HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

未来神は真実の世捨て人

2015-05-25 10:05:02 | ROCK

     

トッド・ラングレン(関連)のアルバムが2枚リリースされた。掲載写真左はトッドの
ソロ・アルバム「GLOBAL」。日本盤にはYMOの『テクノポリス』カバーがボーナス・
トラックとして追加されたが、私は12年3月にNYで行われたライブを収録した
DVDが添付されている輸入盤を手にした。

このところ、「えっ?」というジャケット・デザインが多いトッドであるが、今回も
あまり格好いいとは思えないジャケである。内容はシンセ、キーボード主体のポップ・
ミュージックである。歌詞を深く読み込んでいないのだが、収録曲のタイトルの数々
から、現代の地球の在り方にある種の警鐘を鳴らしているのかもしれない。

ジャケットに描かれた地球だと日本なんて見当たらないのだが、我々はそれくらい
小さな存在なのだという事を受け止めるということも必要なのかなと思うことしきり。

ライブDVDは小さな会場での演奏を110分の尺で収録している。ここではトッド
以外にキーボード奏者がいないことから、トッドがギターを弾くときは自ずとギター・
バンドの様相を呈し、少々荒々しくも生(レア)な演奏を十分に楽しめる。

掲載写真右はノルウェーのバンドのギタリストとプロデューサーとの連名でリリース
した「RUNDDANS」。トッドは「40年間温めてきたものを形にした」とインタビューで
語っているのだが、個人的な見解はユートピアからプログレ臭を除き現代風のグルーヴを
付け足したとでもいう感じである。

かつて、不用意なノイズと言われたこともある「魔法使いは真実のスター」や「未来
から来たトッド」のメロディアスで無いパートを拡大し、そこに音響効果やリズムを
足すというアイディアは、今だからやっと73年から75年頃のアイディアの断片を
まとめあげられたということなのだろう。

これは1枚のアルバムとして実に面白い。面白いのだが我々はトッドのメロディー・
メイカーとしての才を十分に知っている。そうすると今度は所謂美メロの曲を
聴きたいと思ったり。(笑)全く厄介である。

で、その両方を満たしてくれたのは「魔法使いは真実のスター」だったのかという
結論に行きつくのは、お粗末なのだろう。(笑)

今回の2枚、どちらもトッドらしさに溢れていて面白いのだが今の私の気分なら
「RUNDDANS」をより多い回数聴くかもしれない。

 

コメント
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