え~と、エンジェル・ベイビー繋がりということで。(笑)
掲載写真は03年にリリースされた平山三紀のコンピレーション盤「ゴールデン・ベスト/
筒美京平を歌う アンド・モア」。ジャケット・デザインは98年にコロムビアから出たベスト盤の
ほうが好みだが、03年にソニー・ミュージックから出た本盤は4つのレーベルの枠を超えた
2枚組で、質・量ともに圧倒的な優位性を誇る。
平山の声というのは私的感覚では、やさぐれ感3割キュートさ7割という絶妙の按分で
成り立っている。この割合が逆だと私の興味の対象外なのだが、このバランスはある意味
黄金比といってもいい。万人向けではないかもしれないが、個性的な声というのは一度
とりつかれると飽きがこないもので、これは松本伊代の声の魅力と同義である。
それは、お前が単に好きだからだろうというのは、御尤も。(笑)
疾走感抜群の、もしカー・ラジオから偶然に聞こえてきたらアクセル踏み込んじゃうよ、みたいな
シングル曲『真夜中のエンジェル・ベイビー』はアルバム未収録曲なので、そういった意味でも
必ずコンピレーションに手を出さざるを得ない中で、本盤は非常に便利だ。
各曲全てに平山自身のコメントがついているのが嬉しい。
70年のデビュー曲『ビューティフル・ヨコハマ』は『ブルー・ライト・ヨコハマ』の二匹目のドジョウを
狙ってつくられたと平山は記しているが、76年に『ブルー・ライト…』を吹き込むとは当時は
思いもしなかっただろう。
さて、筒美先生といえば、洋楽ファンにはいろいろと「頂きネタ」(笑)が多いことでも知られているが
極めつけの1曲が、84年のアルバム「EMISSION」収録の『嫌だっ!』。
リアル・タイムでザ・カーズの『YOU MIGHT THINK』を頂いてしまう潔さと、男言葉で
書かれた歌詞を歌い飛ばす平山の歌唱が見事に結実した傑作だと皮肉でもなんでもなく
そう思う。
そういえば、平山は自身が好きな色を黄色だと公言している。それを思えばこのジャケットの
色調はまさに平山である。それもこれも踏まえて名コンピレーションだと改めて思った。
もっとも、私は黄色の服を着た女性とは歩きたくないが。(笑)