rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

映画 ニュースの真相 感想

2018-03-30 18:09:37 | 映画

ニュースの真相 (Truth)  2015年 豪・米 合作 ジェームズ・ヴァンダービルト監督 ケイト・ブランシェット(メアリー・メイプル)、ロバート・レッドフォード(ダン・ラザー)主演

  共和党のジョージ・W・ブッシュ米大統領は再選を目指し選挙戦を繰り広げていた2004年。米国最大のネットワークを誇る放送局CBSのニュース番組でプロデューサーを務めるメアリー・メイプスは、現職ブッシュの軍歴詐称疑惑をスクープする。放送後、大反響を巻き起こすが、すぐさま番組が証拠として提示した書類に「偽造では?」の批判が高まっていく。メアリーと取材班は再調査に奮闘するが…。という実話を元にしたメイプス自身の自伝小説の映画化です。映画自体がとても面白いかというとそれほどの活劇でもないし、主人公が取り上げたスクープも「ブッシュの州兵として勤務した軍歴が殆ど遊びであった」というあまり筋がよくない(まあしょうがないのでは?)(あの人ならそれもありでしょう?)というレベルであって、多くの人が人生をかけてまで報道するような内容ではないようにも思ってしまいます。結局調査委員会で限りなく偽造ではないか、という結論になって(本物であることを証明できなかった)メイプスは会社をクビになり、名物ニュースアンカーであったダン・ラザーも番組を降りる事によって幕引きとなります。

 

 本当はその前に彼女がスクープしたアブグレイブ収容所での捕虜虐待(写真)は、米国が「テロとの戦争」という正義の旗の下で行っているイスラム侵略の実体を暴いた重要なスクープであっただけにそちらを映画化した方がよかったのにと思います。まあこの映画も実話を元にしているだけに、活劇ではなくても実際のメディア側の保身の姿や、虚報を報じてしまった事を機会に舞台を去る決断をするレッドフォード演ずる「ダン・ラザー」の姿など重厚な中身を感ずる部分もありました。

 

 この「スクープした書類が本物か偽造か」という問題は現在日本で問題になっている森友疑惑における財務局の書類改竄問題とかぶって見えた所が興味深い所です。当初、改竄前の書類を朝日新聞がスクープした時、他のメディアはそれが偽造である可能性も捨てきれず『朝日が報道した・・』と括弧付きで後追い報道をしていました。しかし財務省が書類の改竄を公式に認めるに至って改竄前の書類が「本物」であるという報道に変わって行きました。また偽造である可能性を示唆した他局のニュースはネット上では既に削除されているようです。こういった事からメディアにおける「フェイク・ニュース」という汚名への慎重さや、情報源への秘匿性の保護といった問題を考える上で、この事件や映画は参考になると思いました。


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