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ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

「教育証言の会」編纂『昭和教育史の証言 』- 14 ( むの たけじ氏の証言 )

2021-01-16 16:26:09 | 徒然の記

 最後の「戦後編」になります。副題が「教師の主体性」とつけられ、4つの章に分かれています。各章のタイトルは以下の通りです。

   1. 戦後教育の総点検 (座談会)

   2. 教師の戦争責任と戦後責任

   3. 高度成長下の差別と疎外

   4. 70年代への視点

 斎藤喜博、無着成恭氏以下、15名の人物が証言を寄せています。各氏の略歴をネットで調べますと、前回同様全員が共産主義者で、なんらかの市民活動に参加しています。

 「戦中編」では、15名の略歴を紹介しましたが、煩雑なので、今回は対象人物を割愛しました。

 詳細な年表を入れると414ページの本で、貴重な資料ですが、書評を終えた後は小学校の「有価物ゴミ」として出します。再生されてダンボールになるのか、トイレットペーパーになるのか知りませんが、これもまた『平家物語』です。

   奢れるものは久しからず

    ただ春の夜の夢の如し

 かく言う「ねこ庭」のブログも、私がいなくなった後で息子の誰かが見つけてくれなければ、パソコンと共に廃棄されます。ダンボールにもトイレットペーパーにも、再生されませんが、大袈裟な「覚悟」はせず、「諦観」という言葉の心境でいます。

 では、最初の証言者を紹介します。

 〈  7.  むの たけじ氏・・ 「 戦争責任を問う結び目と足場 」〉 

 さとみ みのる氏同様、武野 武治という漢字名があるのに、わざわざ読みにくい平仮名にしています。この本に限って言えば、ひらがな表示の人物にろくな人間はいません。さらにこの本に限って言えば、むの氏は、30数名の証言者中最低の人物です。

 これについては後で述べるとし、氏の略歴を紹介します。

    ・大正4年生まれ 平成28年没 101才

    ・東京外語大学卒、ジャーナリスト

    ・昭和15年、朝日新聞入社

    ・昭和20年8月の敗戦を機に、戦意高揚に関与した責任をとり退社

    ・昭和23年元旦、妻子4人を連れ、秋田県に帰郷

    ・翌月から、タブロイド版の週刊新聞『たいまつ』を創刊

    ・反戦の立場から、言論活動を開始」 以後、昭和53年780号で休刊するまで続けた

 責任をとって朝日新聞を退社し、妻子と共に郷里へ引っ込んだと、この潔さを戦後の反日左翼がこぞって賞賛しました。氏が亡くなった時は、多くの新聞が称える記事を掲載し、彼こそがジャーナリストの良心を守った新聞人だと手放しの賞賛でした。

 氏は特派員として中国戦線へ行き、日本の侵略戦争を無批判に肯定し、国民に間違った記事を送ったと反省の弁を述べていました。田舎へ引っ込んだ行為は、個人として立派だと思いましたが、後の行動に疑問が残りました。

 反戦の立場から、週刊新聞『たいまつ』を創刊」し、言論活動を続けたと言います。この姿が私には、前回紹介した伊藤静夫氏の姿と重なります。

 敗戦を機に愛国から反日へ変身し、「心から平和を訴えた」という浅薄な教師だった伊藤氏と、どこが違うのでしょう。

 日本の将軍の中には、敗戦を機に郷里へ戻り戦いに散華した兵たちの冥福を祈り、それで生涯を終えた人物が多くいます。戦意高揚の記事を書いた記者は、将軍の責任に劣らないのですから、本当に反省するのなら祈りの後半生だろうと私は考えます。

 こともあろうに氏は言論活動を開始し、戦争賛成から反対へと真逆の主張を発信し、しかもその論拠がマルクス主義です。

 「私はかって泥棒でしたが、今は大いに反省して警察官になりました。」

 と、氏の行為が、私にはそう見えます。

 11ページも使い意見を述べていますが、無恥と無知の塊のような話です。記者時代の回顧もありますが、何を語っても反省の色がありません。朝日新聞の社長が、「慰安婦問題」の誤報を詫びた姿に似ています。

 朝日新聞の社長の会見は、詫びの気持ちがどこにもなく、言い訳で終始しました。その直後に辞任したので、謝っていたのかと分かったくらいでした。

 そんな氏が、戦時下の教師の責任問題について語るというのです。具体的な中身は次回から紹介しますが、氏を批判しない反日左翼の人間と「お花畑の住民たち」も、「反省の足りない日本の現実」を表しています。

 科学的社会主義の正しさが絶対という、マルクス教信者の画一性と単純さの恐ろしさを、この本ほど教えてくれるものはありません。国論を二分している米国の大統領選挙で、アメリカの人々が苦悩している現実を無視し、バイデン氏側の報道だけを信じている日本人も、この本のに似ています。

 表現が適切でないのかもしれませんが、トランプ氏とバイデン氏の争いは、「狐と狸の化かし合い」です。アメリカが大国であるだけに、世界を巻き込んだ政争になり、日本も無関係でおれません。

 日本のマスコミが全てバイデン側に立ち、バイデン擁護の報道をしているため、国民の判断が歪められています。「ねこ庭」はトランプ氏を擁護しているのでなく、公正でないマスコミ報道を批判しています。

 『戦後教育史の証言』も、米国大統領選挙と似ています。偏った証言を集めた本が国内に溢れたら、国民の判断が歪められます。

 「ねこ庭」の思いを受け止められた方は、次回も「ねこ庭」をご訪問ください。

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Unknown (あやか)
2021-01-16 19:01:52
ついに出ました!、、、、、、、、、、、、むのたけじ!(笑)(苦笑)

私も、このヒトのことは、何度か聞いたことが有ります。
学生時代に古書店で、この人の『たいまつ』とかいう箴言集??を、立ち読みしましたよ。
もちろんパラパラっと、斜め読みした程度です。

むのたけじさんは、もう、故人ですから、死者の批判はしたくありませんが、
まあ、マスコミが言うほど尊敬できる人とは思えませんね。

朝日新聞を辞めてからも、何かおかしな『アカ新聞』を作ってるんですから、
もう、『いやはや、、、、、、』というしかないですわ。!

むのたけじさんが、自分の生き方に、それなりに、こころざしを果たしたと思っていらっしゃるなら、
別に言うことは有りませんが、
ただ、ああいう人を、
ちやほやするのは、見当違いだと思いますね。
むのさんは、ジャ-ナリストではありません!
返信する
無節操 (onecat01)
2021-01-16 19:54:02
 あやかさん。

 1. 「転向」・・愛国者から左翼へ変わった人間

 2. 「逆転向・・左翼から愛国者へ変わった人間
   「逆転向」は、「本家帰り」とも言う。

 私の読んだ本では、こんな説明でした。むの氏は、愛国者でなく、売れる記事を書くだけの新聞記者でしたから、1. には該当しません。

 氏を表現する日本語は、品位のある言葉がなく、「変節漢」あるいは「無節操」しかありません。

 「死者に鞭打ちたくない気持ち」は、私も同じです。しかし氏が残した「たわごと」については、キチンと反論しなくては、子や孫のためになりませんので、もう少し続けます。

 ご容赦ください。
返信する
訃報に接した事から・・ (HAKASE(jnkt32))
2021-01-17 01:08:56
昨夜の拙記事へのご見解、有難うございます。

かねて思っていた事ですが、対政府与党批判に際し、
野党とマスコミは 大流行中の新型感染症が「未知の
ウィルスによるもの」である事を踏まえなさ過ぎると
思います。「初めに批判ありき」のせいで忘れている
、或いは「貶めを優先する」目的で意図的に避けている
のかも知れません。後者なら、誠に性悪な事です。

今回の貴連載もまだざっと見レベルで恐縮ですが、
著述家・むの たけじさんの記憶は 数年前某紙に
訃報が載ったのを見た事で、拙記憶にもありまして。

人としての弔意を示す一方、訃報にも 今回貴記事の
様な文面が認められたのを覚えています。ともすれば
左派容共勢力に利用され易い、反戦平和志向の文筆
活動に終始した辺りは「流石はあの 朝日新聞OBだわ」
とも思ったものでした。

公正とバランスを弁えた読解力を持つ努力をしない
、新聞や TVなどのブランドだけで見聞きする様な
向きは、往々にしてむのさんの様な人物の言動も真に
受け、結果として道を誤る様な失態も犯すのではと
心得ます。その様にはなりたくないと、拙者などは
思う所です。遅くに失礼致しました。
返信する
バランスを弁えた読解力 (onecat01)
2021-01-17 12:51:22
 HAKASEさん。

 「バランスを弁えた読解力」は、努力なしに得られるものではないようです。

 自分でも、それができているのか、本当は自信がありません。おそらく、両方の意見を聞く、双方の事実を比較検討する、という習慣の中から生まれるのでしょうね。

 しかしそれは、もしかすると、努力なしで、私たち日本人の中にあるDNAかもしれません。ご先祖たちは、異国の様々な意見を知った上で、日本に適するものだけを選び、受け入れました。

 一神教から生まれた神や、学問や、思想を、バランスよく取捨選択しました。これこそが、「生きる知恵」でないかと、そんな気がしてなりません。

 私は現在、「反日左翼嫌い」ですが、「憲法改正」が終わり、「女系天皇や女性宮家」の亡国論が収まったら、今度は「過激な保守」への警報を鳴らすのでないかと思います。

 これは変節でなく、ご先祖様から頂いた「バランス感覚」だと思います。「過激なものの中に、真実はない」・・・きっと、こういうことなのでしょう。

 いつもながら、真摯なコメントに感謝いたします。
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