パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

我らがパラダイス

2018-04-29 | book
直木賞作家、林真理子の新聞小説「我らがパラダイス」を読んだ。新聞小説だけに、ヤマが毎回あり、飽きずに読めた。2016年1月から12月までの1年間連載されていた。2017年3月刊行、5月に3刷。介護を女性の立場から見つめ、高級ハイソな介護施設の中での、半ばドタバタの中で、奮闘するオールドエイジの奮闘も加味しながら、逆転ホームランでパラダイス気分が味わえる。

48歳の邦子は嫁に行き、一人娘がいる。兄夫婦に痴呆の父の最後を任せたのだが。兄嫁が介護を放棄したことから、父の介護を背負うことになる。
54歳の朝子は、看護師で独身。昔、助産師だった母親とマンションで暮らしていたが、そこに弟が転がり込む。弟は無職で出会い系で出会った年上の彼女がいる。3人の暮らしはうまくいかない。
丹羽さつきは52歳。八百屋の両親と3人暮らし。その父親ががんでなくなり、母親とアパートも出ていくことになる。

そんな3人が、有名人や金持ちが暮らす高級介護施設セブンスター・タウンにで勤めていたことから、ある秘め事を従業員たちは実行する。

親の世話は娘が背負う。林の論調はそこにある。親は子供の世話にならないと、施設入所を望む。しかし、その現実は。そして、施設で暮らすお年寄りたちの現実。お年寄りたちの生きざま。恋あり、嫉妬あり。

最後の華々しい結末は、まさにお年寄り、介護するものの反逆だ。痛快、介護物語。

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