ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

憲法九条を巡る議論 ( 専修大学・岡田憲治教授 )

2018-06-08 21:07:41 | 徒然の記

 5月31日の千葉日報に、「憲法九条を巡る議論」と題して、専修大学教授の岡田憲治氏の意見が掲載されました。

 「決済文書を改ざんした、政府の長である安倍晋三首相は、依然として改憲に執着している。」

 こういう書き出しで始まりますので、左翼系の教授だと分かりましたが、読むほどに、分かりにくくなる意見が展開されていきます。先ず氏は、九条をどう考えるかという視点から、国民を大きく四つに分類します。

  1. 原理主義者 ・・ 非武装中立を目指す、とする者

  2. 解釈護憲派 ・・ 憲法は最小限の防衛力のみを認めている、とする者 

  3. 解釈改憲派 ・・ 集団的自衛権を認めている、とする者

  4. 明文改憲派 ・・ 自衛隊を憲法に位置付けよう、とする者

  氏は更に、4番目の明文改憲派を、四つに細分します。

  (1) 反憲派 ・・ 国家権力を縛る憲法という世界の常識を否定し、国民も憲法

           で縛れという者

  (2) 自憲派 ・・ 恥ずべき占領軍による押しつけ憲法に代わる、自主憲法を、

                            と説く者

  (3) 修憲派 ・・ 立憲主義強化のための改憲を、と主張する者

  (4) 気憲派 ・・ そろそろ改憲で良くね ? 、という気分になっている者

  こうした様々な派に分かれた国民が、混在し、複雑な体をなしていると言い、旧軍復活も辞さないという、復古主義者は少数派であると説明します。

  私は先ず、ここでひっかかりました。他国と同様に、国を守る軍隊は持つべきと考える私は、氏の分類によれば、果たして、(2)の自憲派なのか、それとも、旧軍復活も辞さないという、復古主義者の少数派なのか。

 どちらであれ、氏はいずれの派も頭から否定し、疑問視し、蔑視していますから、不愉快な気持になります。ここでいつものように、氏の経歴を紹介します。

  「昭和37年生まれで、今年56才。」「早稲田大学を卒業、現在は専修大学教授」

「政治学者」「愛読雑誌 朝日ジャーナル」

 氏の左系を示唆するのは、愛読雑誌が、朝日ジャーナルというところでしょうか。経歴から詳しく分かりませんが、先へ進みます。

 九条を死守する反日左翼の人間を語るとき、憲法は神様のお札ではない。有り難がって、拝むものではないと、私は皮肉を言いますが、氏は似た表現を使い、私を含め現在の日本人を批判します。

  「このマップに散在する、根強い心の習慣がある。」

 このあたりから、知的な大学教授らしい変な理屈が始まります。マップという言葉が、突然出てきますが、文脈から推察しますと、沢山の派に分かれた国民の分布図という、意味なのでしょうか。

 「ときに民意すら抑制する、憲法の機能こそ論ずるべきなのを、」「憲法の実在認識で終わりにする、フェティシズム(物神崇拝)という心の習慣だ。」

 何のことなのか、よく分かりませんが、氏の言葉で言えばそうなるのでしょう。

 「法とは、社会関係を制御・統合する手段にすぎないのに、無自覚のうちに、神のごとく扱う。」「戦後72年間の不戦には、幾百もの要因があるのに、あの条文こそが平和を守ったと信じ、とにかく条文護持をと、唱えたり、」

 「逆に国柄の喪失は、外国憲法に起因すると妄想し、押しつけでなければなんでも良い、と説いたりする者に共通するのは、物神化された憲法観である。」

 「しかし断言する。憲法は、神棚にはないと。護憲とは、あの条文を守ることでなく、憲法規範の整備をすることだ。」

 ここを読みますと、氏は護憲派も改憲派も批判しているように受け取れます。

 「軍事組織の暴走を防ぐには、実態を前提に、管理・抑制するしか無い。自衛隊は、もはや世界有数の戦力だが、これを最小戦力と呼び変え、解釈改憲を放置するのは、憲法は軍事組織を想定していない、という論理を内包することとなる。」

 「国際社会は、自衛隊を戦力と端的に認知しており、戦力にあらずという説明は、英訳した、瞬間に崩れる。」

 だからこそ、私は自衛隊を軍隊とするため、憲法の改正を思うのだが、氏は違う思考をします。

 「わが軍には集団的自衛権を認めないと、解釈の余地の無い修正を、きちんとしてこなかった結果だ。」

 あくまでも氏は、集団的自衛権を認めず、専守防衛の自衛権しか認めようとしていません。氏が強調しているのは、安倍政権がしているように、解釈で集団的自衛権を認めるようなことをさせないための、憲法修正です。

 氏の意見は、私から見れば修正でなく、改悪でしかありません。こういう憲法にしてしまったら、他国が不意に攻めてきたとき、先手を打って反撃できなくなります。敵基地が攻撃できないとしたら、日本は滅亡します。

 現在の敵国は、中国であるのかもしれませんが、変転極まりない国際社会では、いつまたロシアが敵対してくるのか、アメリカが機嫌を損ね対立してくるのか、危機は常に存在しています。こうした国際情勢を考慮せず、ひたすら日本だけを縛ろうとする氏の思考は、どこから生まれてくるのか不思議でなりません。

  紙面の半分を占める、記事ですから、私の批評もやっと半分です。続けて書くと、長くなりますし、訪問される方も退屈されるはずですから、一息入れたいと思います。

 氏によりますと、私のような改憲派は、少数しかおらず、護憲派が国民の多数を占めているという説明ですから、私は退屈しません。退屈するより、うんざりしています。叩いても、叩いても出てくる、ゲームセンターのモグラのように、このようなバカな教授が、日本には何人いるのかと呆れるからです。

 次回は岡田教授の高説を、うんざりしつつ、危機感を抱きながら、ご報告したいと思います。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 汚辱の近現代史 - 4 ( 藤岡... | トップ | 憲法九条を巡る議論 - 2 (... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
悪意丸出しの「学者」 (成田あいる)
2018-06-08 23:08:14
一連の「もりかけ」は、佐川前長官らを不起訴としたことで終息したと思っていましたが。。。
野党もマスコミ(特に朝日)も、これでもかこれでもかと言わんばかりにぶつけてきます。
野党は仮に安倍総理が辞任しても、「説明責任から逃げた」などと言って引き続き自民党をも批判し続けるでしょう。

それはさて置き、「決済文書を改ざんした」「改憲に執着している」とは、実に嫌味たっぷりで悪意丸出しの書き方です。
「安倍総理=改ざん」、「政治家=ズル」とは、マスコミが植えつけた国民に染みついたイメージのようです。
マスコミや「左巻き」の人達は、改憲と言えば「復古主義者」のそれをイメージしているようです。
いや、「安倍総理は戦争をしたがっている、そのために改憲が必要」と言わんばかりです。

それでも「放送法改正」がポシャってしまった今、「憲法改正」が安倍総理に対する「最後の望み」であり、安倍総理の「最後の砦」のように感じます。
そして、「改憲」を支持している大部分の方たちは、「4. 明文改憲派」の「(2) 自憲派」だと感じます。
決して、「復古主義者」ではないと思います。

岡田憲治氏が愛読していた『朝日ジャーナル』と言えば、「ソ連」や「ベルリンの壁」と運命を合わせるかのように潰えた、いわば「冷戦時代」の「遺物」のような雑誌です。
このあたりに、岡田氏の「思想」を伺えます。
それにしても先日の倉橋耕平氏と言い、今回の岡田憲治氏と言い、いろんな人を知ることが出来るのでこのブログは勉強になります。
獅子身中の虫 (onecat01)
2018-06-09 11:56:32
成田あいるさん。

 今日わ。すっかり、ご返事が遅れてしまいました。
この悪意丸出しの学者に対する、あなたのコメントとに、どうお答えすれば良いのだろうかと、考えあぐねたためです。

 敗戦後の73年間で、東大を頂点とする、現憲法の護持を第一とした、反日・左翼の学界の秩序がこれです。

 岡田氏もこの秩序の中に生息する、一匹の虫に過ぎませんが、いかんせん、数が多すぎます。こうして彼らは、教授とか、有識者とか言われ、日々悪臭の漂う主張を、世間に拡散しています。

 かれらこそが、「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」なのです。敗戦後73年かけて、育っていますから、これらの駆除には、時間と金がかかります。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

徒然の記」カテゴリの最新記事