2010年に「さよならドビッシー」でこのミス大賞を受賞した1961年岐阜県生まれの中山七里が、2016年6月に刊行した最新刊「どこかでベートーヴェン」を読んだ。
岐阜県に新設された普通高校の音楽専攻クラスが舞台。高校2年生の鷹村亮は、転校生の岬洋介と仲良くなる。その岬はベートーヴェンのピアノソナタ14番の月光を聞いてその異次元の演奏に打ちのめされる。一躍クラスの脚光を浴びる岬。
9月に行われる発表会に向け、夏休みにクラスに集まっていた学校を豪雨が襲う。学校を抜け出し、命を賭して助ける岬に、同級生の岩倉の死が待ち受ける。岬を殺人の罪で疑う警察。豪雨で打撃を受ける学校。新設の際の手抜き工事が明らかになり、町と請負業者の増収賄の嫌疑を追うクラス担任の棚橋。
岩倉はその工事を請け負った会社の息子だった。また、町長の娘も同じクラスだった。
発表会では岬はベートピアノソナタ8番悲愴を演奏するが、岬を体調の異変が襲う。
思春期の学校という閉ざされた17歳の世界の恐ろしさ。音楽という才能と努力で競う芸術の残酷さ。親と子という宿命を背負いながら、生徒という将来を嘱望された子供たちに試練を与え、これらを存分に見せつけながら、殺人という謎解きをモチーフにした。
岬をホームズなら鷹村はワトソン役をこなす。鷹村の月光と悲愴の解説が秀逸。家のCDを聞きながら本を読み返した。
岬洋介シリーズともいうべき、ドビッシー、2010年の「おやすみラフマニノフ」、2013年の「いつまでもショパン」に続くシリーズ。
岐阜県に新設された普通高校の音楽専攻クラスが舞台。高校2年生の鷹村亮は、転校生の岬洋介と仲良くなる。その岬はベートーヴェンのピアノソナタ14番の月光を聞いてその異次元の演奏に打ちのめされる。一躍クラスの脚光を浴びる岬。
9月に行われる発表会に向け、夏休みにクラスに集まっていた学校を豪雨が襲う。学校を抜け出し、命を賭して助ける岬に、同級生の岩倉の死が待ち受ける。岬を殺人の罪で疑う警察。豪雨で打撃を受ける学校。新設の際の手抜き工事が明らかになり、町と請負業者の増収賄の嫌疑を追うクラス担任の棚橋。
岩倉はその工事を請け負った会社の息子だった。また、町長の娘も同じクラスだった。
発表会では岬はベートピアノソナタ8番悲愴を演奏するが、岬を体調の異変が襲う。
思春期の学校という閉ざされた17歳の世界の恐ろしさ。音楽という才能と努力で競う芸術の残酷さ。親と子という宿命を背負いながら、生徒という将来を嘱望された子供たちに試練を与え、これらを存分に見せつけながら、殺人という謎解きをモチーフにした。
岬をホームズなら鷹村はワトソン役をこなす。鷹村の月光と悲愴の解説が秀逸。家のCDを聞きながら本を読み返した。
岬洋介シリーズともいうべき、ドビッシー、2010年の「おやすみラフマニノフ」、2013年の「いつまでもショパン」に続くシリーズ。