rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

マスコミに載らない震災こぼれ話

2011-04-06 23:16:05 | 社会

1)遺体収容がままならなかった時期、津波によって瓦礫の山と化した街で家族を探す人達はあちこちにころがる遺体を見ても「家族でない」ことを確認すると何事もなかったように通り過ぎたという。普段ならば路上に死体があれば大騒ぎになる所ですが、あまりに遺体が多いこと、動かすと却って身元が解らなくなること(自動車の中の遺体は特に)などからそれは勿論やむを得ないことだったでしょう。

 

日本のメディアには出ませんが、外国のメディアには体育館に並べられた遺体を検分する家族や瓦礫の中からおむつをした幼児の遺体を取り出す自衛官といった生々しい写真が紹介されて、数万人の犠牲者を出した今回の震災の真実を伝えています。まるでCGの様な人が写っていない街や車が津波に飲込まれて流されてゆく映像は繰り返しテレビでも流されますが、遺体の前で泣き伏せる家族の写真や映像は出てきません。「そのような映像をマスメディアに出すことは残酷であり、小さい子供にはトラウマになって心が傷ついてしまうから良くない」としたり顔で正論ぶってクレームを付ける人間が日本人には多いようです。結果としてクレームに弱いメディアはインパクトはあるけど残酷でない映像を選んで出すようになります。それは真実ではあるけれど都合良く選択された真実であって事態をそのまま伝えていることにはなりません。

 

例え実際の被災者ではなくても、幼い子供は残酷な真実の映像を見せられることでトラウマが残り、一時恐くて夜も寝られなくなることで、その子が大人になってから「津波対策の防波堤は15mにするか10mで良いか」の選択を迫られた時に迷わず15mを選べるようになるのです。限られた予算で100年に一度に備えて15mの防波堤を借金してまで作りますか?と問われた時、トラウマがなければ「まあ10mで良いか」になってしまう。その大事な教訓を何万という犠牲者達が残して下さったのに、臆病で愚かなマスメディアの自主規制によって貴重な教訓を日本人全てが共有する機会が失われていることをもっと国民は怒るべきだと思います。

 

2)津波によって被災したO町には海岸沿いにアウトレットがあるのですが、避難して人がいなくなったブランドショップが漁業関係の工場に出稼ぎに来ていた中国の人達に荒されて略奪されてしまったというのが町で評判になっています。国民性の違いといってしまえばそれまでですが、3K移民を100万人も入れた場合、「災害が起こっても略奪のない国」とは言われなくなるでしょう。これも臆病なマスコミは100%報道しない真実でしょう。

 

3)地震によって建物が崩壊寸前で病院として使えなくなった某市民病院では、昨年から院長が空席であったことから、経験10年目のやり手外科医と市長の後援会長、一部の病院職員が結託してその医師を院長にするべく市長に掛け合って、他の病院職員がこぞって反対していたのに4月から院長にする辞令を出させてしまったという事件がありました。その医師は管理職としての経験不足もさることながら人間的にも極めて評判が悪く、看護師や他の医師は「その医師が院長になるなら辞職する」と殆どの職員が辞表を提出したとか。事態に慌てた県の衛生部も「建物も人も無くなっては完全に病院崩壊で地域医療の消滅」とばかりに対策に乗り出し、何とか辞表撤回(辞令撤回でなく)の方向で説得にまわったもよう。医者の人事に門外漢がクビを突っ込むと大やけどをする(他省庁でもありましたが)という好例かと。

 

4)震災全てについて言える事ですが、特に原発事故については、指揮命令系統の欠如ということが顕著であった(未だに誰が司令塔なのか解らない)と思います。特にリーダーシップを発揮すべき(司令塔にならなくても良いのですが)菅総理の動きが不明だったのですが、ここに来てどのような経過だったのか少しずつ解ってきたようです。

 

原発の事故報告を受けて、緊急冷却機能が働かない状態を聞いて理系東工大卒で内閣一の原発通である菅総理は「すぐに海水を使って(廃炉を決心して)冷却しないと駄目だ」という考えを東電に伝えたようです。しかし緊急冷却機能は働いたけれども停電のために停止しただけで電気を回復させれば大丈夫だ(福島第二は事実そうだった)と理論的に説明を受けて、理系で原発の知識がある菅総理は「そうか、それなら大丈夫だ」と納得してしまったようです。アメリカからの支援も断り、まわりにも「これこれだから大丈夫だ」と説明して回った矢先に「ドーン」と水素爆発が起って東電を信じて周りを説得していた菅総理の面目丸つぶれ、しかも当初「海水を使ってすぐに冷やせ」と言った自分の判断が正しかったことも解り、怒髪天を突く勢いで東電本社に怒鳴り込みに行った、というのが真相のようです。その後は事態がどんどん悪化する一方で対策は後手後手に周り、東電を叱りつけた菅総理自身も批判の対象になり、一時ふさぎ込んでしまった、ということだったようです。

 

前回「組織のトップは理系が良い」と書きましたが、菅さんについては「総理」としてはミスキャスト(その器でない)と断言できます。小沢さんあたりが総理で、菅さんは「原発事故担当大臣」とかに任命されて「原発については君に任せる」と全権を任されれば東電、保安院、政府の頂点に立ってその知識を生かして「司令塔」として適確な判断を下しながらもっと国民に貢献することができたのではないでしょうか。適材適所、人としての器を考える時、小さくは前記の院長人事から現在の政権のありようまで、それがいかに社会がうまく機能するために大事かということを痛感します。国民が選挙で選んだのは「鳩山・小沢・亀井」による政権だったのに何故マスコミは民主主義を否定するような首相交代を平気で促進させたのか、今さらながら悔やまれます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 組織のトップは理系技術者に... | トップ | 政府は正しいインフォームド... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

社会」カテゴリの最新記事