ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/10/14 木挽堂書店でミニ玉三郎写真集GETで海老蔵特番最後だけに

2007-10-15 23:15:58 | 美術・本

歌舞伎座昼の部終演後、奥村書店東銀座店を任されていた方が独立して開店した「木挽堂書店」へ。
元の奥村書店のサイトはプロバイダー契約も解除されていたが、きっとブログ仲間の皆さんのネットワークで情報アップされるだろうと待っていたら、やっぱり!感謝!!
その情報で今回行くことができた。歌舞伎座の隣の文明堂の並びの銀座メイフラワービルの2階。茜屋珈琲店の手前の小さな螺旋階段を見つけるのに苦労。上がっていったら本当に小さいお店でお客さんが5人も入ったらもういっぱいというスペース。
『中村雅楽探偵全集』第4巻を買うつもりだったのに発売が一ヶ月延期されてその間に奥村書店が閉店になってしまっていた。早速その本を木挽堂書店に買いに行ったというわけだ。
そこで絶版の新潮文庫の『歌舞伎-女形』(玉三郎・渡辺 保・大倉舜二)を見つけて美本だったし、即決で買ってしまった。1970~83年の若い玉三郎!今の玉三郎の方が私は美しいと思うのだが若い頃の青い美しさの文庫本も持っていてもいい!!ヤフオクで買った文庫の舞台写真集『桜姫』と並べよう!!!
玲小姐さんに待ってもらっているので開店のお祝いだけ述べて3冊買って出てきた。歌舞伎座で今年初めて玉三郎カレンダーも買ってきていたから玉三郎物GETに勢いがついていた。

玲小姐、sakuramaruのお二人と私でミニミニお茶会。歌舞伎座近くですればよかったが有楽町駅前まで移動したのが失敗。開店したばかりのITOCIA(イトシア)の地下のどこかと思ったらどこも行列。阪急の地下でようやく座れた。

夜の大河ドラマの後はフジTVの海老蔵特番「名門に生まれるということ」を観るつもりだった(harukiさんの「くだま記」の記事で予定していたのに......)のに、玉三郎写真集を見ていてすっかりぶっとんだ。海老蔵への愛の少なさが如実に現れる。ふっと思い出して最後の25分くらいを観ることができた。

このしゃべり方、なんとかならないの?!ならないのだろうなぁ。この品位も何もないヤンキーモードが好きじゃない。あの親父様の息子なのにと思ってしまう。
そうしたらオペラ座公演の時に40℃近い発熱を押しての舞台だったとわかり、根性はわかった。そこで勧進帳をつとめる祖父の白黒の映像を観てますますわからなくなったとしゃべる海老蔵。イライラが募ると楽屋から取材陣も乱暴な言葉で追い出す。「邪魔だ、出て行け」
しかし、「今まで祖父と父は似ていないと思っていた。同じだと思った。俺が間違っていた」という言葉が出てきた。「何が同じなの」という質問に「時間の使い方」と答える海老蔵。そして目標はという質問に「単純に言えば“團十郎”」との答え!!
これは見直した!!!どうも祖父を敬愛するあまりに父親を尊敬していないというイメージがあったのだが、父親にきちんと目が向いたのを祝福したい気分だった。

途中で「海老蔵さんにとって歌舞伎とは」という質問に「好きだった時期もあったけど、今は違う」「やらなきゃいけないもの」と答えている海老蔵。確かに日本の歌舞伎の中でも市川團十郎という名を継承すべき男子として生まれたプレッシャーとのたたかいを強いられているからこんなにツッパリ人間になってしまったんだろうなぁとは思えた。
こうして見ても好感度アップまではいかないのだが、やはり團十郎・海老蔵の名前の役者は大事なのでいい仕事をしてほしいのだ。だから祖父→父→自分という継承に感性の照準も合わせてくれたことがわかったことが今回の収穫。来年1月の演舞場の「鳴神不動北山桜」の通し上演も観に行く予定。

写真は新潮文庫の『歌舞伎-女形』の表紙。