HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

鈴木茂ヒストリー・ボックス

2008-07-05 22:52:04 | 日本のロック・ポップス
正直なところ、鈴木茂のアルバムで気に入っているのは「BAND WAGON」
だけである。他のアルバムは聴いていなかったり、1~2回聴いて
放り出したままだったり。しかしながら「BAND WAGON」の影響というのは
私の中ではかなり大きな物だ。はっぴいえんどを含めて関わったメンバーの
ソロ作全てを掻き集めても、「BAND WAGON」のほうが素敵に思える。
複雑なリズムとクラビネットやピアノ、シンセといった鍵盤類の絡みが
気持ちよく、私がブラジル音楽を聴くことができる資質はここにあったのかも
とさえ思わせてくれる。

7月に掲載写真の箱が出るというインフォメーションを見たときは
複雑だった。ボーナス・ディスクとして未発表ライブを数多く収録した盤も
魅力だが、何より複雑なのが「BAND WAGON」のまた別のマスターを
使ったCDというのが引っかかった。4月に「BAND WAGON」は10曲の
アウト・テイクをボーナスとして収録して、本編のミックスも新たにした
2008年バージョンが出たばかりなのに、たった3ヶ月でまた
「別物」が出るのである。

「BAND WAGON バンバン聴いてますよ、2008年版で。えっ、それだけじゃ
もったいない?また?。」まさにそんな気分になったのだ。

何だかんだ言いながら結局、ボックスを買った。2008年版リミックスの
音の太さに慣れた後だっただけに、えっ?と思ったが好きなアルバムの
バリエーションを楽しめるのだから良しとすべきか。
いや、全然いい音なんだけど。

ボーナス・ディスクの中の荻窪ロフトでの6曲はオーディエンス録音である。
音質はそれほどよくないが、「BAND WAGON」発売直前のドキュメントなので
そう思って聴けば身がしまる。ハックル・バックのライブ・テープは幾つか
聴いたが、言葉に御幣があるのを承知で書けば、関西ブルーズのノリが
ある曲を幾つか演奏するのが個人的に嫌だった。今回の音源にはそういった
曲は一切収録されていないのでスッキリと聴ける。
「ヤング・インパルス」出演時の演奏から5曲収録されているが、
ライナーで映像が残っているのは「八月の匂い」だけだと書かれていて
少々がっかり。音だけでも充分素晴らしいのだけど・・・。
「幻のハックル・バック」収録曲を2曲だけ収録するなら、これも丸々1枚
復刻してボックスに入れれば良かったのに。

「BAND WAGON をバンバン聴いても、せっかくボックス買ったんだから
他のアルバムもちゃんと聴かないともったいないよ。」
そんなふうにならないように、じっくりこの箱と向き合うつもりである。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする