦性能も最新でなく、対地攻撃も十分な管制バックアップが必要とされます。何よりウクライナ軍に戦闘機パイロットがおらず、ロシア軍機とはヘッドアップディスプレイで表示される機体の傾きが逆でもあります。吸気口が胴体下部で大きく開口しており、車輪も小さいので整備された滑走路が必要です。
在欧米空軍86戦術航空群512戦術飛行隊所属の機 中央から300ガロン、370ガロン増槽、BL755クラスター爆弾 AIM9L(第3世代)サイドワインダー4機装着。
モデルは安定のハセガワ製なので安心して作れましたが、最近の米軍機はNATO仕様も含めて濃淡グレーの競演と呼べる様な塗装で、グレーだけで6種類くらい使いました。幸いクレオスから各種カラーが発売されているのでそれらを使用して作りました。梯子に乗っている地上員はハセガワ製の米軍航空員セットから流用しました。キットにはBL755クラスター爆弾が搭載されていましたが、攻撃する側がクラスター爆弾を使うと、味方が不発弾で負傷して湾岸戦争では多数の米軍兵が犠牲になったと言われます。それが解っていながら、攻撃しているウクライナ軍にクラスター弾を供給している「米国の非情さ」を批難しない専門家も酷いものだと思います。一方で守る側はクラスター弾は威力が弱く、壁を破壊しないので余り怖くないと言われています。
デカールは細かい所までよく出来ていました。
日本のF 2や中國のJ10またパキスタンのF17などなどありますが空母艦載型は無理みたいです。