HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

TOO YOUNG TO VOTE

2015-09-22 12:52:48 | ROCK

        

10年以上音楽ブログ(だよね)をやっているのだが、一応はポリシーというものも
ある。(笑)それは、取り上げたミュージシャンや盤に対してなるべく否定的なことを
書かないということである。例えば「ちっとも面白くないアルバムだった。」とか
「あのミュージシャンの音楽は糞の足しにもならない」とかいう類のことを書かないと
いうことである。ま、たまにそれっぽい内容もあるが気に障れば読み飛ばしてほしい。

逆に言えば、ここで取りあげられるミュージシャンやアルバムは、何がしか聴く価値がある
ということなのであるが、人の好みは様々なのでそこは全面的に賛同いただかなくても
結構である。(笑)

10年以上やっていると書いた割には、著名な人を取り上げていないことも多々ある。
例えばエディー・コクランを取り上げるのは今日が初めてである。ロックンロール
生誕60周年ということで、ユニバーサルから2枚のアルバムが廉価で出たので、これは
いい機会ということでの登場である。

そもそもエディー・コクランを知ったのは、ザ・フーが演奏した『SUMMERTIME BLUES』
がコクランのオリジナルである、ということから興味をもったことに端を発する。
覚えやすいメロディーと歌詞の持つ深さ、何よりも格好いい見てくれに興味を持った
ものの、コクランの盤はお手軽なベスト盤は多かったもののオリジナル・アルバムと
いうものになかなか出会えなかった記憶がある。

今思えば、それは当たり前で掲載写真左の57年にリリースされた「SINGIN TO MY
BABY」が生前唯一のオリジナル・アルバムで、60年の自動車事故による事故死の後に
出されたのが掲載写真右の「MEMORIAL ALBUM」であるという、アイティム数の
少なさが、原因だったともいえる。ま、個人的にはチャック・ベリーとバディー・
ホリーに入れ込みすぎたというのもあるにはあるが。(笑)

生前唯一の盤は今聴くと、幾分甘めに感じる。アルバム・タイトル通りの恋人に歌いかける
ようなミディアム・テンポの曲がほとんどで、彼のルックスを重視した女性ファン層を
狙った音だったのかなと思うのだが、これはこれでありだろう。

ロック者が知る有名な曲の数々は58年以降の録音が多い。シングルで出されたこれらの
曲を集めたのが追悼盤の形をとった「MEMORIAL ALBUM」で、そういわれると
ジャケットの意匠もなんとなく重々しく思えるのだが、最初の1枚として手にするなら
断然こちらのアルバムとなる。

『C'MON EVERYBODY』『SOMETHIN' ELSE』の2曲をシド・ヴィシャスとレッド・
ツェッペリンがカバーしたというのは、単なる偶然なのだろうが面白い一致だし、
ロッド・スチュワートが『CUT ACROSS SHORTY』を選んだその選曲の渋さに
唸らされたり。カバーから遡りオリジネイターを聴くという作業を随分と繰り返した
ものだが、改めてエディー・コクランの魅力に触れるいい機会が今である。

ストーンズ者が必ず聴かねばならない『TWENTY FLIGHT ROCK』はこの2枚には
収録されていないので、そこは編集盤で補わねばならないのだが、それくらいは何の
苦労でもない。

さて、夏も終わりの『SUMMERTIME BLUES』。青少年の労働意欲を削ぐほどではないが
なかなかインパクトのある内容である。最後の最後に「助けてあげたいが、あんたはまだ
投票権がないんだろ」と議員に言われる件は強烈である。

選挙権があるなら、次は有効に使わないとなんて思いながら、本日最初のビールに
手が伸びる怠惰な昼下がりであった。

コメント (2)
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