家の中のライブラリー

2021-01-08 22:49:20 | 福島の家

<撮影:東涌写真事務所 東涌宏和>

コロナ禍の前から、住宅のなかにデスクコーナーを設けることが多くありました。
個室化した書斎というよりも、リビングダイニングから少し距離を置いて、つかず離れずの関係。
ライブラリーというスペース名にすることが多いのですが、大きなデスクを造り付け、本棚も併設し、なるべく作業や勉強に集中できるような空間にしたいと思いながらデザインしています。
特に大事にしたいのは、ここでも居心地の良い窓辺のスペースにしたいということ。
自然光が入り、少しでも緑が見えて、風も抜ける。
人が心地よく過ごすうえで、そのようなことがあたりまえで自然なことだと思います。

写真の「福島の家」では、デスクや本棚に加え、スマホ等の充電スペース、ハンディクリーナーやルンバの充電ステーションや弱電パネルブースを集約して造ってあります。
物事が集約されてわかりやすく整っているのは気持ちがよく使いやすいですし、バリアフリーですね。



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コルトーナの山頂から

2021-01-05 22:11:14 | 旅行記


あけましておめでとうございます。今年もブログにお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。
今年は新年早々から緊急事態宣言が発出される見込みになり、まだまだ当面の間はコロナ禍が続いていくことを予感させられます。
いかに過ごしていくかということを、各々が考え続けていくことになります。

過ごす、ということについては、私たちは多くのエンターテイメントを求めるようになっていますし、エンターテイメントの有り様は加速的に多様化し進化しています。
今さら、エンターテイメントの無いところで過ごせるのでしょうか。

もうずいぶん前のことになりますが、イタリアを旅行したときに心に深く残った光景がありました。
イタリア中部の山岳の町 コルトーナ。その山頂からトスカーナの台地がずうっと見通せました。
おじいさんが自宅の庭の畑を耕し、その傍で愛犬が遊んでいる、そんな日常の平穏な光景。

イタリアではずいぶんいろいろなものを見ました。それこそ史跡や立派な建造物や著名な絵画まで。
あまりにいろいろなものを見過ぎて食傷気味だったのかもしれません。
後で心に残っているのは、意外にもこのコルトーナの平和な眺めでした。
この畑の主のおじいさんにとっては、毎日目にする、あたりまえの光景。

あたりまえのもののなかに、豊かさがある。
いろいろなところで、こんな言葉を目にします。
そんなことを実感できる時がくるのだろうか。
そんなふうに思っていたけど、コロナ禍での「地味な」生活のなかで、そんなことを、すこし感じ取れるようになったかなとも思います。

ドキドキワクワクもいいのだけれど、それとは逆の「あたりまえ」のものごとを、もうひとつ踏み込んで身近に感じてみる。
そんな時間と空間があるといいな、と思います。

コルトーナの平穏な光景は、日常になればなるほど、きっと豊かに感じるのものだろうと思います。
こんな風光明媚な生活環境は望むべくもないけれど、街なかのほんの小さな土地や、マンションの一室のなかにだって、美しく豊かなあたりまえの日常をもたらすことができるんだ。
そんなことを思いながら、一年の仕事をゆっくりスタートさせました。

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