rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

戦争は悪(敵味方の犠牲を厭わない方)が勝つ

2022-05-03 10:30:08 | 社会

I.  ロシア戦争宣言で第三次大戦?

2022年5月1日のウクライナ情勢(SKY News映像)

ロシアによるウクライナ侵攻は3か月目を迎えようとしていますが、戦線はウクライナ東部と南部主体となったものの進捗は西側メディアが指摘するように停滞気味です。西側、ロシア側の種々報道を比較すると、ロシアが親ロ系ウクライナ住民に気を使って軍事作戦を行うほど、ウクライナ国民の犠牲を厭わない西側には有利に働き、ロシア側は苦戦するという図式が出来上がっている様に見えます。

2014年のマイダン革命以降、ドンバス地域が内戦状態となり、米国はいずれウクライナがロシアと「ウクライナを戦場」として戦争を行う前提でウクライナの軍組織を「カルト的な極右」アゾフ大隊中心に戦力増強をしてきました。アゾフ大隊には外国からの極右民兵や中東のテロ組織などからも参加があり、彼らが欧米の支援を基にウクライナ軍内で権力を持って支配しだしたため、嫌気のさした従前からのウクライナ軍人達の多くは退職したり、ドネツク地域の親ロシア勢力に加わったりしたようです。以前記した様に2014年前に5万程度であったウクライナ軍は4倍に増強され、市民達からなる防衛軍もその配下にあります。欧米が提供支援する武器は、軍としての訓練が必要な部隊規模で戦略的に使用するものよりは、主に個人や小規模部隊で使用する対戦車兵器が主体であることは報道でも明らかです。そして欧米がウクライナ軍を訓練する内容も、長期の訓練が必要とする部隊規模の行動ではなく、ゲリラ的な小規模戦闘が主体のようです。つまり部隊規模で侵攻してくる機甲部隊を、小規模ゲリラ的に待ち伏せ攻撃するのに適した兵器を当初から援助していた訳で、今回のロシア侵攻は米国の狙い通りの展開になったとも言えるでしょう。

英国のウオレス国防相は5月9日のナチスドイツ戦勝記念日までにロシアは正式に「ウクライナと戦争状態にあることを宣言」する可能性を示唆しました。「特別軍事作戦」と称している間は結果がどうであれ「作戦終了」と宣言すれば兵を引く事も可能ですが、「宣戦布告」「国家総動員令」が発令されると「勝ち負けが明確になるまで終戦はない」事になります。日露戦争は実質日本の勝利でしたが、米国が仲介して「痛み分け」として戦争を終わらせました。日本もこれ以上継続は無理、帝政ロシアも革命前夜といった内情があり、「終わらせてもらって良かった」のが双方の実情だったと思います。今回ロシアが本気で宣戦布告をした場合、米国・EUは武器をウクライナに送って代理戦争をさせているので仲介する気はないでしょう。イスラエル、インド、トルコ、中国など中立を保っている国が仲介するとも思えず、ロシアは抗戦するウクライナ住民の犠牲を気にせずに一機にポーランド国境まで攻め込む可能性があります。この状態になると慌てて戦争を始めるのはいつの時代も反ロシア感情が強いポーランドですから、今回もロシアが急速に迫れば戦端を開く可能性があり、自動的にNATOがロシアと戦争状態になって第三次大戦が始まります。NATOが参戦するとロシアも核の使用を辞さない事は明白です。

 

II.  戦争は悪(犠牲を厭わない方)が勝つ

 

古来より戦争は敵味方の区別なく、犠牲を厭わない方が勝つという法則があります。ただし戦争に「勝った国の国民が結果として幸福になるか」は別です。原爆を平気で使う、無差別絨毯爆撃を行う、イラク侵攻では100万人が犠牲になり、50万人の子供が犠牲になった事もオルブライトは「意味のある犠牲」と言ってのけました。一方味方の犠牲を厭わないソ連は、第二次大戦のナチスドイツの侵略に対して120万人の兵士、1900万人の民間人の犠牲を出して勝ちました。米国は太平洋と欧州で47万人の兵士の犠牲でした。敵味方の犠牲を厭わず「勝ち」をロシアが取りに来た場合、所詮「金と煩悩の市場原理主義」で動いている現在の欧米(一極資本主義)には勝ち目はないと思うのですがどうでしょう。まあ「大手メディアを簡単に信じるレベルの負け組庶民はいくら死んでもOK、勝ち組の金融資本家だけが生き残れば良い」という事ならば市場原理主義者の勝ちとも言えますが、あちこちで核兵器を使われたのでは我々庶民はたまった物ではありません。

1970年代の米ソ冷戦時代は核兵器を用いた大国同士の戦争が始まったら人類は滅びると、メディアも政治指導者も真剣に考えていました。その緊張感は現在のメディアや政治指導者、また米国のリタイアした軍関係者達によると、現在の米国諜報関係者にも欠けていると指摘されています。最近のメディアや政治指導者の報道内用を見る限り、「誰が悪い」などと善悪を指摘するばかりで、大国の戦争を真剣に「人類の滅亡に直結する」と考えて妥協による戦争終結を勧める言論がない事を憂慮します。

世界戦争にならないためには、ブチャにおける虐殺とされる事態から現在中断状態にある「まとまりかけた休戦協定」再度しっかりまとめる事が大事と考えます。トルコなどがまとめようとした休戦協定を全力で邪魔しているのは米欧に他なりません。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
連合軍はロシアに丸投げで勝った! (ローレライ)
2022-05-03 12:49:04
連合軍側はヨーロッパも極東もロシア軍に丸投げで勝ったのに手柄と利権は米英が独占したのが第二次世界大戦である。
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ドンバスのジノサイドを消去する西側報道! (ローレライ)
2022-05-03 14:25:54
ドンバスに対するキエフ政権のジノサイドもミンスク合意も消去して報道する西側諸国では朝鮮戦争の発火が済州島に対するソウル政権の弾圧である事を消去して語られるのと同じ歴史消去政策に見える!
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アメリカの自作自演の核攻撃! (ローレライ)
2022-05-04 19:21:37
オリバーストーン監督などは,アメリカの自作自演のウクライナへの核攻撃の可能性大と言っている、シリアのアルカイダの毒ガス使用の手口がウクライナで核で行われる可能性を示す!
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ベラルーシ南部ゴメリ州での (宗純)
2022-05-06 10:22:48
「まとまりかけた停戦交渉」ですが、正確な日付けを調べると
初回が2月24日のロシア軍ウクライナ侵攻の不思議な騒動から、たった4日目の2月28日
2回目が3月3日で、この時に両国は攻撃下の市民を退避させる「人道回廊」の設置で合意した。ところが、アゾフ大隊の妨害で回廊周辺の一時停戦に至らず実現していない。
3回目が3月7日で
共同通信によると
「一方、トルコのチャブシオール外相は7日、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相と共にトルコ南部アンタルヤで10日に会談すると発表した。侵攻開始以来、ロシアとウクライナの閣僚会合は初めて。」
とあり、この3月初めの時点でほぼ停戦交渉は円満解決していた。戦争はほぼ終わっていたらしいのです。
ところが、停戦交渉メンバーのウクライナ国会議員デニス・クリーレフを国家反逆罪で射殺されたため、対面での直接交渉がすべて頓挫。以後はオンラインになる
最初にデニス・クリーレフ射殺を報じたのがイギリスのデイリーメイルで、なんと日付を調べるとベラルーシ南部で3回目の対面での直接交渉前日の3月6日夜の出来事で、その目的は停戦交渉の妨害しか有り得ない。
しかもトルコのエルドアン大統領が尽力したイスタンブールでの3月29日の4回目の直接交渉で、
ロシアのフォミン国防次官が首都キエフ周辺からのロシア軍撤収を発表しているのですから、再度この時点でほぼウクライナの戦争の大部分は終わっているが、その直後に起きたのがブチャ大虐殺の不可解な騒動なのですから、その目的は明らか。なんとかしてウクライナの騒動を長引かしてダラダラと続けたいのですから不可解。

誰の利益にもならないのでウクライナもロシアも一日も早く戦闘を終わらせたいと思っている。
ところが、居眠りバイデンとかネオナチのアゾフ大隊、リベラルメディアなど一部は逆に、騒動をもう少し続けて、別の何かを企んでいるらしいのです。基本的にインチキな八百長プロレスですね。本命は別で、たぶん半世紀前のニクソンショックの逆バージョンの金本位制再復活(ドル覇権の崩壊)
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戦争で得をする者 (rakitarou)
2022-05-06 22:43:15
軍産複合体は戦争が続くほど儲かる。米民主党は中間選挙に役立てたい。大量に持ち込まれた軍需品は適当に武器密輸業者に横流し。米国籍も持つウクライナ高官は丸儲け。税金から捨て銭を払わされる西側庶民は良い面の皮です。まさか贈られた金や武器が本当に役に立っているなどと信じているめでたい人はいないと思いますが。
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秀吉なら水責めのアゾフ鉄工場! (ローレライ)
2022-05-07 20:26:43
プーチンは人道的だからナチスに見くびられる!当たりですね。 秀吉ならとっくに水責めにしています!
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