まず最初に。
当ブログ、実は先日の習近平会談でトランプが切った「全く予想外のカード」に感心している。
例の晩餐会の途中で爆撃を開始し、デザート時に習近平 に告げ、彼を絶句させた。
どうみても短い時間の中での判断で、これだけのパンチを繰り出せるとは!
そんな中、2つの方向性で この本(写真:原著の方がカッコいいのでそっちで 笑)を語ろうかと。
それは、
・読み始めて感じた、この本オススメの理由 × 3つ
・読み終わって感じた、この本オススメの理由 × 3つ
ではまず、読み始めて感じた、この本オススメの理由 × 3つ、から。
1.著者は、ピュリッツアー賞を受賞のヒト(マイケル・ダントニオ)
このため記述の信憑性は高いと考えてよさそう。
2. 著者は、トランプサイドから求められた最終原稿チェックを拒否したことで出入り禁止。
取材対象への正しい距離感を保っている点で、好感が持てる。
3. この本の出版タイミングが、トランプが大統領になるかわからない直前のタイミング!
大統領に当選してしまうと書けなくなってしまうようなことも、このタイミングなら…
という× 3つから解るように、ドナルド・トランプ について 忌憚なく取材内容が記述されている。
目次をみていくと...
クロンダイクからブルックリン、クイーンズへ
少年王ドナルド;見習い時代;恐怖都市
ドナルド、ミッドタウンを救う
トランプ、タワーを建てる
セレブへの仲間入り
だまされる者の国のトランプ
運の尽き;トランプ
見世物になる
ニュー・トランプ;トランプ
出馬する
トランプ、テレビショーに出演する
「私の美点の一つは…」
その悪評は海外でも
幼少時代からの父親から受けた影響の元、厳しい教育のあと不動産業界へ。
その環境下でトランプの生きる方向性が固まった。
さて続き、読み終わって感じた、この本オススメの理由 × 3つ
- 不動産業界でのトランプの暗躍ぶりが面白い。
何たってその暗躍の場所がNYなので、有名な場所が次々と登場してくる。
例えば ジャヴィッツ・センター、グランド・セントラル隣のホテル、etc..
(トランプタワーの位置からして、ここは予想できたところかも)
2. 最大のハイライトのひとつは、カジノ破産する一方のテレビ番組「アプレンティス」大成功。
この絶妙なプラスマイナスが一度に起こったという点で、トランプが強運の持ち主だと理解。
ここのくだりが丁寧に取材してあるのに好感が持てた。
またこの番組のキャラは決して正義の味方ではなく、やや悪役っぽい成功者(本人)
だがトランプにとりメディア露出はプラス・マイナスどちらでも「登場する」ことがマル(笑)
この考えに彼が至る経緯が、本の中で何度となく登場するので、とても説得力があった。
3. 本の最後に用意してあるクライマックスが、目次にはない「エピローグ」
タイトルは「ドナルド・トランプ を理解するために」(笑)
30ページに凝縮された、この結論部分だけでも読む価値があると思う。
そしてラスト半ページに凝縮されたメッセージは…
=彼は現在を生きる我々の誇張された姿に過ぎない
結論:(何冊か目を通している中)トランプの本質に最も迫る力作。今年のベスト10入りしそう!