HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 4

2014-03-03 00:23:59 | ROCK

MADE IN KOREAと書かれた物を購入する道理は無いのだが、唯一気になるのが
「BIG PINK」レーベル。誰が言ったか知らないがCD先進国(笑)の我が国でも再発
できない数々のアルバムをCD化して届けてくれるのだから、まだまだ目が離せない。

昨年も多くの初CD化があったが、その中でも早々に売り切れ状態になったのが
トレット・フューリーが自身の名前を冠して73年にリリースした盤。
フロント、リア・ジャケット共に、当時の女性SSWのアルバムとして魅力的な写真が
使われていて、それだけで掴みはOKなのだが、それ以上に本盤の購入者の多くは
バックを担当したのがリトル・フィートであることに惹かれたというのが本当のところだろう。

フィート目当てでこのアルバムを聴くと、拍子抜けするかもしれない。横にうねるリズムと
唸るスライド・ギターというわかりやすいフィートのイメージはここにはない。
だが、それが却ってアコースティック・ギターの音を前面に出した清涼感溢れるアレンジとなり、
温かみのあるトレットの声との相性が良い音つくりになったとも言える。

もっとも、私の耳ではクレジットのあるボニー・レイットがコーラスだけでの参加なのか
ギターを弾いているのかまでの判別もつかないのであるが。(笑)
もちろん、ローウェルの控え目でありながら印象的なスライド・プレイは重要な位置に
あるのは間違いないし、スニーキー・ピートのペダル・スティールも聴くことができるのだから
やはりその筋のファンには外せない1枚ということになる。

さて、今もトレット・フューリーは現役のシンガーである。現在の彼女は本盤のジャケットで
見られるような面影はなく、髪は短くして貫禄のある体型になっている。
皆がエミルー・ハリスのような歳の取り方をするわけではないのであるという、当たり前の
現実がそこにある。

ま、それは音楽には特に関係あることではないのだけど、つまるところこの盤はパッケージも
中身も充実した素晴らしい一瞬を切り取っているということになるのだろう。

コメント
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