HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

MUSICAL BONES / LEE PERRY & THE UPSETTERS

2008-07-06 22:42:43 | REGGAE
リー・ペリーの数多くあるプロデュース作の中でも、ファンにとっては
74年から79年のブラック・アーク・スタジオで産み落とされた作品は
格別の意味合いがあるだろう。
実際、この間に製作されたアルバムの中にはレゲエ・ファンのみならず
ロック・ファンにも浸透しているものが幾つかある。
例えばジュニア・マーヴィンの「POLICE & THIEVES」もこの時期の作品だ。
クラッシュのお陰でこのアルバムにたどり着いた人は、私を含めて
かなりいる筈だ。

掲載写真のアルバム「MUSICAL BONES」は前作「KUNG FU MEETS THE DRAGON」、
次作「RETURN OF WAX」の3作と合わせて70年代インスト3部作と
ペリーは言っている。全て75年作で、自前のスタジオを持ち
制作意欲が高まったのと、当時のアップセッターズの力量があったとはいえ
この時期のペリーのハード・ワーカー振りには恐れ入る。
そんな3部作の中で一番好きなのが「MUSICAL BONES」。

60年代後半から70年代頭のアップセッターズはオルガンを効果的に
使っていた。これはイギリス市場を見据えてその効果をペリー自身が
確認しての戦略だが、「MUSICAL BONES」ではトロンボーンが目立つ位置に
配されている。このスタイルはこれに限ってのことだがこれが結構
ハマる。ウエットなトロンボーンとドライなリズムがかみ合う時、
今までに無い何か新しい感覚を得たような気分になる。
それはドン・ドラモンドやリコ・ロドリゲスのアルバムを聴いている時とは
違う感覚なので、そこらがプロデューサーであるリー・ペリーが
狙ったところかもしれない。

最初にジャケットを見たとき抵抗があった。
ブートレグのような滲んだ荒い図柄だし、アーティスト名や
タイトルは雑な書き文字であるが、音を聴いてそれが気に入るとジャケットの
雑なところさえ気に入ってくるから不思議だ。(笑)

ところで、私が一番好きなリー・ペリーのアルバムはいわゆるブラック・アーク
の時代のものではない。そのアルバムの話は何れまた・・・。
コメント (4)
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