隠れた名機とも言われるノースロップF-89スコーピオンを作りました。実戦には出なかったものの、1950年代の米国本土を核攻撃から守る迎撃戦闘機の主役として、ソ連から飛来するB-29改ともいえるTu-95ベアを確実に迎撃する様々な武装が試みられ、その後の戦闘機武装の発達に影響を与えたと言えます。戦後間もない1945年12月にノースロップ社はP-61ブラックウイドウの流れをくむ全天候型長距離ジェット戦闘機の開発に取り掛かり、1948年に初飛行をしたアリソンJ35推力1820kgを2機装備した二人乗りの戦闘機を開発しました。その後エンジンはアフターバーナー付きの推力2360kgに換装されて、最高速度1010km、航続距離2560km、全天候型と主にアラスカ地方防空のために必要な性能を備えた機体になりました。
モンタナ州防空軍のF-89D 実機
武装は当初20mm機関砲6門、1200発と重武装でしたが、翼端の燃料ポッドを武器用に改造して一度に52発のロケット弾を発射するマイティマウス2発(フットボール場2つ分の範囲で航空機が撃墜できる)、AIM-4赤外線誘導ミサイル4発(D型)、AIR-2核弾頭(1.5kトン)2発を搭載する事も可能でした。実戦に使われなかった事は核戦争が起きなかったということであり、良いことでした。合計1050機が生産され、本土防衛用のため、アメリカ空軍、各州の防空軍で採用されました。
モデルはカナダのプラモ会社ですが、実際の金型などの製作は韓国製であり、アカデミーからも発売されています。プラモデル自体がレア物であまり見たことがない機種のプラモデルが1200円で売っていたので思わず買ったのでしたが、設計図などは今一つ分かりにくい上、デカールはアバウトな内容で翼用の国籍マークが小さかったりするので適宜改変が必要でした。Rebellから出ているD型の方が出来は良いようです。アルミシルバーの塗装感を出したいと思い、いろいろ工夫しましたが、黒地にシルバーリーフを缶スプレーしてからMr.Hobbyのスーパークロームシルバー2(206番)というの筆塗りした所、写真の様に割と良い感じになりました。
翼の中央がクロームシルバーを塗っていない所 車輪の向きや増槽に付ける翼などの説明が不十分なので間違って付けてしまいがち。
余計な事をせずに単に206番を筆塗りするだけでもきれいなアルミ感が出るのかもしれません。雪のアラスカ地方で墜落しても目立つように翼を派手なオレンジ色で塗装した機体も見かけますが、今回は割と地味なシルバーと黒の機体です。朝鮮戦争で活躍したF-80と並べました。F-89の機体の大きさが分かります。ヒトは付いてなかったのでハセガワのアメリカ空軍乗員セットから流用しました。
1人乗りのF-80と比べると大型の機体であると分る。