誰が選曲してもどんなふうに並べても、「あれが足りない」「こうじゃない」と
言われるのがベスト盤というもの。それが大瀧詠一のような人の場合だと尚更熱心な
ファンの思いが交錯するだろう。掲載写真のベスト盤は今までになかった大瀧の全キャリア
から万遍なく選曲された盤である。
以前から書いているのだが、私は大瀧の熱心なファンではない。まして「なんとかラー」とか
いう人達のことなど、どうでもいい。それは、これも何度も書いているが「大瀧なら
オマージュで、あの人やその人ならパクりなのか。」という憤りに近い感情が常に心の
中に渦巻き、いうまでもなく「あの人」や「その人」のファンであった(か、過去形)から
これはもう、ほとんどやっかみである。(笑)まあ、いいのだけど。
初登場のミックスや初CD化の数曲が話題を呼ぶのは当然だし、私もその数曲が目当てで
これを購入し気軽に聴き進めた。2枚のCD共に収録時間の余力を残しての収録なのが、
意外と良かった。ギリギリまで曲を詰めこむのでなく、LPが少し長くなった尺(ディスク
2は60分超えだけど)なのが、品があっていいのだ。
個人的に曲によっての思い入れの有る無しは仕方がない。だが「この盤から始まる大瀧詠一」
という役割に十分応えるベスト盤であるのは間違いないだろう。
とかなんとかいいながら、今頃になって『それはスポットライトではない』と『最後の
夜汽車』の共通項に気がついて「あの人」の盤に手が伸びようとしているのも事実
なんだけど。(笑)
『君は天然色』を聴くと時代は一気に30年以上巻き戻り、気分は高校1年生の夏に
なってしまう。海岸や神社の境内で寝ころび、波の音や蝉の鳴き声を聞きながら
無駄に時間を過ごしたあの夏に。神社か・・・。おっと、次の日曜は選挙だぜ。(笑)
そういえば。先日の朝日新聞土曜日版の「beランキング」は「史上最高のホームラン
バッター」25人であった。25人中24人はなんとか名前が出てきたのだが一人だけ
どうしても名前が出てこなかった。相方が打撃ポーズを真似しても、である。
どうしてもわからなかったので、「名前の頭か最後の一文字を教えて」というと
「なんとかラ」というではないか。
「カブレラ」だったのね。あぁ・・・。(笑)
個人的には大瀧の大きな足跡に眩暈がしつつも、それを前面に出さず公的に(笑)は
皮肉に満ちた何の関係もない話で終わるところが俺らしくて、良しとするか。