Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

セゲルスタム指揮読響定期演奏会「マーラー:交響曲第5番2013.01.21批評(No.2199)

2013-01-21 23:39:49 | 批評

全体設計が確固たる上に、声部バランスが襞(ひだ)に至るまで精密な セゲルスタム + 読響のマーラー



  1. 1番トランペットの長谷川


  2. 1番ホルンのキム(スウェーデンのオーケストラで首席を務めている、とのこと)


    などの信じられない高い技巧が全てのパートに張り巡らさせており、オーケストラメンバー個々を褒め称えるだけでも、賞賛で埋め尽くすことができる演奏会だったが

    セゲルスタムの『マーラー把握力』と『読響との信頼感』が「音」となって飛翔した演奏会


    と評するのが最も適切だと思う。これまでも名演を続けて来たコンビだが、過去の名演を上回った!
     セゲルスタム は、「細かな指示を細かく細かく出すタイプでは無い」。

    「テンポの切り替え」が絶妙で、デュナーミクを厳格に指示し、「フレーズの表情を左手で表出していく」で通す指揮


     マーラー交響曲で難易度の高い「旋律線の受け渡し」指示は極めて少ない。「オケ団員同士で聴き合う」を徹底する。その際に「楽器別に鳴り易いテンポ」を熟知しており、ほんのわずかだが「テンポを微妙に変えて振る」のだ!!!

     圧巻に感じた場面の1つが第3楽章=スケルツォ。1番ホルンも「オケの通常位置のママ」で吹かせるが、音の通りの素晴らしかったこと! 旋律を受け持つ楽器の「最も良いテンポ」を熟知していると、こんなに面白い楽章!!!

     ってくらい表情が次々と変わって行き、まさに「スケルツォ = 冗談」を音画として出現させてくれた。弦楽四重奏ピチカートの「ふざけた感触」など、これまでに聴いた同曲の演奏は何だったんだろう? と思えるほど、前後との対比が鮮やかだった。

    「濃密なマーラー」であり、指揮法こそ「マーラーのカリカチュア」とは全く異なるのだが、「表出される音楽」の表情が極めて濃い!


    が魅力。それが「ほとんどキズの無い演奏」で聴けたのだ!
     この日の演奏は「日本テレビ」が録画していたので(マーラーはおそらく間違いなく)放映されることだろう。私高本の発言が正しいか、間違っているか、は読者の皆様が夜間に録画して、昼間に「通常音量で再生」してご確認頂きたい。



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