ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/02/01 こまつ座「私はだれでしょう」で感動!

2007-02-10 23:59:09 | 観劇
このところ井上ひさしの新作はなるべく観るようにしている私。こまつ座第81回公演『私はだれでしょう』は速報チラシの時からチェックしていた。職場で声をかけて2/1に9人で観劇会を開催。その日の速報はこちら
配役は以下の通り。
川北京子=浅野ゆう子(初参加)
山本三枝子=梅沢昌代
脇村圭子=前田亜季
佐久間岩雄=大鷹明良
高梨勝介=北村有起哉
山田太郎?(記憶喪失の男)=川平慈英(初参加)
フランク馬場=佐々木蔵之介(初参加)
ピアノ奏者=朴勝哲
あらすじは以下の通り。
1946年7月から47年11月までの1年5ヶ月間の日本放送協会(NHK)の東京放送会館2階の1室におこるドラマ。東京放送会館はCIE(民間情報教育局)などの3つの部門や外国の通信社も入れるために建物の上半分を占領軍に接収された。NHK自体は倉庫や廊下もベニヤ板で仕切って事務室をたくさんつくってしのいでおり、その中の一つが舞台となっている。
戦時中は第一線で活躍するアナウンサーだった川北京子は、現在は脚本班分室長として「尋ね人の時間」を担当。戦争で分かれ分かれになってしまった家族や知人を捜し求める情報を放送する。全国各地から取り上げて欲しいと届く手紙を室員で手分けをして目を通し、読み上げる放送用の原稿をつくって1日15分の放送にのせる。聴取率が90%を超える国民になくてはならない番組になっていた。ところがそういう番組にも検閲が入る。同じ部屋の隅にいる放送用語調査室主任の佐久間岩雄は上部が通さないだろう放送用語をチェック。口をはさんでは川北分室員の山本三枝子の怒りをかっている。若い分室員の脇村圭子はしっかり者でキビキビとよく働いている。日本放送協会従業員組合書記の若い高梨勝介は組合費の徴収といいながら分室によくなごみにきている。
「尋ね人の時間」の放送のために再会がかなった人々のお礼状はメンバーに自分たちの仕事への確信をもたせてくれる。CIEの担当者が若い日系二世の軍人フランク馬場に替わった。幼少時代を長く日本で暮らした彼は日本語がペラペラ。分室のメンバーたちの仕事のよき理解者となった。
そこに現れた山田太郎という名前の縫い付けを胸につけた男。記憶喪失のようで「私はだれでしょう」という苦しみをぶつける。それを放送にのせたら息子だという連絡がすぐにきて喜んで家族のもとにかけつける。
何ヶ月かたつと山田太郎は舞い戻ってくる。家族のふりをして迎え入れて利用されたのだという。そしてまた別の家族を名乗る人があらわれ、かけつけて何ヶ月かしてまただまされた、本当の自分は誰なんだと舞い戻るを繰り返す。
戦後すぐのGHQは日本の民主化をすすめるために労働組合活動を奨励。高梨勝介も不眠不休で働くが、対日政策の変更でマッカーサーの2.1ゼネスト中止命令以降、労働運動は急速におさえこまれていく。
番組が高い支持率を維持する中で、川北京子はつのらせていた思いを強行しようとする。広島や長崎の原爆禍にあった人たちの投書をとりあげようというのだ。そもそも彼女がこの仕事を始めたきっかけには、特攻作戦を批判して自決してしまった弟への想いがあった。その思いを実現するためにフランク馬場も上司のサインの偽造に加担してしまい、決行!
舞い戻った山田太郎はあるきっかけで記憶を取り戻す。陸軍中野学校を主席で卒業した諜報活動のエリートだった。ところがその道は軍人だった父から押しつけられたものだった。その屈折が悲しくおかしい。陸軍中野学校では「最後まで生き残って敵の様子を把握せよ」と教えられたといい、特攻隊の生き残りだった高梨は「お国のために死ね」と教えられたという。そして彼が組合に推薦されて送り込まれたのも実は労働運動を先鋭化させてたたきつぶすという陰謀に利用されたことをようやく自覚する高梨。皆に別れを告げて去り、放浪の末に百姓になってしまう。
とうとう京子とフランク馬場はGHQに逮捕される。米国籍を放棄して日本で育った村につくそうとしていたフランクは本国強制送還となり軍法会議で裁かれるという。そして残りのメンバーは京子を待つ......。

こう書くとかなり重たい話なのだが、井上ひさしはそれを面白く見せる。7人の役者の魅力を活かしきったあて書きの脚本をここまでしっかりと描ききるためには、初日を遅らせても仕方がなかったと思う。「箱根強羅ホテル」(感想はこちら)など新国立劇場での作品などは初日は間に合うがどうも最後が物足りなかったような印象がある。こまつ座公演だからできたことだろう。そこまでしてでも書きたかった井上ひさしの気持ちが伝わってきた舞台だった。

栗山民也の演出で初参加のキャストともども7人が素晴らしい舞台を見せてくれた。戦後すぐのラジオ放送の現場を舞台にして7人の人生がリアルに迫ってきた。
浅野ゆう子と佐々木蔵之介は美女とハンサムで背が高くてスリム。ふたりで並ぶとそれはそれは眼福もの。他の女性はもんぺ姿なのに浅野ゆう子だけスーツ姿で決めている。もんぺじゃ似合わないだろうし一応班長だから(笑)しかし、カッコいいのは容姿ばかりではなく、弟の想いも受け継ぎ、禁を犯す行動をとる生き様もカッコいいのだ。二重国籍のまま育った日本を愛し、京子に共感してアメリカを裏切る佐々木蔵之介の二人のデュエット「ぶつかっていくだけ」にはもう泣かされてしまった。初参加の二人にこんなにメッセージ性の高い歌をしっかり歌っていただいたことも嬉しかった。
♪「負けて石になってまた負けて石になって.....」「石がなければ城もできない」「勝つまで負け続けよう」♪みたいな歌をきくと負け続けることにも意味があるのかなぁと考えさせられた。私自身もいろいろと闘ってきたつもりの人間で、生きているうちには勝てないかもしれないけれど、それでもいいから後の時代の礎になれるかも?くらいに考えていかないとやっていけないかもしれない。そう思いながら聞いていて涙涙。

北村有起哉の熱い血の燃えたぎる労組書記はよかった。ところがそれを利用されていたことを自覚した時の暗い影にゾクっとした。劇団☆新感線の「メタルマクベス」や蜷川ギリシャ劇「オレステス」でも芝居の巧さに唸った。いろいろな舞台に出演して演技の幅が広くてこれからが楽しみで仕方がない若手である。若手ということでは前田亜季も好演。

初参加の川平慈英の怪演が最も印象に残っている。実はTVでサッカーの熱狂的応援者として出てくる彼は苦手だった。テンションが高すぎてうるさいし、あつくるしい。ミュージカルの舞台で一度観ていてその個性的な芝居には一応納得はできていたが、今回は見直した。記憶喪失部分の頼りなげな存在感と部分的に戻る記憶でテンションを上げる部分を瞬時に行ったりきたりするという難しい芝居をちゃんとこなしていてそれが楽しくせつなかったのだ。タップダンスを「貫太郎月夜」の歌に乗ってたっぷりと見せてくれたのはもう大感動もの。井上ひさしの台本は切れ切れに届くそうだが、川平慈英は一回目を読んだだけで泣いたという。自分のイメージにない素晴らしい台詞を自分のために書いてくれたことに感動したのだという。彼の新しい魅力を引き出した井上ひさしもすごい。私はサイドの二列目で観たので、汗も唾も飛ばしながらの彼の大熱演の洗礼を受けずにすんだのは助かったが(笑)

役者の心をつかむ台本を書くからこそ、ぎりぎりにしか完成しない作品による地獄が待っていようとも喜んで出演する役者がいるのだ。梅沢昌代、大鷹明良もそうだろう。こういうベテランが舞台に奥行きを出してくれていた。

朴勝哲のピアノ演奏にのって次々と繰り出された歌も本当によかった。聞いたことのある曲に井上ひさしの歌詞がのって、出演者が本当に楽しそうに歌う。これが井上ひさしの音楽劇の醍醐味だと思う。

5月には一昨年の「天保十二年のシェイクスピア」に続く井上ひさし×蜷川幸雄の第二弾「薮原検校」がシアターコクーンで上演される。そちらも楽しみになってきた~。

写真は公式サイトより今回の公演のチラシ画像。
ウェブ検索してみつけた読売新聞サイトの「河村常雄の劇場見聞録」の劇評が面白かったのでご紹介しておく(→こちらへ)。
他の井上ひさしの舞台の感想はこちら
05/08/07「もとの黙阿弥」22年ぶりの再演
06/07/19東京裁判三部作完結「夢の痂(かさぶた)」

07/01/28 「コリオレイナス」客席をうつしだす鏡

2007-02-08 23:58:25 | 観劇

さいたま芸術劇場に自転車で10分、2階のサイド席にぎりぎりに座る!彩の国シェイクスピア・シリーズ第16弾「コリオレイナス」。あらすじは以下の通り。
イメージによくある帝政ローマではなく、共和制のローマ。戦争が続いて食糧不足が続き、市民たちは貴族たちに不満を募らせていた。猛将ケイアス・マーシアス(唐沢寿明)はヴォルサイ人との戦闘で、敵の指揮官オーフィディアス(勝村政信)との一騎打ちのすえコリオライを陥落させる。凱旋した彼は讃えられ、コリオレイナス(コリオライを陥落させた者?)の称号を受け、執政官にも推薦される。しかし執政官になるためには、市民の投票で信任されなければならない。そのためには謙虚の象徴としてボロの服を着て広場に立ち、戦の傷跡を見せながら市民の支持を乞うという課題をクリアしなければならない。貴族としてのプライドが高いコリオレイナスは硬く固辞するが、周囲の説得により慣習に従う。そして何とか市民の支持を得たかにみえた。ところが2人の護民官(瑳川哲朗ともう一人)がコリオレイナスの失脚を狙い、彼の傲慢さを謗り市民たちへの反逆罪を犯していると煽る。最終的には民衆の敵としてローマを追放されてしまう。
コリオレイナスは宿敵オーフィディアスのもとへ降り、自分のかつての行いの赦しを乞い、自分を追放したローマへの復讐のために共に戦うことを申し出る。二人は和解し、共にローマ領に進軍していく。
ローマ側はコリオレイナスのもとに和議を乞いにかつての友人(吉田鋼太郎)をさしむけるが黙殺される。ローマ陥落を前にして、ついに彼の母ヴォラムニア(白石加代子)と妻(香寿たつき)と息子が嘆願にくる。彼が拒むと母は誇り高い死を選ぶことを言い放つ。コリオレイナスは心を動かされ、和議を受諾。
オーフィディアスは彼の勝手な行動に憤慨。ついに裏切り者として殺す。コリオレイナスの存在が自分たちにとっては危険なものになっていたとしながらも、その人物の素晴らしさを讃える中で幕。

蜷川幸雄は役者に負荷をかける方法として今回は大階段を選んだのか。八百屋舞台と比べ物にならない負荷。その前に大きなマジックミラー。階段の上には何重もの横に開く扉。階段の高低差のある中で黒い衣装のローマ軍と白い衣装のヴォルサイ軍が戦う。コリオレイナスが敵側に回ると白い衣装に変わってオーフィディアスと並ぶ。そのわかりやすさと美しさ。
アジアンアイデンティティという考え方をを持っての舞台づくりをする蜷川幸雄。扉は寺院の門扉だったり、鏡に経文の字が浮き上がっていたり、蓮の上に童子が瞑想したりしている絵だったりしている。コリオレイナスたちの衣装は侍のような袴をつけて日本刀を閂差し。戦闘時は日本の槍や薙刀も登場。母と妻が刺繍しながら語り合う場面の大きな布はお寺にありそうなものだった。
そして大きなマジックミラーは何回も客席をうつしだす鏡となる。広場の階段に大勢広がった民衆が護民官に操られて衆愚をみせつけた場面。そこで一転して客席をうつしだされた時はゾクゾクした。「あなたたちは何者かに操られる愚かな民衆ではないか?」蜷川幸雄の挑発を身体中で感じてしまった。
最後に流れるのは般若心経の声明だと思うが、これもゾクゾクものだった。これが蜷川幸雄がロンドンに堂々と持っていく舞台なのだ。とても誇らしい気がした。

当初、主演が唐沢寿明と知った時、あまり気乗りがしなかった。「マクベス」も「天保十二年のシェイクスピア」でもあまりいいと思わなかったからだ。ところがコリオレイナスはよかった。エキセントリックなまでに気位の高い男を五分刈ヘア?に六四の位置に剃りこみまで入れた姿で熱演。市民に謝罪するはずが護民官の挑発で癇癪を起こす場面などは秀逸!これまででいえば映画「有頂天ホテル」の怪しいプロモーター会社の社長役が一番よかったと思ったが、こういうちょっと変人の役だと彼のよさが際立つようだ。
コリオレイナスはかなりのマザコンで、母親の気位の高さを受け継いでいる。息子が生きて恥をかくよりは名誉の死をと願うような母親。その母の期待に応えようとして立派な武人になってきているのだ。その母の説得に心を動かす場面が2回もある。その繰り返しによって母とその母を愛し敬い支配されるコリオレイナスの絆の強さが際立つ。母の前ではすっかり従順な子どもになってしまうコリオレイナス。その可愛らしいこと!こういうところも唐沢寿明の魅力のようだ。

その母を白石加代子。息子を追放した市民たちを呪うところで、彼女が貴族として平民を蔑視する感覚が息子に強く伝わったことを痛感する。さらに最後の嘆願の場面で息子と決裂した後の潔い啖呵!これがここまで決まるのが白石加代子だ。この母によってつくられた彼の性格が彼の高潔で不幸な一生を作り出した。その悲劇の大きさがドーンとくる。

敵将の勝村政信は市村正親との二人芝居「ストーンズ・イン・ヒズ・ポケッツ」で巧い役者だなぁと思ってきたが、今回のような武人の役もよく似合った。コリオレイナスと昨日の敵は今日の友となったのに、最後には殺してしまいながら賛美する。こちらの役の方が地味なのだが、それが主役の派手だが不幸な人生の縁取りを濃くする。
コリオレイナスの妻の香寿たつきは、ダイエットされたのだろうか。前より美しくなっている気がする。役としては本当にしどころが少なく、一箇所だけ強く訴える場面があり、そこまでためる芝居をしている。一度だけ観た宝塚でのトップ公演の時から芝居が巧い人だと思っていたが、どんどんいい女優さんになっていて嬉しい。

蜷川シェイクスピアに欠かせない吉田鋼太郎、瑳川哲朗、大川浩樹(民衆役とか何役か)もいい仕事をしている。スピード感もあり、重厚感たっぷりの舞台。休憩15分を含めて4時間近かったが、とても堪能できた。

「朧の森に棲む鬼」も長かったが、テイストがずいぶん違うのでそれぞれに楽しめた。その間に「スウィーニー・トッド」もあっての3日連続観劇。気が付くといずれも流血もの。どれも満足できる舞台で幸せだった。しか~し気力体力をいっぱい使って堪能してしまったので、もう少し間隔をあけた方がよかったかも~。松岡和子さんの翻訳本を探したが出ていなかった。ちくま文庫で出版されるのを待つことにしよう。

写真はJCBチケットサイトからの画像。
彩の国シェイクスピア・シリーズの公式ブログはこちら
先に書いた友人から観たいといわれた時の話はこちら 

07/02/07 久しぶりの歯医者で×△○?

2007-02-07 20:43:58 | 医療・介護・福祉など

昨年9月以来、歯医者へはご無沙汰。歯の根元が痛くなって噛めなくなって抗生剤でおさえこんだ。そのS先生(一昨年に親知らずを抜いていただいた熱心な若い男性医師)と秋の花粉症がおさまったらその歯を根本治療をしようと約束したが、観劇優先でm(_ _)m状態だった。さらに定期チェックのおすすめハガキも受け取っていて、うしろめたさもありつつも.....。

その報いなのか、実は10日くらい前から絶不調となっていた。娘が週1回の絵の学校を丸々一ヶ月すっぽかしたあたり、ストレスの頂点に!それで退学することにしたのだが、娘はバイトの負担が大きすぎて課題が描けないのだという。自分からバイトを減らしてもらうこともできず、荒れている→私にくるというわけだ。しかしながら今回は甘やかさないことにした。
でもやっぱりきている。身体に.....。

寝不足が続き、ものすごい眼精疲労で目の奥が痛い。花粉症が始まって鼻腔全体も腫れている感じ。その上に歯茎全体が痛くなった。ストレスがたまっているとついつい歯磨きの手に力が入ってしまうので、それで傷めたのかなぁと思い当たる。ビタミン剤や抗アレルギー剤を飲み始める。だいぶラクになってきた。
しかしデンターシステマの歯ブラシが使えないくらいまだ痛い。ついに歯医者に電話を入れると.....。S先生は退職されてもういない。他の先生になります。う、慣れた先生の方がいいんだけどな。先の日程で予約したが、やはり急患扱いで一回診てもらおうともう一度、電話。

本日フレックスで早く上がって行ってきた。今回から院長先生に診ていただく。
歯を全部見渡して先生はズバリ!
先生「寝ている間に歯ぎしりとかひどくないですか?」
私「ひどいみたいです。マウスピースつくったこともあるけれど使ってません」
先生「奥歯がみんな平たくなってしまってます」
私「ここのところ、すごいストレスでした。寝てる間に相当やってたのかもしれません」
先生「そのために歯の付け根の血行が悪くなって、歯肉炎がひどくなってるんだと思います。虫歯とかはないですよ。それでは歯ブラシの指導を受けていただいて炎症が落ち着いてきてから、歯石のお掃除などもやりましょう」

話にはきいていたけれど、「歯ぎしり→歯茎損傷のおそれ」って本当に起こるのね!それにしても夜中にどんなに歯噛みしてたんだろう私.....。
そして衛生士さんにタッチ交替!ふだんのお手入れについていろいろ聞かれる。
毎食後磨いて、寝る前にはデンタルリンスとデンターシステマ歯ブラシで仕上げると回答。
→全面的に×××。
デンタルリンスは口の中の善玉菌も殺すので使わない方がよく、悪玉菌をやっつけるためには唾液をいっぱい出すようにすること。だから歯磨き粉も使わない方がいい。クリニックおすすめの歯ブラシ(350円)を使って力を入れずにこのように・・・・・・とやって見せてくれる。アレ?痛くない!撫でられている感じで気持ちいい。ここまで弱い力でやるの?→時間がかかるけれど「ながら磨き」をしながら5分以上かけて1本1本歯並びに沿って磨いてください。痛み止めも抗生剤も必要なし!

実は「歯磨き粉は歯が磨り減るから使わない方がいい。免疫力がある唾液の分泌を盛んにするようにすべき」という説は知っていた。しかし唾液はあまり出ない体質なので、私にはあわないと思ってきた。しかし、今日のように優しく撫でるように磨いていると湧いてくる感じがした。

この方法でしばらくやってみようかと思う。睡眠導入剤を飲んだあとがいいかもしれない。やさしくブラッシングしたらリラックスできるかもしれない。寝つきやすくなるかもしれないとちょっと期待。次は来週の土曜日の夕方。

07/02/04 「蓮絲恋慕曼荼羅」のチケットGET!

2007-02-04 23:58:52 | 観劇

国立劇場小劇場での3月歌舞伎公演「初瀬/豊寿丸 蓮絲恋慕曼荼羅(はちすのいと こいのまんだら)」のチケットとりは激戦が予想された。
公式サイトよりの公演情報
国立劇場開場40周年記念歌舞伎脚本入選作の演出を玉三郎丈にお願いしたら、出演までされることになって大変なことになってしまった。
そのあたりについてはかしまし娘さんの記事が詳しい。実は私も1月の菊五郎劇団の観劇時にイヤホンガイドでその辺の話をしっかり聞いている。

とにかく大変だ。あぜくら会に入っていて本当によかった。あぜくら会先行予約でとれなければ一般前売でと二段構えができる!それに予約開始日は2/4に日曜日で幸い観劇の予定なし!!
朝10時から家の電話の子機を握り締めてリダイヤルを繰り返す。左手に電話機、右手に朝食のトースト状態であった。そうして粘って一時間半。飽きるほど聞いているあの「混み合っています」の音声でない音声が流れる。やった~。

そうして本当に端席ではあるが3/25千穐楽のチケットを友人の分ともどもGET!

そうしたらドッと疲れが出てしまい、2時間ほどお昼寝してしまった。

昼に眠れるというのは相当疲れている状態。
それで元気を取りもどして夕方から友人と食事するために新宿まで出かけた。そうしたら大河ドラマの録画を忘れた。内野聖陽・亀治郎ともども応援しているのに~。愛が足りないかな。家の中も“のだめ状態”のままだし.....。

追記
今回の公演の一般前売り前の新聞広告を撮影したものをアップしておく。髪を長く後ろに垂らしたのをこの角度から見せるというのは、この時代の女性の一番美しい姿だったのだろう。

06/12/25 十二月大歌舞伎夜の部③海老蔵初役の「紅葉狩」

2007-02-03 23:57:24 | 観劇

また間が開いてしまったが、十二月大歌舞伎夜の部の思い出し記の最後を書く。
3.『新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)』
「紅葉狩」でも新歌舞伎十八番の方は初見。同じような内容の「鬼揃紅葉狩」は昨年の秀山祭で観た。
昨年9月秀山祭の「鬼揃紅葉狩」の感想はこちら
今回の配役は以下の通り。
更科姫実は戸隠山の鬼女=海老蔵 平維茂=松緑
腰元岩橋=亀蔵 局田毎=門之助
侍女野菊=市川ぼたん
従者左源太=亀三郎 従者右源太=市蔵
山神=尾上右近
「鬼揃紅葉狩」と大きく異なるのは以下の点である。
①まず舞台が松羽目物のようではなく、紅葉の下がり物が舞台前面にあって、松の大木までが舞台中央の大道具としてある。だから鬼女は最後にその松の木の上で決まって幕となる。
②更科姫の酒宴でまどろんでしまった維茂のもとに現れて、更科姫が実は人食い鬼であると警告してくれるのはひとりの山神だということ。
③やがて鬼女の正体を顕して襲い掛かるのは更科姫ただひとりで、侍女たちは鬼にならないこと。

海老蔵の女方は「藤娘」が初見で今回が二回目。初役だという。登場すると客席から溜息。確かにビジュアルは完璧に美しい。懸念していた前半の姫の時の声で現実に引き戻される。やはり私の許容範囲を超えている。途中で鬼の片鱗をみせるところもメリハリはあるのだが、どうみても鬼女ではない。男の鬼的な猛々しさがすでに見えてしまう。着物の裾が大きく開くような足さばきはこれはいいのかとちょっと疑問に思ってしまうほどだった。後半の鬼の場面はもうすごい迫力。荒れ狂う‘鬼’そのもの。周りを侍女たちの鬼女も従えていないから余計に一匹の‘鬼’と維茂の対決になってしまった。パリ公演に出すようだが、まぁ鬼女と鬼の違いなんて気にする観客はあまりいないだろうし、このメリハリは受けること間違いないだろう。
松緑は昼の「将門」でしっかりと存在感を確認できていたが、維茂も初役でつとめて好演。決して二枚目でなく武者絵のような顔がこういう役の時はとても映える。身体の動きも美しい。海老蔵とのバランスもよかった。これからもこういう役をもっと極めていただきたいと思った。
侍女野菊は海老蔵の妹の市川ぼたんがつとめたのだが、大人の女性が歌舞伎座の舞台に立つことは珍しい。パリ公演にもきっと一緒に出るのだろう。舞踊の市川流の方でぼたんを襲名されたということで、とても端正な舞だった。ただ周りの男性に並ぶと女性の身体はやはり華奢なんだなぁとあらためて感じた。
山神は演じる役者によっては翁にすることもあるらしい。今回は尾上右近で若い山神。六代目菊五郎の血を引くという右近は菊五郎の部屋子になって精進しているという。本当にきびきびしていてこれからが楽しみだった。
三枚目の腰元岩橋の亀蔵を観て、昼の「嫗山姥」で兄の市蔵が見せた三枚目の腰元も思い出してなかなか面白い配役をするものだと感心。なかなかよかった。

新歌舞伎十八番は市川家の「家の芸」なので海老蔵も繰り返しつとめていくだろう。頑張って女方の声の安定的な発声を身につけてもらいたい。あんまり目をむきすぎずに身体の動きももう少し研究してほしい。
この間、1月に新刊で出た文春文庫版の関容子さんの「海老蔵そして團十郎」を読んだ。戦後ブームになった海老さまから市川家の三代を見守り続けた関容子さんの文章はあたたかかった。海老さまに姿だけでなく気質もよく似た孫の当代の海老蔵も研究熱心だということがわかったので、これからの彼の精進ぶりを私もしっかりと見守っていく気になっている。

写真はこの日に3階で食べた「めでたい焼」。なんと私が最後の一個だった。時間がなくて中のお餅の紅白の色まで確認できなかったのを後から気づいて後悔した。
関連の感想記事はこちらですm(_ _)m
12/10昼の部①「嫗山姥」
12/10昼の部②「将門」
12/10昼の部③「芝浜革財布」「勢獅子」
12/25夜の部①「神霊矢口渡」
12/25夜の部②菊五郎の「出刃打お玉」

07/02/01 こまつ座の観劇会で井上芳雄くんと遭遇

2007-02-02 23:58:32 | 観劇

私が幹事となって職場で希望者を募り、こまつ座の新作「私はだれでしょう」の観劇会を2/1夜の部で開催。労組女性部のグループを中心に声をかけ、約一週間で9名が集まった。仕事帰りに新宿南口サザンシアターだったので気軽にきてもらえるのがいい。
今回の公演は1/14初日の予定が2回も延期になった。台本がアップしたのが16日だったので後半部分の仕上がりが不十分ということで20~21日の土日公演をつぶして22日開幕となった。初日が開いたのを確認してから声をかけることにしたわけだ。

「何か口に入れておかないとお腹がすいちゃうんじゃないかな」ときかれて、「初日が遅れたということはそんなに長い芝居じゃないんじゃないかな」と答えてしまって大失敗!
会場で貼紙で夜6:30開演、15分の休憩をはさんで9:50までということを知って愕然とした。ごめんなさ~いm(_ _)m自販機でソフトドリンクを飲むくらいで我慢我慢。
開演直前、横通路と縦の通路のちょうど角になる客席で井上芳雄くんを発見。しばらく何と話しかけるかを頭の中で考える。その上でしっかりと声をかけて握手をしてもらってしまった!!
「井上芳雄さんですよね」
「ハイ」
「ルドルフをされている時から観ています。蜷川さんの「ハムレット」も観てますよ。どんどん勉強されていてお芝居もうまくなっていらっしゃって嬉しいです」
「ええ」(照れた感じ)
「松竹のサイトで「もとの黙阿弥」の初日の感想をアップされていたのも読みましたよ」
「えっ?あぁあぁ」(記憶をたぐる感じ?)
「今回もこちらにきていただいていて嬉しいです。これからのご活躍を祈ってます」とサッと手を出して握手へ~。

ワー、強引?押しが強い?ずーずーしいオバサンのマイペース?
こういうところではものおじしないのが私の性格。昨年のコクーン歌舞伎で出待ちして勘三郎丈と握手させていただいた時もいろいろしゃべってしまったくらいだし。ただ勘三郎丈の時はもっと舞い上がっていたなぁ。相手が若い役者さんだとこちらにも少し年長者の余裕があるわけだ。だてにチケット代を注ぎこんで気になる役者の定点チェックしてるんじゃない。失礼にならないようにだけ気をつけて、言いたいことは言わせていただいてしまう。
そして「頑張ってください」という一言も言わないようにしている。出待ちの声かけの定番だと思うのだが、皆さん頑張っているのは当たり前。だからどんな言葉がいいかを何年もずっと考えてきて、たどりついた結論は。→「これからのご活躍を祈ってます」というような言葉で締めくくる。

変なおばさんで井上くんも驚いたかもしれないが、これからも頑張って欲しい若手のひとりだ。

さてさて、観劇してみると.....。これまで「太鼓たたいて笛ふいて」が一番好きだったが、今回の作品は並んでしまったというか、超えてしまった感じ。これは初日を遅らせてでもここまで書かないといられなかったんだろうなぁと納得の内容だった。その内容はあらためて書くことにしよう。

終演後、5人が10:30ラストオーダーの店を見つけてご飯を食べて帰った。いいお芝居を観てお腹をすかせて帰るのは悲しいのでよかったよかった。