ドイツレベルから2021年に再販となったブレゲー・アトランティック1を作りました。ブレゲー・アトランティックは、フランス・ブレゲー社によって1959年から開発が始まり、欧州諸国の共同開発で1965年からNATO各国で就役しました。対戦哨戒機P−2ネプチューンの後継機とされ、アトランティック1は2019年頃まで、フランスが採用した外形が同じのアトランティック2は現役でNATO海軍の守護神として活躍中であり、2023年春のNATO演習中にバルト海でロシア領に近づきすぎて緊急発進したロシア空軍のスホイ戦闘機に追撃されたというニュースがありました。
イタリアン・イーグル実機 ブレゲー・アトランティック1 ドイツレベル1/72
乗員12名、全長31m、全幅36mと大型の機体で、1/72の模型も翼幅50cm近い大型の模型です。エンジンは小型で構造が単純な上高出力が可能なターボプロップエンジン(ロールスロイス・タインRTy20 5,500馬力)2機を装備し、最高速度658kmで航続距離9,000kmと18時間の連続哨戒任務が可能です。電子機器は米国製で、2重バレル型の胴体の乗員が搭乗する上方が与圧式になっています。1は87機が生産されました。Mk46魚雷8、機雷、爆雷など搭載可能で2型はフランス空軍のエクゾセミサイルも搭載可能です。米軍、海自でも使用しているP-3Cも1962年就役の息の長い機で、やはりターボプロップ4発エンジンで航続距離は6,700kmです。海自は国産でターボファンエンジン搭載のP-1に換装されつつあります。
イタレリのNATO航空要員を流用(見えなくなりますが) デカールは大きく長い物が多く、皺が出ない様貼るにはコツが要ります。
モデルは再販は2021年と新しく、デカールの出来は良好でしたが、金型自体は20年近く経過していて接合も最近のコンピューターで設計するairfixのモデルの様にはぴたりとは合いません。製作難度も5と銘打つだけあり、細かい部分や、制作図を型取りしてスプレーするなどかなり手間がかかりました。派手な鷹の模様は色塗りの部分と頭や爪の部分のデカール貼付部が混在しており、デカールの色に合わせて胴体を塗らねばならず、クレオスのブラックグレーに黒を加えて調整するなどの手間が必要でした。また前輪降着の例に漏れず、機首側に120gも錘を入れねばならず、空間は大きな胴体だから十分あるものの、機体自体が大変重い物になってしまい、車輪が破損しないか心配なほどでした。説明書などのサンプルカラーに合わせて、機体はライトグレー、下面はクレオスのスカイブルー、機体内部はタミヤカラーのライトサンドを使いました。操縦手などは付いていなかったのでイタレリのNATO空軍兵セットから流用してイタリア海軍航空隊のグリーンの服に塗装してみました。イタリアン・イーグルは2006年のイタリア41航空隊88群所属の機体で、平和な時代を象徴してか国籍識別記号がこれで良いのかというほど小さい替わりに、ドームにFIFA world cupのイタリア優勝トロフィーが国籍マークより大きく描かれています。1957年から84年に自衛隊で活躍したグラマンS2F-1トラッカー対戦哨戒機と並べてみました。S2Fは艦載機とはいえアトランティックの大きさが解ります。
とにかく出来上がりも大きい。
S2Fトラッカーと並べると親子の様。