Piano Music Japan

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<演奏会批評>力感に卓越した石田種生演出&振付「白鳥の湖」(No.1313)

2006-07-16 23:39:26 | 批評
 チャイコフスキー「くるみ割り人形」が【オハコ】の 東京シティバレエ団が6年ぶりに「ティアラこうとう」で上演したチャイコフスキー「白鳥の湖」だったが

●力感溢れる石田種生 演出&振付
●呼応する福田一雄指揮東京シティフィルの名演

が印象深い。
 福田一雄指揮東京シティフィルは、

●弦楽器を中心に強く打ち出しながら
●打楽器を前面に押し出しながら
●金管楽器を抑え目にしたバランス

である。男性主要3役(Kim Bo Youn, 佐藤雄基, 穴吹淳)は高い水準を維持してくれていたことが上演を引っ張っていた。これで、オデット/オディール役 の 若生加世子 が「力感溢れる役作り」に突き進んでくれたら、さらなる名演になったと推測されるが、「可哀想なオデット」風に「弱い面を強調し過ぎ」て踊ってしまったように感じる。これさえ、一致すれば、さらなる質の上昇があることを期待できる。次回公演は必ず今回を上回るモノと思う。

【附論】「白鳥の湖」とピアノ協奏曲第1番

 バレエ「白鳥の湖」(1875-1876)はチャイコフスキー自身のピアノ協奏曲第1番(1874-1875)と近い時期に作曲された作品である。バレエとピアノ協奏曲は良く似た面があり

●ソリストが存在し、ソリストが花形
●量的には「オーケストラ」「コールドバレリーナ」の方が圧倒的に多い
●曲全体の「流れ」を掴まないと、ソリストは、努力の割合に「映えない」

などなど。チャイコフスキーのこの時期の作品は、「甘美なロマンティズム」と「ロシアの大地に根差した力感」の両面が魅力。
 ピアニストやピアニストを目指す人が、「白鳥の湖」を鑑賞すると、得るモノが多いと思う。「自分の好きな作曲家の他の分野の名曲」を「名演奏で聴く」ことはその人の財産となると感じた次第である。
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