HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

SKIN AND BONE - case of JAZZ

2008-07-13 10:53:26 | JAZZ

禁断の(笑)ジャズである。

何故「禁断」かというと、このブログで初めてジャズのアルバムを
取り上げるからである。こんな企画でもなければ取り上げるつもりは
なかったのだ。だいたい一本気な自称ロックンローラーにジャズなんて
似合わないし難しすぎるのだ。
学生時代から今に至るまでの音楽仲間であるhopperさんの家では
よくジャズのレコードが流れ、今思えばいい勉強になったものだ。
当時の私は「ジャズ?年金でも貰えるようになったら聴くさ」と
いきがっていたのであるが、とんだ笑い話である。

初めて買ったジャズのアルバムはチャーリー・パーカーの「ON DIAL VOL.4」。
しかも買った場所は大学の生協である。(笑)
パーカーの曲に何か目当てがあったわけではないのだが、これもストーンズ者の
宿命か偶然手にして何となく購入した。「ON DIAL」は全部で6枚あるのだが
棚には「VOL.4」しかなかったためにそれを購入しただけの話なのだが、
今では「VOL.4」との美しき出会いは必然だったと思っている。
ちなみに同時購入したのはLPではなく湖池屋の「カラムーチョ」。
その夜、自宅でのジャズと激辛ポテトチップスを初体験する。(笑)

アルバムを聴き進めるうちに聴いたことのある曲に出くわす。
二つのテイクが収録されていてその曲が終わって別の曲が始まったとき
もう一度聴きなおしたくて針を上げようとしたのだが、手がカラムーチョの
せいでギトギトになっていたので、慌てて洗いにいったことを明確に覚えている。
その曲のタイトルは「THE HYMN」。この曲との出会いは1年前に遡る。

大学に入学して3ヶ月が過ぎた6月のとある土曜日。それまで遠距離を自宅から
通っていた友人が下宿生活を始めたので、近所の下宿生が集まって晩飯を
楽しんでいたところ、誰かが「ポルノ映画を見に行こう」と言い出した。
すぐ同調する者がいたので野郎5人でいそいそと出かけたのである。
私の通っていた高校は街のド真ん中にあった。繁華街の近くなので買い物には
便利だったが路地を数本奥に入ったところにポルノ映画館があった。
自転車で何度も前を通ったことがあるが、恥ずかしくて遂に入ることは
出来なかったので私にとって初めての体験である。他にもっと恥ずかしいことは
沢山してきたはずなのに、映画館に行ったことがないというのも照れくさいので
「よし、行こう」と私も同調したはずである。

雨が降っていたせいか(いや、そうでなくても)映画館の中がじめじめしていた
のと、スクリーンを見ている間中も座席の周りをグルグルと歩いて客を見つけようとする女が気持ち悪かったのを今でも覚えている。
映画はストーリーもあるしカメラ・ワークもしっかりしているし、今のA.V.
なんかとは当然違うわけでそれなりに面白かったが、2本目のエンディングで
流れた音楽のメロディーが頭にこびりついて離れなかった。
同行した4人とは音楽の話をする間柄でなかったので、そのことは誰にも
話さなかったのだが、帰りの道中も「あれは何という曲なのだろう」と
そればかり考えていたのである。

パーカーのLPから飛び出してきたのはまさにその曲だった。
映画では当然日本人のジャズ・メンが演奏していたのだろうけど、あの
印象的なメインのメロディーを忘れるわけが無い。
ポルノ映画とジャズがこんなふうに出会うなんて、出来すぎているのだが
私の中では密かに「いい話」だと思っている。(笑)

さて。下記が私の骨と皮を形成する10枚のアルバム。(ABC順)
果てしないジャンルだが全てを追いかけようとは今でも思っていない。
たまに何かの拍子で良いアルバムと出会ってそれが棚に収まっていくのを、
ゆっくり楽しもうと思っている。

01 LOVE CRY / ALBERT AYLER
02 RAY BRYANT TRIO(PRESTIGE 7098) / RAY BRYANT TRIO
03 GIANT STEPS / JOHN COLTRANE
04 IN A SILENT WAY / MILES DAVIS
05 OUT TO LUNCH / ERIC DOLPHY
06 WALTZ FOR DEBBY / BILL EVANS TRIO
07 THE COMPLETE DIAL SESSIONS / CHARLIE PARKER(掲載写真左)
08 RIP,RIG AND PANIC / THE ROLAND KIRK QUARTET
09 THE MAGIC OF JU-JU / ARCHIE SHEPP
10 LAWRENCE OF NEWARK / LARRY YOUNG(掲載写真右)

コルトレーンが何故インパルス時代じゃないのかは自分でもよくわからない。
ラリー・ヤングは73年録音の未発表アルバムが2001年に発掘されたもの。
生前に発表されたアルバムより破壊力があると感じる。
マイルス?。私の誕生日(ちなみに3回目)のセッションがアルバムになって
それが上出来の内容ならこんなに楽しいことは無いでしょ?(笑)


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4 コメント

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Unknown (TK)
2008-07-13 22:09:28
昔の日本映画(ポルノ含む)とジャズってなんか雰囲気ですよね。


コルトレーンのアトランティック時代は、比較的ストレートなジャズで好感持ってます。
返信する
Unknown (ハリー)
2008-07-13 22:41:16
TKさん。

いつぞや、聞かせていただいたオーネット・コールマンのダブル・カルテット「FREE JAZZ」、見事に
私の棚に紙ジャケながら納まりました。(笑)

二つのカルテットの演奏を別々に1枚のアルバムに
して3枚組のDXエディションにならないかな、
なんて阿呆なことを考えてしまいました。

プレステッジやアトランティックと比べると
コルトレーンはどんどんヘヴィーになっていった
事は門外漢にもわかりましたよ。
返信する
真夏の夜のジャズ (kura_mo)
2008-07-17 02:16:39
いやはや興味深く拝見させていただきました。
兄貴らしい男気あるセレクトですね。流石です。
ピアノ・トリオが2枚も入っているのが意外ですが、どちらも文句をつける余地のない名盤ですからね。。

俺もドルフィーはこのアルバムかな。あとは微妙にズレますけど。

確かにオーネットが入っていませんが、入れるとしたらどれだったのかがちょっと気になりますね。
返信する
ぼちぼちいきます (ハリー)
2008-07-17 22:01:12
kura_moさん。

kura_moさんのブログも参考にさせてもらっていますよ。今更・・・のアルバムでも恥ずかしがらずに
買えるのですから「通販」というのは助かります。(笑)

ピアノ・トリオって一番難しい気がします。
ムードに流されるのは嫌なので、根底にブルーズを
感じるもの、凛とした男気を感じるものを
聴いていきたいと思っています。

オーネット・コールマンを選ぶのは私なんかでは
まだ役不足なので、もう少し修行します。
大雪の日に友人達と「ゴールデン・サークル」を
意識した写真を撮ったのはもう13,4年前かぁ。
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