HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

1968年12月10日

2008-12-10 21:15:23 | DAY BY DAY
三億円事件は40年前の今日の出来事である。つまり今日は
「40TH ANNIVERSARY」なのだ。何を不謹慎な、という向きもあるだろう。
盗まれた金額が高額(今の貨幣価値なら30億ともその倍以上ともいわれる)
であることに加え、事件が未解決であることが人々の記憶にこの事件を
刻み付けることになるのだが、何よりこの事件が不謹慎ながら
多くのロマンとシンパシーを抱かせるのは、反体制の気持ちを持つ人々の
支持を得たこと、直接の殺人が絡んでいないこと、大金が奪われながら
それが使われたのかどうか不明であることが大きな理由だと思う。
実のところ奪われた金は保険会社によって補填されたため、金を
奪われた会社が痛んだわけでなく、まあ保険会社が損失を被ったのは気の毒だが
それ以外に大きな被害がなかったのも、他の陰湿な強奪事件と
一線を画する。

実際、この事件を基にした映画やテレビドラマは数多く作られた。
捜査の過程で浮かんだ様々な仮説のどれを選んでも、面白い内容になるという
意味でも稀なケースだと思う。例えば犯人像一つとっても「犯人が警察内部に
いたら」「犯人は時効前に死んでいたら」「犯人は実は女性だったら」と
想定を変えるだけで別のドラマが出来てしまう。そのどれもが尤もらしく
思えるのだから面白くないわけが無い。

掲載写真は頭脳警察の1ST。本来出るべき時に出せず、解散コンサート当日の
75年12月31日に、事前予約した人に郵送されたものである。
現在はCDで容易に聴けるが、プレス枚数が600枚といわれるLPは
その昔はなかなか聴くことが出来ないレコードの代表格であった。
後追いで頭脳警察のファンになった私は、このレコードをダビングした
カセットを更にダビングしたテープで聴いていた。
初めて聴いた時から今に至るまで、感想は全く変わっていないのだが
実のところそれほど音楽的に大したものだとは思っていない。
頭脳警察の苦闘の歴史の第一歩であることの価値は、とてつもなく大きいが
音楽的クオリティには疑問が残る。

最初にCDが再発された時はジャケットのモンタージュ写真の目が黒く
消されていた。そのCDを手にして思ったのは、「それまで聴いていた
カセットなんか比べ物にならない音質で聴いているのに不満があるのは、
結局私が欲しいのは音は当然だが、このモンタージュ写真なのではないか」
ということである。現行CDは掲載写真のようにモンタージュ写真の
目は消されていない。同時に発売されたアナログ盤も勿論買った。

このモンタージュ写真は、ある程度の年齢の方なら見たことが無い人は
いないというくらい有名な写真だ。しかしながらこのモンタージュ写真が
捜査を遅らせた可能性の一つで、事件当時には既に故人であった人間の
写真が元になっているという。今では3億円事件というとすぐ頭に浮かぶのが
このモンタージュだというのは皮肉な話である。
それが「警察」を名乗るグループのアルバムのジャケットにもなって
いるのだから尚更だ。

頭脳警察の1STを聴くのであれば、テレビドラマ「悪魔のようなあいつ」の
DVDを見た方が、今日と言う日に相応しいのは間違いない。
私の中では、可門良は永遠のヒーローなのだから・・・。


コメント (4)
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