HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

立直・平和・栄

2015-03-08 08:54:05 | 日本のロック・ポップス

羅生門なるグループの名前を知ったのは、98年に「インディアン、死よりも赤を選ぶ」
というアルバムがCD化された時であった。その盤をあまり面白いと思わなかったのだが
同時に彼らには件の盤の前に日本国憲法の条文を歌詞にした「日本国憲法」という
盤があることも知り、そっちは何だか面白そうだなと思ったものだ。

アルバムは71年に発表され、先日やっとCD化された。
う~む、この盤を創ろうと思う発想はどこからきたのだろう。71年は学生運動の
活動が下火になり始めた年であり、殊更「権利」だの「自由」を捻じ曲げて都合の
いいように解釈する者も横行しただろうから、良きにつけ悪しきにつれ、客観的に
日本国民がどのような憲法の下で生活しているかを、ロックのフォーマットで
若者に示そうとしたのかも、なんて想像する。

都合のいい条文だけを抜き出してとりあげるのではなく、第二十七条の、すべて国民は、
勤労の権利を有し、「義務」を負ふという箇所や、第三十条の、国民は、法律の定める
ところにより、納税の「義務」を負ふといった、「義務」もしっかり歌っているのが
公平な感じがして、今聞いて笑われなくて済むといったところだ。

そう、彼らは憲法を歌ったのだ。歌ったというのが凄いのだ。
ポエトリー・リーディングや、平坦な抑揚でラップするのでなく、しっかりメロディーを
つけて歌うということの困難さと、歌われた内容とを合わせて考えれば、実に
画期的な盤であったのだなぁと思わずにはいられない。

私は法学部の出ではあるが、あまり真面目に法律を学んだとはいえない。
当時、この盤を聴いていたら、ちっとは真面目に憲法でも覚えただろうか。
それとも、「やめてくれ」と思っただろうか。今となってはどちらでもいいが・・・。(笑)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« HIGH HOPES TOUR | トップ | WANT YOU ! »

コメントを投稿