英国には名前に「BLACK」が付くレゲエのグループが幾つかある。例えば、
ブラック・ユフルにブラック・ルーツ、ブラック・スレイトにブラック・サバス。
あっ、一番最後のは違うか。(笑)
掲載写真はバーミンガムに拠点を置いたレーベル、ブラック・シンボルから80年代に
リリースされた2枚のコンピレーション盤「HANDSWORTH EXPLOSION VOL.1」と
「同2」を2イン1で再発したCD「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」。
ブラック・シンボルというのはレーベル名であり、またレーベルを運営した中心人物
ファットマンによるグループ名でもある。
そういえば、ブラック・サバスはバーミンガム出身のバンドである。
あっ、やっぱり関係ないか。(笑)
昨年LP盤で再発され、マイナーというには余りに素晴らしくもクセのあるサウンドと
複数バンドが収録されているにも関わらず、どのバンドのクオリティーも高いという
ことで話題になっていたが遂にCD化である。
ダブの効いた直球ド真ん中のレゲエがあればラバーズやディージェイもあり、その
どれもが聴き応えがあるのだから堪らない。
ここに収録された幾つものバンドの中で、同じ再発レーベルであるREGGAE ARCHIVE
RECORDSからブラック・シンボルとセプターが単体で先にCD化されている。
セプターの盤は84年の「ESSENCE OF REDEMPTION INA DIF'RENT STYLE」。
男女二人のボーカリストがいる異色の編成であるが、ボーカル・グループでなく
男性がベース、女性がギターを担当するボーカル&インストバンドである。
ブラック・シンボルは当時の12インチや7インチ、先のコンピレーション盤から
16曲を収録した編集盤で、バンド名をそのままCDのタイトルにしてある。
80年代のリアルタイムではアルバムを残していないので、こういった形の編集盤でも
編んでもらえないと素晴らしい仕事の数々になかなか目が届かないので、これは
有り難い盤である。
レーベルとしてのブラック・シンボルの音は、商品レビューではワッキーズと
比べられることが多く、聴いて「なるほど」と思った方もいるはずで私もその一人。
ニューヨークの喧騒の地下で生まれた渇いたワッキーズの音に、英国ならではの
湿り気を加えたと言えば、当たらずとも遠からずであろう。
この独特の音が今更のように世に放たれたのだから、この機会を逃すことはない。
そしてもう一度「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」に立ち返り、
ベンジャミン・ゼファニアが歌う『STOP THE WAR』の歌詞に耳をすます。
上手く聞き取れないが「NO MORE JAPAN」という件は核の使用を危惧している
のだろうか。天災で死ぬのは嫌だが、それが人災だとなおさらである。
身近に苦しんでいる人がいると、着地点が不明瞭な夜もある・・・ということだ。
再び話戻って(笑)ブラック・シンボル。
男のシンボル、女のシンボル。こいつで今宵も世界征服。(笑)
酔いが回って、やっと明瞭な夜になったぜ。(笑)