ブランドポジショニングの理論と実践 | |
豊田裕貴 | |
講談社 |
ポジショニングはセグメンテーションと並んでマーケティングのイロハのイである。マーケターの勘と経験が生かされるされる場であると同時に,顧客調査や多変量解析が活用される場でもある。そして,ポジショニングのための解析手法といえば,因子分析が思い浮かぶ。
ということで,少なからぬマーケターが多変量解析の入門書を読むはめになる。しかし,実際にポジショニング分析を行うには統計パッケージが使えるだけでは不十分で,その前後で何をするかを知る必要がある。たとえば評価項目や対象ブランドをどう設定するか,等々。
この本は,ポジショニング分析の手法の基本ロジックからデータの集め方,結果の時系列比較までが丁寧かつ簡潔にまとめられた,実務家向けの入門書である。最後には,ブランド論のケラーが提案した類似化/差別化ポイントに関する著者自身の研究も紹介されている。
マーケティングのデータ解析の入門者から教育関係者まで幅広くお奨めしたい。ご恵投いただいた豊田先生に御礼申し上げます。