自分の好きなことに没頭する人生はすばらしい。しかし、酒好きが昂じてアルコール中毒になることは奨められないし、片思いがストーカーに転じて犯罪に至るのは最悪だ。何かを好きになることで人は活力を得るが、行きすぎると破滅する。
選好の究極は依存症、アディクション、嗜癖である。特殊で例外的な現象のようにみえるが、選好の研究にとって、そこに真実が隠されている。新古典派経済学の雄、ベッカーは「合理的なアディクション」のモデルを提案している。
本書の著者の一人、廣中直行氏は依存症に関する本を著された方でもある。つまり、アディクション、嗜癖の専門家なのだ。この本ではあまり病的でないケースを視野に入れ「ヤミツキ」という一般的な括りで、選好の究極の姿を探求している。
ヤミツキという現象を理解するには、まず「快」について知る必要がある。本書は、快に関する研究を幅広くサーベイする。そのなかで、チクセントミハイのフローも紹介されるが、古いと評価されている。もうちょっと詳しく聴きたいところだ。
本書は、ヤミツキについて何か統一的な原理を打ち出して終わる形にはなっていない。むしろ、様々な問題を読者に投げかけ、その研究に誘う。ノーベル経済学賞を受賞したベッカーが取り組んだ問題だ。ヤミツキになる価値は十分ある。
選好の究極は依存症、アディクション、嗜癖である。特殊で例外的な現象のようにみえるが、選好の研究にとって、そこに真実が隠されている。新古典派経済学の雄、ベッカーは「合理的なアディクション」のモデルを提案している。
本書の著者の一人、廣中直行氏は依存症に関する本を著された方でもある。つまり、アディクション、嗜癖の専門家なのだ。この本ではあまり病的でないケースを視野に入れ「ヤミツキ」という一般的な括りで、選好の究極の姿を探求している。
![]() | 「ヤミツキ」の力 (光文社新書) |
廣中直行、 遠藤智樹 | |
光文社 |
ヤミツキという現象を理解するには、まず「快」について知る必要がある。本書は、快に関する研究を幅広くサーベイする。そのなかで、チクセントミハイのフローも紹介されるが、古いと評価されている。もうちょっと詳しく聴きたいところだ。
本書は、ヤミツキについて何か統一的な原理を打ち出して終わる形にはなっていない。むしろ、様々な問題を読者に投げかけ、その研究に誘う。ノーベル経済学賞を受賞したベッカーが取り組んだ問題だ。ヤミツキになる価値は十分ある。