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パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

 ピーター・ポール&マリー 5 ライブの輝き(1)

2008-10-12 | ピーター・ポール&マリー
4枚目のアルバムは「イン・コンサート」。64年8月に発売された。
64年春のコンサートツアーからのライブを版。なんと2枚組みのレコード。当時、ポップスやロックで2枚組みというのは型破りであったらしい。P,P&Mの人気の高さとコンサートの完成度の高さを示すものであろう。

ジャケット写真からは、2本のマイクで演奏する3人が前と後ろから撮られている。これできちんと3人の声がバランスよく聞こえてくるし、ギターサウンドもクリア。


曲目は、
ディスク:1
LP1枚目のA面
1. Times They Are A-Changin' 時代は変わる (ご存知、ボブ・ディランの名曲)
単純なギターストロークの中に3人の歌声が強く響き渡ります。やっぱライブはいい。録音も3人の声が立体的に聞こえる。
2. A'soalin' (2枚目のアルバム「MOVING」)
イントロダクションにポール得意の語りと車の形態模写が入ります。ただ、英会話の不得意さが会場の楽しさを伝え切れません。残念。
アメリカの童謡を、3人の計算しつくされハーモニーが押し寄せては引き返す構成が絶妙です。ギターのフィンガーテクニックと盛り上げがよい。
3. 500 Miles 500マイルも離れて(1枚目のアルバム「PETER PAUL AND MARY」)
マリーのとつとつとしたリードボーカルがいい。
4. Blue
ピーターの語りから。「Blue」で聞かれるコンビネーションとライブパフォーマンスの高さ。アメリカの民謡が途中でドゥーアップスタイルのロックンロールに変わるところなど3人の技量の高さを見せ付けられる。
また、一人ひとりの技量の高さも。会場と一体となった楽しさが伝わってくる。すごいステージ。これだけでも聞く価値ありです。you tube 動画でそのすばらしいライブ映像を見ることができる。
5. Three Ravens 3羽の烏
ピーターがリードヴォーカル。イギリス民謡から。芝生に横たわる若い兵士の死体、ついばもうと群がるカラス、主人を必死で守る猟犬と鷹、そして恋人がやって来る。黒い羽が舞い落ちる。悲しいメロディが美しい。

LP1枚目のB面
6. One Kind Favor
ポールの渋い低音がカントリーをブルース調に
7. Blowin' in the Wind 風に吹かれて (3枚目のアルバム「IN THE WIND」)
これもご存知、ボブ・ディランの名曲。63年8月のワシントン大行進でリンカーン記念館前でP,P&Mが歌った。
8. Riding in My Car (Car Song)
ポールの語りと形態模写、そして3人のコーラス。 会場とのコミュニケーションが楽しい。
9. Puff (The Magic Dragon) (2枚目のアルバム「MOVING」)
63年夏の大ヒット。会場のシング・アウトが楽しい。
10. Jesus Met the Woman 井戸端の女
アメリカのゴスペル(宗教音楽)。キリストと女の会話。ブルース調の力強いマリーの歌声が心に残る。

ピーター・ポール&マリー 4 「イン・ザ・ウインド」

2008-09-28 | ピーター・ポール&マリー
63年12月に発売された3枚目のアルバム。
「In The Wind」

1曲目は「Very Last Day」ピーターとポールの作。聖書に基づき、最後の日が来れば、誰も祈りを捧げるだろう。
「Hush-A-Bye」 これもピーターとポール。マリーをヒューチャーした子守唄。「よしよしよい子だ、ねんねしな」
「Long Chain On」 囚人の鎖を題材に、ギターのストロークが効果的な曲。
「Rocky Road」 ロッキー道路をテーマに「赤信号、青信号、君には何が見えるかい」。カントリーソング。最後の盛り上げがいい。
「Tell It On The Mountain」 山の上で告げよ。聖書を題材にしたゴスペルソング。軽快な力強い作風。
「Polly Von」  最愛の人、ポリー・ヴォンをこの手で殺してしまった。
レコードで言うとB面の1曲目。「Stewball」 シュチューボールは競走馬、水の変わりにワインを飲んでいた。
「All My Trials」 私の試練ももうすぐ終わるでしょう。マリーをメインにハーモニーで聞かせます。信仰をテーマに。
「Don't Think Twice,It's All Right」 ボブ・ディランの作品。あまり考えないでおくれ。大丈夫だから。
「Freight Train」 貨物列車が行く。僕もふるさとへ帰るんだ。
「Quit Your low Down Ways」 ボブ・ディランの曲。
「Blowin' In The Wind 」同じくボブ・ディランの曲。昨年6月にシングルで発売、8月のワシントン大行進で話題をさらう。

ゴスペル、童謡、そしてカントリー。そこにボブ・ディランが加わり、一際輝くP,P&M、ピーター・ポール&マリー。

ピーター・ポール&マリー 3 「ワシントン今昔」

2008-09-07 | ピーター・ポール&マリー
今日のNHKラジオ第1放送朝6時16分からの「なぎら健壱のあのころのフォークが聴きたい」はPP&Mの「ブルー」であった。ライブだったので、音源は4枚目の2枚組みアルバム「イン・コンサート」(1964)からと思われる。「当時の稚拙な録音技術で、あの表現力はすごい」とPP&Mのテクニックへの賛辞であった。

ワシントン大行進は、1963年8月28日、アメリカのワシントン記念塔に20万人以上の人々が参加した人種差別撤廃を求める運動である。キング牧師の大演説で名高い。
今、黒人の大統領候補オバマ氏の話題がマスコミを賑わす。しかし、このころは交通機関やレストラン、娯楽施設、学校等の公共施設でも、白人と有色人種の利用する場所を区分けする人種隔離が一般的に行われていたことなど、日常生活においても人種差別が色濃く残っており、参政権が条件つきでしか認められていなかったという。人種差別に起因する様々な事件や社会問題も生じていた。
このときにピーター・ポール&マリーがリンカーン記念館前で歌った映像を見ることができる。


「コンプリートBOX~キャリー・イット・オン」は5枚のディスク集である。そのうちの1枚がDVDで「天使のハンマー(If I Had A Hammer)」を、また、「PPMの軌跡」(DVD)では「風に吹かれて(Blowin'In The Wind)」を見ることができる。

わたしが2006年にワシントンD.Cを訪れた時、偶然に早朝、リンカーン記念館を訪れていた。

45年前にここにピーター・ポール&マリーが立ち、「If I Had A Hammer」や「Blowin'In The Wind)」を歌っていたとは。
偶然に感謝している。

リンカーン記念堂の西にはポトマック川、そして正面は東を向いており、大きな池、リフレクティングプールが横たわり、ワシントン記念塔を望むことができる。そしてその東には国会議事堂がある。

ピーター・ポール&マリー 2 「ムーヴィング」

2008-09-06 | ピーター・ポール&マリー
1962年5月のファーストアルバムに続いて、63年3月にPP&Mは2枚目のアルバム「ムーヴィング」を出す。
この中のヒット曲は1曲目の「セトゥル・ダウン」。彷徨する若者を歌ったアップテンポの曲。そして5曲目の「パフ」である。
シングルチャート2位と大ヒットした「パフ」は、「Puff,the magic dragon lived by the sea」で始まるメルヘン。子どもの成長と寂しさを歌う。
また、2曲めの「Gone The Rainbow(虹とともに消えた恋)」は有名な反戦歌。日本でのPP&Mブームの火付け役となった。
恋の旅立ちは3曲目「フローラ」と4曲目「Pretty Mary」と続く。
6曲目は第2の国歌としても有名な「わが祖国(This Land is Your Land)」
人生の憂鬱を歌う「「エジプトに行く男」「オールド・コート」
恋の悩み「ちっちゃな雀(Tiny Sparrow)」「ビッグ・ボート」
自由への願い「モーニング・トレイン」、清貧を歌う「ア・ソーリン」

このように青春の光と影、童謡、メッセージソングと、前作に続けて一貫してヒューマニズムが根底にある。アコースティックサウンドに乗せて3人のクリアでタイトなハーモニーがたまらない魅力だ。
そして、この年の8月28日のワシントン大行進への参加となる。

ピーター・ポール&マリー

2008-07-12 | ピーター・ポール&マリー
ピーター・ポール&マリー(Peter・Paul and Mary)
1960年代のアメリカで活躍したフォークソング・グループである。

男性2人のピーター・ヤーロウ(Peter Yarrow 1938年5月)、ノエル・ポール・ストゥーキー(Noel Paul Stookey 1937年12月)と女性1人メアリー・トラヴァース(Mary Travers 1936年11月)の3人組、トリオである。
ピーターとポールのアコースティックなギターサウンドと甘い声。そしてマリーの透明できりっとしたボーカルが織り成す素朴でクリーン、そしてストレートな楽曲は、心を和ませ、しっとりさせる。
1962年(昭和37年)レコードデビュー。今は3人とも70歳代である。通称PP&Mと呼ばれる。


1991年6月にベスト版を購入。久々に取り出し、聞いてみるといい。
もちろん民謡や童謡もあるがメッセージソングもある。いずれもヒューマニズムが根底にあり、すがすがしく美しい3人のハーモニーがたまらない魅力であろう。
62年のファーストアルバムを買った。


ポールのさわやかな「アーリー イン ザ モーニング」。
フォークのスタンダードソング「5ハンドレッドマイルズ」、マリーのきりっとした歌声がいい。
ピーターとポールの「悲しみ(sorrow)」、ゆったりとした3人のハーモニーが物悲しい。
同じくピーターとポールの「ディス トレイン」。アップテンポの曲。
ピーターとポールの「雨降り(it's raining)」。かくれんぼに題材を得たメルヘン。
アップテンポで3人の歌唱力が見事。「if a had my way」。
これまたフォークの定番。反戦のメッセージソング「cruel war(悲惨な戦争)」。すばらしいハーモニーにジーンときます。
PPMを有名にした2つのヒット曲の1つ。デビュー曲がこの「レモン ツリー(lemmon tree)」。
続いて人気を決定的にした2つ目のヒット曲。「天使のハンマー(if i had a hammer)」。マリーの力強い歌声とピーターとポールのハーモニー。1963年のワシントン大行進で歌われた。
ピーターとポールの「オータム トゥ メイ」
最後はお馴染みの反戦フォーク「花はどこへ行った(where have all the flowers gone)」。
など12曲からなる。

このアルバムの構成や内容には、もちろん当時のベトナム戦争や黒人の公民権運動などの時代背景が色濃くある。
特に63年のあのキング牧師が人種平等社会の実現を訴えた「I have a dream」演説で有名なワシントン大行進。20万人以上が集まったたという。PPMは記念塔やリンカーン記念館で歌った。

PPMのCDを集めてみようと思っている。