HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 38

2015-03-23 00:02:02 | BRASIL

ブラジル音楽の入り口として、私が最初期に手にしたのは「TROPICALIA OU PANIS
ET CIRCENCIS」(トロピカリア)であった。68年に発表されたこの盤は
カエターノ・ヴェローゾの号令の元に数多のミュージシャンが録音した曲を収録した
オムニバス盤であるが、一際印象に残ったのがカエターノ作の『BABY』であった。
そして、それを歌ったのがガル・コスタであった。

掲載写真はガルの事実上のファースト・アルバム「GAL COSTA (1969)」。
「トロピカリア」収録の『BABY』はガル単独のアルバムだと、この盤で聴くことが
できる。

69年にガルは2枚のアルバムを出しており、サイケなジャケット・デザインの
「GAL」はブラジル音楽の様式を大幅にはみ出したサイケ感の強い曲が並んでいて
ロック者には面白いのだが、掲載盤で聴くことができるブラジル音楽とサイケ感の
絶妙なバランス感覚の調和は広い意味合いで、今の時代でも歓迎されるだろう。

当時のブラジル軍事政権下では音楽が検閲されることは多々あり、当然のように
ミュージシャン達は抗議行動を様々な形で起こしたり、亡命を余儀なくされたりした
のだが、ガルの活動はその中でも挑発的なものではなかったかと思う。

愛だの平和だのを訴えて、花をつけて髪を伸ばして裸になった(なることを
許容された)アメリカと違って、挑発的なジャケットの「INDIA」をリリースする
ことがギリギリの線ではあったのだろうど。

それにしても魅力的な女性であったのは間違いないだろう。そうでなければ
カエターノや、ジルベルト・ジル、ジョアン・ドナートら錚々たる面子が何枚もの
アルバムをサポートしないだろうから。近年の盤は聴いていないのだが、
69年から70年代末までの盤は、どれを聴いても素敵だ。

意思の強そうな横顔と強烈な水着に痺れた私は、今も痺れっぱなしである。(笑)

コメント (4)
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