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まずオープニングで驚く。
基本プロットは予想がつく通り、主人公はNYに住む、自由証明書で認められた自由黒人。
地位、名誉、家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、南部に連れて行かれる。
そして奴隷にされてしまう、
のだが、その落差をひとつの対比で象徴的にみせる。
その選んだ「対比」が大胆でぶったまげるのだ。
境遇の差が非常にわかりやすいが、この表現はこの時代ならでは、なのではないかと感じた。
そして南部で待ち構える白人たち。
その面々が凄いだけでなく、それぞれハイレベルの演技を繰り出していて舌を巻いた。
彼らとは、
ポール・ジアマッティ
ベネディクト・カンバーバッチ(いつもの存在感)
ポール・ダノ(新機軸)
マイケル・ファスベンダー(ひと皮むけた!)
ブラッド・ピット(おいしい役 笑)
(出演順)
もちろんは白人役だけでなく、主人公を演じたキウェテル・イジョフォーが素晴らしい。
彼の持っている「気品」がこの物語にリアリティをもたらし、物語へのコミットを深くさせている。
そして忘れてはならないのは、ルピタ・ニョンゴ。
Black is beautiful、を出演者、鑑賞者に強力に痛感させ、それゆえに生ずる不幸が痛々しい...
ということで、当ブログの評価は=アカデミー賞「本命」
ノミネートされているのは、合計 9部門。
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞。
当ブログ的には、
作品賞 =○獲得!
監督賞 =△ 「グラビティ」がここだけしか取れないと予想しているので
主演男優賞 =○△獲得! キウェテル・イジョフォー (ダラス...との一騎打ちか?)
助演男優賞 =○△獲得! マイケル・ファスベンダー (ダラス...との一騎打ちか?)
助演女優賞 =○獲得! ルピタ・ニョンゴ
脚色賞 =○ 「グラビティ」が監督賞しか取れないとして、ここは。
美術賞 =△ ここで、ずば抜けた感じはしなかった
衣装デザイン賞=△ ここで、ずば抜けた感じはしなかった
編集賞 =△ 「グラビティ」がここでも可能性?
当ブログ的には、なぜ音響賞に入ってないんだろう?という感覚。
まず冒頭で恐怖したのは、主人公が連れ去られる蒸気船の船尾で回転してる外輪のノイズ。
ディズニーランドの蒸気船マークトウェイン号しか知らないおめでたい身には、価値観がガラッと180度逆転。
その後の南部の田舎風景の自然音も良く撮れていて、それが演出に
ほっとさせる一方、一転して残酷さを強調するシーンに、その自然音が残酷に響く。
そこにさらに悪意を表現したようなノイズが忍び寄ってきたりして、このようなサウンドプロダクションに痺れた!
最後に。
なぜ「大統領の執事の涙」が全くアカデミーに引っかからなかったかがよく理解できた。
全てにおいて、この映画が勝っているのだ...(汗)
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>全てにおいて、この映画が勝っているのだ...(汗)
同じアメリカの奴隷制度を扱っていて、黒人が主役であるのに、ラッキーにも奴隷から抜け出せた人と、自由黒人だったにも関わらず奴隷となってしまった人との違いということもあるだろうけど、こうも訴えかけてくるものが違うものなんだなあと思いました。
「大統領..」は不運でした...