昨日とりあげたCDの発売元レーベルである「REALGONEMUSIC」は、時々驚きの
ブツをリリースすると書いたが、今日取り上げるのが正にその1枚。
掲載写真はジェシ・ウィンチェスターが76年にモントリオールで行ったライブを
FM放送した音源をCD化したもの。最近はこういうCDが多くて、どこまでが
ミュージシャンやマネジメント公認の盤なのか解りかねるところがあるのだが、
とりあえず、この盤はジャケットのデザインが悪くないしライナーやクレジットが
しっかりしているし、何より音質に問題が無いので気に入っている。
ジェシのHPにもしっかり掲載されているので正規盤ということでいいのだろう。
FM放送らしく冒頭にアナウンスが入るのだが、それがフランス語であることで、
かつてカナダは英仏の植民地であり、その中でケベック州はフランスの支配下にあった
ことを思い起こさせる。
ジェシが兵役を拒否してカナダに入国したため、本国アメリカで演奏活動ができなく
なったことは有名な話であるが、そんなジェシの演奏を米国の人たちにも聞いてもらう
ためにFM局が録音し米国で放送したというエピソードが、この音源の価値を一つ上に
上げる。最もそんなエピソードが付随しなくても、ここで聴くことができる演奏は
素晴らしい。セット・リストは、この時点でのジェシのベストに近い曲が選ばれ
ジェシの生演奏の魅力を伝えるには十分な内容だと思う。
ジェシのライブ盤といえば、77年に録音された「LIVE AT BIJOU CAFE」という
プロモーション用に録音された盤が06年にCDとなって一般に流通したが、その
横にそっと並べよう。ジェシの暖かい声は時に心の支えになるものだ。
ここからは下種な話(笑)になるのだが、例のWOLFGANG VAULTの音源からは
ストーンズやザ・フーを例に挙げるまでもなく多くのブートレグが生まれた。
ジェシの音源も77年と78年のものが幾つかあるのだが、こういうのはブートレグに
なっても売れないのだろうね、きっと。(笑)