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パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

平凡社 俳句歳時記

2021-11-07 | book
夏井さんが、インターネットで紹介していたのが、平凡社の「俳句歳時記」だ。全5巻で13,453の季語。初版が1959年昭和34年7月、2000年平成12年3月に新装版第1刷、2012年平成14年12月に新装第2版第1刷だ。
編集委員は、編集代表が富安風生。責任編集は春が飯田蛇笏、夏が富安風生、秋が水原秋櫻子、冬が山口青邨、新年が大野林火というそうそうたるメンバー。考証に井本農一と山本健吉。すごいというしかない。
そして、この歳時記は戦後間もない昭和30年代までの記録である。この世界を今に伝えるのも歳時記の役割ではないかと思う。横長の活版印刷の名残、インクの香りもまた、良し。


カラー版 新日本大歳時記

2021-11-03 | book
夏井さんが自著で参考にした、講談社の「カラー版 新日本大歳時記」は、監修が飯田龍太、稲畑汀子、金子兜太、沢木欣一で、2000年平成12年に出された。大判で、重たい。全五巻だ。携行には無理だ。合本もある。
季語解説や例句が基本。カラー写真、名句鑑賞がある。著名な俳人の俳句技法や図鑑・コラムなど盛りだくさん。絶版だが、中古で流通がある。

ハンディ版 入門歳時記

2021-10-31 | book
「ハンディ版 入門歳時記」は、大野林火監修、俳句文学館編。入門というだけあり、季語は約800と少ないが、季語解説、例句に、鑑賞がプラスされており、各季語の代表の1句を味わえる。特に全例句にルビが振られており、大変助かる。初版が1984年昭和59年で、初めての新版が平成30年2018年3月に出た。初版より活字が大きいのは時代の流れ。助かる。

合本俳句歳時記 大活字版

2021-10-24 | book
2019年平成元年3月刊行の「角川書店編 合本俳句歳時記 第5版」は、春・夏・秋・冬・新年の5冊の文庫版の歳時記を合本したものだ。7,896語を収録している。季語解説と例句がある。

歳時記は、四季と新年の5つに分かれるが、合本は、この1冊で、どの季節かわからないものまできちんと整理できるので、ありがたい。特に今回の第5版は大活字本が用意されていて、還暦過ぎたものは助かる。これを購入した。
巻末には、二十四節気略歴と助数詞表、文語文法活用表、間違えやすい旧仮名遣い一覧があり、役に立つ。

季語手帳

2021-10-10 | book
俳句に触れるようになり、さまざまな俳句に親しむ時間が楽しみだ。
虚子さんも、湘子さんも、俳句の3要素を教えてくれる。五七五という韻、季語、そして、切字だ。虚子さんは、て、「400年の俳句の歴史。十七字、季題という鉄索にしばられている俳句にあっては、変化の程度はある範囲内のことに限定されている。これは俳句の運命である。」という。

そこで、テレビでお馴染みの俳人 夏井いつきさんの「365日 季語手帳」を購入した。2017年から発刊されている。365日の季語、例句、そして、解説。その巻末に底本の紹介がある。そこに掲載されているのが、講談社の「カラー版 新日本大歳時記」と角川書店の「角川俳句大歳時記」だ。

また、藤田湘子さんの「新版 20週俳句入門」では、第2週に「作句の必需品」があり、小型、中型、大型として計22冊が紹介されている。その中に、講談社と角川書店は大型として紹介されている。湘子さんのお勧めは、小型の「角川文庫 俳句歳時記」、中型の「ハンディ版入門歳時記」だ。

高浜虚子 俳句への道

2021-10-03 | book
俳人、高浜虚子の「俳句への道」を読んだ。
虚子は、1874年〈明治7年〉2月生まれで1959年〈昭和34年〉に亡くなる。明治から昭和戦後まで、先輩、正岡子規の期待を背負い、俳誌『ホトトギス』を運営しながら、「客観写生」と「花鳥諷詠」の道を突き進んだ。無季、不定型、社会派、人間探求派など、俳句というジャンルの中で起きた多くの流れの中で、自分が突き進んだ俳句の道を、わかりやすく伝える一冊。1952昭和27年から29年にかけて、虚子が80歳前の晩年に、次女、立子の俳誌「玉藻」に掲載した俳話を集めた。

虚子は、大正から昭和にかけて、四天王、四S,四Tなど多くの俳人を育て、子や孫も俳人となった。長男、年尾(明治33年1900年–昭和54年1979年)、次女、星野立子(1903年(明治36年)-1984年(昭和59年))、年尾の次女、稲畑汀子(昭和6年1931年生まれ)、立子の長女、星野椿(昭和5年1930年生まれ)がいる。

1997年、平成9年1刷。
「俳句への道」「俳句(37の俳話)」「俳諧」「研究座談会」の4構成。

俳人 正木ゆう子 猫のため息 鵜の寝言

2021-09-26 | book
昭和27年1952年生まれの俳人、正木ゆう子の「猫のためいき 鵜の寝言 十七音の内と外」を読んだ。平成30年2018年10月刊行。生まれ故郷の熊本を始め、九州を拠点に発行されている西日本新聞に平成30年5月から7月まで平日の週5回の10週連載された、計50のエッセイだ。
毎回、正木の俳句がある。たった一度すれ違った人、一羽の鳥、過ぎ去った思い。わずかなそれらを俳句とともに書き留めてみたいという。普通なら素通りするような何でもないことを言葉にするのが俳句ならば、短いエッセイでも、誰にも起こっている普通のことを掬いあげて書くのだと。
故郷熊本や住まいの埼玉の大宮、そして、出かけた各地での出来事、そして、それにまつわる思いを読み進める。そして最後に詠まれる50の俳句。その背景を楽しみながら、また、読み返す。

高浜虚子 俳句とはどんなものか

2021-09-23 | book
高浜虚子「俳句とはどんなものか」

明治、大正、昭和を生き、多くの俳人を育てたた俳人、高浜虚子が自らの俳誌「ホトトギス」に1918年大正2年5月から「六か月間俳句講義」として連載した「俳句とはどんなものか」を読んだ。大正3年に単行本化。1952年昭和27年に新装で刊行された。
角川文庫版は2009年平成21年初版、令和2年2020年12版だ。100年以上の歴史の中で、残された虚子さんの俳句への思いがここにある。

虚子さんは1874年明治7年生まれなので、大正2年は、44歳の頃だ。
この大正2年を、解説の深見けん二は、「虚子は、子規が明治35年に亡くなり、小説や写生文に力を入れ、俳句から遠ざかっていた。その虚子が、同門の河東碧梧桐の新傾向俳句に反旗を翻した年である」と。つまり、自分の立脚点を明らかにし、自らが考える俳句とは何かを表明したものといえる。虚子は後に、虚子門四天王として、村上鬼城、飯田蛇笏、原石鼎、前田普羅、そして、4Sや4Tなど多くの俳人を世に出した。

虚子は、第4章の俳諧略史にあるように「俳句とは芭蕉により縄張りせられ、芭蕉、蕪村、子規により耕耘せられたところの我文芸の一領土であります」で述べている。
緒言にある「小学生にもわかるように」のように目次でその内容がわかる。
第1章「俳句とは17文字の文学であります」「俳句とは芭蕉によって作り上げられた文学であります」「俳句とは主として景色を叙する文学であります」「俳句には必ず季のものを詠みこみます」「俳句に多くの場合切れ字を必要とします」
2章季題
「時候の変化によって起こる現象を俳句にては季のもの、または季題と呼びます」「俳句をつくりには写生を最も必要なる方法とします」「季重なりは俳句において重大な問題ではありません」「俳句の文法といって特別な文法は存在いたしません」
第3章切字
「俳句の切字というものは意味かつ調子の段落をなすものであります」「や・かなは特別の働きを有する切字であります」


大岡 折々のうた 俳句 3/3

2021-09-20 | book
詩人の大岡 信(まこと)が、新聞の一面に、昭和54年1979年から平成19年2007年まで、計6,762回に及ぶ詩歌のコラムを掲載した「折々のうた」。その「折々のうた」から、俳句を600句チョイスし、誕生から現代の名句を600選んで集めた選集(アンソロジー)が、1954年生まれの俳人の長谷川櫂編の「大岡信「折々のうた」選俳句」(一)(二)だ。(二)は2019年令和元年12月刊行。一茶の時代で2人、子規・虚子の時代で47人、楸邨・龍太の時代で47人の俳句を掲載している。巻末の長谷川櫂の「近代俳句は一茶からはじまる」は興味深い。
芭蕉や蕪村の古典主義俳句から、だれでも参加できる近代大衆俳句の誕生という。その最初の一茶の特徴をわかりやすさにあげる。それは日常の言葉で詠まれているからだと。そして第2の特徴を1人の人間の心理が生々しく映し出されていることだと。
次に子規の役割を、「写生」という近代俳句の方法を打ち出したことだという。目の前にあるものを言葉で写せばよいのだ。虚子はさらに客観写生といった。
さらに楸邨・龍太の手法を表現の俳句という。「写生(描写)」は対象を外側から言葉で写すこと。「表現」とは、感じたこと思ったことを言葉で形(俳句)にすることだと。龍太は、表現のために写生があるという。
大岡は、平成19年2007年までコラムを掲載した。大岡は10年後の平成29年2017年に86歳で亡くなる。加藤楸邨の存命は1905年明治35年~1993年平成5年、龍太は1920年大正9年~2007年平成19年だ。龍太が亡くなる年にコラムは終了している。長谷川櫂は楸邨・龍太亡き後の俳句を、批判的精神を失った末期的大衆俳句だという。

また、「折々のうた」に登場した俳句の登場回数一覧がある。一位は与謝蕪村で、72回で断トツ。2位は松尾芭蕉で55回。三位が小林一茶の50回。以下、加藤楸邨39回、炭太祇37回、飯田龍太の33回、7位が高浜虚子の30回、8位は、25回の上島鬼貫、正岡子規、飯田蛇笏、阿波野青畝、山口誓子、森澄雄だ。次の14位は24回が高井几薫と水原秋櫻子、23回が高野素十と石田波郷、20回が向井去来と村上鬼城、19回が内藤丈草と前田普羅、18回が榎本其角、芥川龍之介、中村草田男、17回が、加藤暁台、加舎白雄、夏目漱石、山口青邨、松本たかし、16回が黒柳召波、富安風生、原石鼎、15回が、服部嵐雪、野沢凡兆、橋本多佳子、中村汀女、星野立子だ。


大岡 折々のうた 俳句 2/3

2021-09-19 | book
手元には1987年昭和62年に刊行された続と第6までの「折々のうた」6冊セットがある。第1巻は1980年3月第1刷、87年4月に第16刷。続は1981年2月1刷、87年4月に第12刷。1983年4月刊行の第三は87年4月に第7刷、1984年4月刊行の第四は、87年4月に第6刷、86年3月刊行の第五は、87年5月に第5刷、第六は、1987年4月が1刷だ。

また、「新編 折々のうた」は、1979年昭和54年1月25日から81年昭和56年1月31日までの2年間分をまとめて、4季に分けたものだ。1983年昭和58年3月に1刷、翌4月には2刷だ。