Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

日本ドイツリート協会第4回コンサート(大阪)批評(No.1859)

2011-05-15 01:26:08 | 批評

岡原慎也は「音楽の魔術師」だ!


 冒頭の言葉は「鍵盤の魔術師」の誤記では無い。「音楽の魔術師」で正しい。ピアニストは基本的に「自分で操れるピアノ鍵盤」で、『自己の音楽』を十全に聴衆に知らしめる。ルービンシュタイン、ホロヴィッツ、シフラ、リヒテル、、、
 タイプは全く違うが、そのピアニズムの素晴らしさは後々まで語り継がれて来ている。この仲間に、「グルダ、ブレンデル、グールド」の1930年代生まれ巨匠ピアニストも(全員死亡したか引退したので)加えていいだろう。皆、素晴らしいピアニズムだ。

 ・・・で、岡原慎也は、勿論鍵盤から出す「ピアノの音」も素晴らしいのだが、信じられないことに

岡原慎也と共演すると「歌手の声やらフレーズの長さや高音域の響き」が全く別人になる!


ことを昨日知った。これは上記掲載のピアニストでも実行できていない。最も「歌曲伴奏」に力を入れていたのは、ブレンデルだろうが、フィッシャー=ディースカウ や ゲルネ の「最良」は引き出しているものの、他のピアニストの共演に比べて「様変わり」にはしていない。リヒテル、グルダ、グールドも歌曲伴奏録音を残してくれており、それぞれ名演だが、岡原慎也のようなことはない。う~ん、

私高本が詳細ツッ込んで書けるシューベルト「冬の旅」録音で、史上最高のピアニスト=岡原慎也 だが、他の歌曲も同様だった!


が明かされた。
 ソプラノ=大島知子 と岡原の共演でこのジョイントコンサートは幕が開けられた。シューベルト「笑いと涙」「夜と夢」「糸を紡ぐグレートヒェン」。女声(特にソプラノ)であれば、誰もが歌う「ド名曲」オンパレード。 「軽やかさ」「長い息 + 静けさ」「リズム感 + 全体設計の確かさ」が問われる難しい曲ばかり。プログラムを見た時、実は昨年8~9月の「日本ドイツリート協会夏期講習」で大島知子は聴いていたので、「どんな演奏になるのだろう?」と思っていた。聴いて見たら、「信じられない息の長さ」「弾むリズム」「全体を見通した設計」がはっきり伝わって来る。う~ん、岡原慎也が発声を指導したワケでは無いだろうから、これは魔術だ! 昨年夏の大島は「才能あるソプラノ」ではあったが、その才能が花開いた、境地にはまだ至っていなかった。「才能あるソプラノ」は(アルト、テノール、バスに比べて)圧倒的に数が多いので、本格的に開花する人は残念ながら多くは無い。昨年9月冒頭段階では、私高本は不明にして、大島知子の実力をわかっていなかった。
 ・・・で、聴いてみたら「別人」としか思えない素晴らしい歌唱。特にリュッケルトの詩による「笑いと涙」の軽やかさと、ゲーテの詩による「糸を紡ぐグレートヒェン」の全体設計の確かさ。「岡原慎也伴奏歌曲演奏会」は数多く聴かせてもらっているのだが、直近の昨年9月の「夏期講習修了模範演奏会」の「講師模範演奏」よりも良い。マジかよ?!(← ちなみに岡原慎也は解説だけでピアノ弾かなかった!)

 私高本は基本的に「ピアノに興味が集中しているバカ」だから、大島の演奏技巧についてはよくわからん。岡原慎也が発声指導したとは思えない。すると、

発声が同じでも、声楽ソリストの「最高の点」を引き出せるピアニスト = 岡原慎也


の構図が浮かんで来た。う~ん、「今聴いた大島知子は昨年9月の大島知子とは別人だ!」とはっきり思った。(私高本の耳が「確か?」「腐ってる?」と思うのは読者の皆様が判断して下さい。)
 言っていいことか悪いことかはわからないのだが(この手のことを書いてしまうから、私高本はダメなんだよな)、「糸を紡ぐグレートヒェン」は過去に聴いた「岡原慎也伴奏の同曲演奏の最高」だった。こんなに素晴らしい曲だったのか! 岡原慎也 + 大島知子 に深く感謝する。(続きは寝てから書きます。帰りの新幹線が「深夜割引チケット」で深夜帰宅なのでもう眠いです(爆)

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