5月31日の千葉日報に、「憲法九条を巡る議論」と題して、専修大学教授の岡田憲治氏の意見が掲載されました。
・決済文書を改ざんした、政府の長である安倍晋三首相は、依然として改憲に執着している。
こういう書き出しで始まりますので、反日左翼教授と分かりますが、読むほどに、分かりにくくなる意見が展開されていきます。先ず氏は、九条をどう考えるかという視点から、国民を大きく4つに分類します。
1. 原理主義者 ・・ 非武装中立を目指す、とする者
2. 解釈護憲派 ・・ 憲法は最小限の防衛力のみを認めている、とする者
3. 解釈改憲派 ・・ 集団的自衛権を認めている、とする者
4. 明文改憲派 ・・ 自衛隊を憲法に位置付けよう、とする者
氏は更に、4番目の「明文改憲派」を、四つに細分します。
(1) 反憲派 ・・ 国家権力を縛る憲法という世界の常識を否定し、国民も憲法
で縛れという者
(2) 自憲派 ・・ 恥ずべき占領軍による押しつけ憲法に代わる、自主憲法を、
と説く者
(3) 修憲派 ・・ 立憲主義強化のための改憲を、と主張する者
(4) 気憲派 ・・ そろそろ改憲で良くね ? 、という気分になっている者
分類した後で、氏が説明します。
・こうした様々な派に分かれた国民が、混在し、複雑な体をなしている。
・旧軍復活も辞さないという、復古主義者は少数派である。
学問の形をとりながら、自分の間違った考えを主張する悪質な学者の典型的な例として、氏の意見を読みました。前提となる意見の導入部から、読者を自分の偏見へ誘っているという分かりやすい構成になっています。
「日本国憲法」は、「前文」「第一章天皇」「第二章安全保障」「第三章国民の権利及び義務」と全部で十一章からなっています。
学者として「憲法改正問題」を語るのなら、その一部である「九条」だけを取り上げるのは間違いです。氏は最初から、憲法問題を狭い範囲で捉え、国民を騙す論理の準備をしています。
その次に大きな間違い、と言うより、朝日新聞の「慰安婦問題」の大嘘に匹敵する説明が、(1) 反憲派の定義です。
国家権力を縛る憲法という世界の常識を否定し、国民も憲法で縛れという者
「憲法が国家権力を縛るという世界の常識」は、世界のどこにもありません。反日左翼学者は誰もがこの理屈を述べ、「九条」の改正に反対し、自衛のための軍再建の反対根拠にします。
しかしこの常識は、GHQに協力した「変節学者」たちが、亡国の「日本国憲法」を正当化するために考え出した苦肉の「解釈」に過ぎません。当時日本最高の知的権威と言われた「東京大学左翼学者たち」の「屁理屈」を、忠実に守っているのが岡田教授です。
氏のいう「屁理屈」が世界の常識なら、世界の国々は「軍」を持たないことになりますが、「自衛のための軍」を持たないのは日本だけです。
1. 論点を「九条」だけに狭く限定している。
2. 「世界の常識」でない定義を、常識であるように説明している。
私は先ず、この2点からひっかかりました。氏の記事の中身を読む前に、国民の常識として氏の意見の矛盾が見えます。
千葉日報がどうしてこのような学者の支離滅裂な意見に、紙面の半分を提供しているのか。「安倍総理の憲法改正反対」の大手マスコミ・キャンペーンへの協力だとしても、やり過ぎではないでしょうか。
その次に私が、岡田氏の意見の粗雑さを見たのは、九条をどう考えるかという視点で、国民を大きく4つに分類したところです。4つに分類した中で、最後の4項目をさらに4つに分けていますから、合計すると8つの分類になります。
細分化すると、客観的な検討をしているように見えますが、氏の区分は事実を曖昧にして、自分の意見を補強するための前作業でしかありません。最もらしい分類をしてみせますが、氏の結論はすでに「記事の最初の言葉」にあります。
・こうした様々な派に分かれた国民が、混在し、複雑な体をなしている。
・旧軍復活も辞さないという、復古主義者は少数派である。
たくさん分類をして見せ、分類の数を増やし、その中で「改憲論者」の数が少ないと、そう言いたいための工夫にすぎません。
・ときに民意すら抑制する、憲法の機能こそ論ずるべきなのを、憲法の実在認識で終わりにする、フェティシズム(物神崇拝)という心の習慣だ。
何のことなのか、よく分かりませんが、氏の言葉で言えばそうなるのでしょう。
・法とは、社会関係を制御・統合する手段にすぎないのに、無自覚のうちに、神のごとく扱う。
・戦後72年間の不戦には、幾百もの要因があるのに、あの条文こそが平和を守ったと信じ、とにかく条文護持をと唱えたり、
・逆に国柄の喪失は、外国憲法に起因すると妄想し、押しつけでなければなんでも良いと説いたりする者に共通するのは、物神化された憲法観である。
・しかし断言する。憲法は神棚にはないと。護憲とは、あの条文を守ることでなく、憲法規範の整備をすることだ。
ここを読みますと、氏は護憲派も改憲派も批判しているように受け取れます。真面目な読者は混乱させられますが、もともと混乱した思考の氏は矛盾を知らない「専門バカ」です。
・軍事組織の暴走を防ぐには、実態を前提に管理・抑制するしか無い。
・自衛隊はもはや世界有数の戦力だが、これを最小戦力と呼び変え、解釈改憲を放置するのは、憲法は軍事組織を想定していないという論理を内包することとなる。
・国際社会は、自衛隊を戦力と端的に認知しており、戦力にあらずという説明は、英訳した瞬間に崩れる。
だから私は、自衛隊を軍隊として正しく位置づける「憲法改正」を考えるのですが、氏は違う思考をします。
・わが軍には集団的自衛権を認めないと、解釈の余地の無い修正をきちんとしてこなかった結果だ。
あくまでも氏は、集団的自衛権を認めず、専守防衛の自衛権しか認めようとしていません。氏が強調しているのは、安倍政権がする「解釈での集団的自衛権」を認めさせないための、「憲法修正」です。
こういう憲法にしますと、他国が不意に攻めてきたとき、先手を打った反撃ができなくなります。ミサイルを発射する敵基地攻撃ができないとしたら、日本は滅亡します。
国際情勢の危機を考慮せず、ひたすら日本だけを縛ろうとする氏の思考は、どこから生まれてくるのか不思議でなりません。叩いても出てくる「モグラ叩きゲーム」のモグラのように、このようなバカな教授が日本には何人いるのでしょう。
紙面の半分を占める記事なので、私の紹介もやっと半分です。続けて書くと、息子たちも訪問される方々も退屈でしょうから、一息入れたいと思います。
野党もマスコミ(特に朝日)も、これでもかこれでもかと言わんばかりにぶつけてきます。
野党は仮に安倍総理が辞任しても、「説明責任から逃げた」などと言って引き続き自民党をも批判し続けるでしょう。
それはさて置き、「決済文書を改ざんした」「改憲に執着している」とは、実に嫌味たっぷりで悪意丸出しの書き方です。
「安倍総理=改ざん」、「政治家=ズル」とは、マスコミが植えつけた国民に染みついたイメージのようです。
マスコミや「左巻き」の人達は、改憲と言えば「復古主義者」のそれをイメージしているようです。
いや、「安倍総理は戦争をしたがっている、そのために改憲が必要」と言わんばかりです。
それでも「放送法改正」がポシャってしまった今、「憲法改正」が安倍総理に対する「最後の望み」であり、安倍総理の「最後の砦」のように感じます。
そして、「改憲」を支持している大部分の方たちは、「4. 明文改憲派」の「(2) 自憲派」だと感じます。
決して、「復古主義者」ではないと思います。
岡田憲治氏が愛読していた『朝日ジャーナル』と言えば、「ソ連」や「ベルリンの壁」と運命を合わせるかのように潰えた、いわば「冷戦時代」の「遺物」のような雑誌です。
このあたりに、岡田氏の「思想」を伺えます。
それにしても先日の倉橋耕平氏と言い、今回の岡田憲治氏と言い、いろんな人を知ることが出来るのでこのブログは勉強になります。
今日わ。すっかり、ご返事が遅れてしまいました。
この悪意丸出しの学者に対する、あなたのコメントとに、どうお答えすれば良いのだろうかと、考えあぐねたためです。
敗戦後の73年間で、東大を頂点とする、現憲法の護持を第一とした、反日・左翼の学界の秩序がこれです。
岡田氏もこの秩序の中に生息する、一匹の虫に過ぎませんが、いかんせん、数が多すぎます。こうして彼らは、教授とか、有識者とか言われ、日々悪臭の漂う主張を、世間に拡散しています。
かれらこそが、「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」なのです。敗戦後73年かけて、育っていますから、これらの駆除には、時間と金がかかります。