市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…高専機構が校長選考情報を開示!黒塗りだらけ情報が物語ること

2018-06-23 22:41:00 | 群馬高専アカハラ問題
■山崎校長・猿田部長ら群馬高専現幹部と高専機構の奮闘の甲斐あって、群馬高専に消えぬ傷跡を残したまま満額の退職金を抱えて逃亡していった西尾典眞前校長。彼のような教育者としての資質に問題のある文科省天下り官僚を、校長という重職に容易に据えてしまったうえ、校長交代&西尾逃亡劇を極めて不透明かつ隠密裏に行うことを可能にした、高専機構による各高専の学校長選考について、その実態を知るべく当会では5月はじめに高専機構宛に情報開示請求書を提出していました。その内容とこれまでの経緯については以下の記事をご覧ください。
○2018年5月2日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…西尾前校長の選考~退職と現校長への交代劇に関し機構へ開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2626.html

機構から届いた開示通知書が同封された封筒。

■その後、機構からの開示通知を待っていたところ、6月7日付の以下の内容の法人文書開示決定通知書(部分開示)と法人文書不開示決定通知書が、6月11日になって郵送されてきました。

*****開示決定通知書*****PDF ⇒ img_20180611_0020jm.pdf
<P1>
様式2
                    30高機総第31-1号
                      平成30年6月7日
         法人文書開示決定通知書
市民オンブズマン群馬
  代表者  小川  賢  様
                 独立行政法人国立高等専門学校機構
 平成30年4月25日付けで請求のありました法人文書の開示について、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づき、下記のとおり開示することとしましたので通知します。
               記
1 開示する法人文書の名称
  別紙のとおり
2 不開示とした部分とその理由
  別紙のとおり

※ この決定に不服がある場合は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定により、この決定があつたことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構に対して審査請求をすることができます(なお、決定があったことを知った日から起算して3か月以内であっても、決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には審査請求をすることができなくなります。)。
 また、この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定により、この決定があつたことを知った日から6か月以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構を被告として、同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます。(なお、決定があったことを知った日から6か月以内であつても、決定の日から1年を経過した場合には処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)
3 開示の実施の方法等
(1)開示の実施の方法等(*裏面(又は同封)の説明事項をお読みください。)

<P2>
●法人文書の種類・数量等:
1-1から1-20 各1枚 計20枚
2-1から2-9  各1枚 計 4枚
3-1             2枚
3-2             1枚
3-3             2枚
3-4             1枚
3-5             2枚
3-6             2枚
6-1             1枚
6-2             2枚
6-3             2枚
●開示の実施の方法:
 1 閲覧
   〇開示実施手数料の額(算定基準):
     無料 100枚までにつき100円(40枚=100円)    0円
   〇法人文書全体について開示の実施を受けた場合の基本額:100円
 2 複写機により用紙に白黒で複写したものの交付
   〇開示実施手数料の額(算定基準):
     無料 用紙1枚につき10円((40枚×10円)-5,400円) 0円
   〇法人文書全体について開示の実施を受けた場合の基本額:320円

(2)文書を保有する各国立高等専門学校における開示を実施することができる日 時、場所
    日時:平成30年6月12日(火)~6月26日(火)の平日
       8時30分~17時00分
    場所:独立行政法人国立高等専門学校機構 本部事務局総務課

(3)写しの送付を希望する場合の準備日数、郵送料(見込み額)
    準備日数:7日、郵送料:250円(普通郵便)

          担当窓口
            独立行政法人国立高等専門学校機構
            (学校名)本部事務局
            (担当課・係名)総務課・総務係
            (住所)〒193-0834東京都八王子市東浅川町701-2
            (TEL)042-662-3120
            (FAX)042-662-3131

<P4>
             〈説明事項〉
1 「開示の実施の方法等」の選択について
 開示の実施の方法等については、この通知書を受け取つた日から30日以内に、同封した「法人文書の開示の実施方法等申出書」に所要の開示実施手数料を納付して、申出を行ってください。
 開示の実施の方法は、3(1)「開示の実施の方法等」に記載されている方法から自由に選択できます。必要な部分のみの開示を受けること(例えば、100頁ある文書について冒頭の10頁のみ閲覧する等)や部分ごとに異なる方法を選択すること(冒頭の10頁は「写しの交付」を受け、残りは閲覧する等)もできます。一旦、閲覧をした上で、後に必要な部分の写しの交付を受けることもできます(ただし、その場合は、最初に閲覧を受けた日から30日以内に、別途「法人文書の更なる開示の申出書」を提出していただく必要があります。)。
 機構における開示の実施を選択される場合は、3(2)「独立行政法人国立高等専門学校機構における開示を実施することができる日時、場所」に記載されている日時から、ご希望の日時を選択してください。記載された日時に都合がよいものがない場合は、お手数ですが、「担当窓口」に記載した担当までご連絡ください。なお、開示の実施の準備を行う必要がありますので、「法人文書の開示の 実施方法等申出書」は開示を受ける希望日の7日前には、当方に届くようにご提出願います。
 また、写しの送付を希望される場合は、「法人文書の開示の実施方法等申出書」にその旨を記載してください。
 なお、この場合は、開示実施手数料のほかに、郵送料(郵便切手)が必要になります。

2 開示実施手数料の算定について
(1)手数料額の計算方法
 開示実施手数料は、選択された開示の実施の方法に応じて、定められた算定方法に従って基本額(複数の実施の方法を選択した場合はそれぞれの合算額)を計算し、その額が300円までは無料、300円を超える場合は当該額から300円を差し引いた額となります。
(例)
 150頁ある法人文書を閲覧する場合 :
   100枚ごとにつき100円 → 基本額200円 → 手数料は無料
 150頁ある法人文書の写しの交付を受ける場合 :
   用紙1枚につき20円 → 基本額3000円 → 手数料は2700円
 150頁ある法人文書のうち100頁を閲覧し、10頁について写しの交付を受ける場合(残りの40頁は開示をうけない):
   閲覧に係る基本額100円 + 写しの交付に係る基本額200円 = 計300円 → 手数料は無料
(2)手数料の減免
 生活保護を受けているなど経済的困難により手数料を納付する資力がないと認められる方については開示請求1件につき2000円を限度として、手数料の減額又は免除を受けることができます。減額又は免除を受けたい方は、「開示実施手数料の減額(免除)申請書」を提出してください。
(3)手数料の納付
 納付方法は、次の2通りあります。
①現金により、所定の窓口で納付してください。
 ②指定の銀行に開示手数料を納付の上、振込を確認できる書類を「法人文書開示請求書」に添付して提出してください。なお、振込手数料は、請求者でご負担願います。

3 不開示部分に係る審査請求等
 開示しないこととされた部分について、不服がある場合には、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定により、この決定があつたことを知った日の翌日から起算して3か月以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構に対して審査請求をすることができます(なお、決定があつたことを知った日の翌日から起算して3か月以内であっても、決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には審査請求をすることができなくなります。)。

4 開示の実施について
 機構における開示の実施を選択され、その旨「法人文書の開示の実施方法等申出書」により申し出られた場合は、開示を受ける当日、事務室に来られる際に、本通知書をご持参ください。

5 担当窓口
 開示の実施の方法等、開示実施手数料の算定・納付方法、審査請求の方法等について、ご不明な点等ございましたら、本欄に記載した担当までお問い合わせください。

=====別紙=====
1 開示する法人文書の名称
1)平成16~29年度の各年における、学校長選考候補者および学校長選考通過者(校長就任内定者)について、その人数、および推薦機関と当時の年齢が把握可能な一切の情報(選考候補者・内定者名簿等)。
 1-1  平成17年度「国立高等専門学校長の人事について」
 1-2  平成18年度「国立高等専門学校長の人事について―平成18年4月―」
 1-3  平成19年度「国立高等専門学校長の人事について―平成19年4月―」
 1-4  平成20年度「国立高等専門学校長の人事について―平成20年4月―」
 1-5  平成21年度「国立高等専門学校長の人事について―平成21年4月―」
 1-6  平成22年度「国立高等専門学校長の人事について―平成22年4月―」
 1-7  平成23年度「国立高等専門学校長の人事について―平成23年4月―」
 1-8  平成24年度「国立高等専門学校長の人事について―平成24年4月―」
 1-9  平成15年度「国立高等専門学校長の人事について―平成25年4月―」
 1-10 平成26年度「国立高等専門学校長の人事について―平成26年4月―」
 1-11 平成27年度「国立高等専門学校長の人事について―平成27年4月―」
 1-12 平成28年度「国立高等専門学校長の人事について―平成28年4月―」
 1-13 平成28年度「国立高等専門学校長の人事について―平成29年4月―」
 1-14 平成23年4月1日付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-15 平成24年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-16 平成25年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-17 平成26年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-18 平成27年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-19 平成28年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-20 平成29年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧

2)平成25年度学校長就任者に係る選考(平成24年度実施分)、および平成29年 度学校長就任者に係る選考(平成28年度実施分)に関して、選考委員すべての氏名および肩書。また、当該選考に関し、そのスケジュール(特に、書類審査と面接審査が行われた期間や日時)と 、面接審査が行われた会場が把握可能な情報。
(平成24年度実施分)
 2-1  国立高等専門学校機構校長選考委員会委員名簿
 2-2  第1回校長選考委員会議事要旨
 2-4  第2回校長選考委員会議事要旨
 2-5  第3回校長選考委員会議事要旨
(平成28度実施分)
 2-5  国立高等専門学校機構校長選考委員会委員
 2-6  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第1回)議事要旨
 2-7  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第2回)議事要旨
 2-8  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第3回)議事要旨
 2-9  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第4回)議事要旨

3)群馬高専前校長の西尾典員氏が平成24年度に校長審査を受けた際に貴法人に提出された、当該人物に係る文部科学省からの推薦書、および当該人物の経歴、実績、校長に就任した際の考えに係る書類。ならびに、群馬高専現校長の山崎誠氏が平成28年度に校長審査を受けた際に貴法人に提出された、当該人物に係る長岡高専からの推薦書、および当該人物の経歴、実績、校長に就任した際の考えに係る書類。
(西尾典眞氏)
 3-1  推薦理由書
 3-2  略歴
 3-3  校長就任に際しての抱負
(山崎誠氏)
 3-4  国立高等専門学校長登用候補者推薦書
 3-5  国立高等専門学校長登用候補者調書
 3-6  校長としてのビジョン

4)群馬高専前校長の西尾典員氏及び群馬高専現校長の山崎誠氏に係る校長選考に関して、書類審査および面接審査において選考委員あるいは選考委員会が作成・記述・記点した評価シート等の一切の文書。また、選考委員会が両名を校長内定者とした理由がわかる文書。
(平成24年度実施分)
 2-2  第1回校長選考委員会議事要旨
2-3  第2回校長選考委員会議事要旨
 2-4  第3回校長選考委員会議事要旨
 3-1  推薦理由書
 
3-2  略歴
 3-3  校長就任に際しての抱負
(平成28年度実施分)
 2-6  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第1回)議事要旨
 2-7  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第2回)議事要旨
 2-8  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第3回)議事要旨
 2-9  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第4回)議事要旨
 3-4  国立高等専門学校長登用候補者推薦書
 3-5  国立高等専門学校長登用候補者調書
 3-6  校長としてのビジョン

5)平成28年度末に群馬高専校長(当時)の西尾典眞氏が退職したことについて、当該人物が退職を理事長に届け出た際の文書。または、出向元機関である文部科学省が、当該人物の出向終了や退職について言及した一切の文書。その他、退職予定者リスト等、当該人物がはじめて退職予定者となった月日がわかる一切の情報。
 5-1  辞職願
   なお、出向元機関である文部科学省が、当該人物の出向終了や退職について言及した一切の文書は不存在。

6)教職員が各高専あるいは高専機構本部に就職する際に、貴法人との間に交わされる労働契約書・雇用契約書等の書式 (テンプレート)。加えて、群馬高専前校長の西尾典眞氏および現校長の山崎誠氏に係る労働契約書・雇用契約書等。
 6-1  労働条件通知書様式
 6-2  労働条件通知書(西尾典眞氏)
 6-3  労働条件通知書(山崎誠氏)

2 不開示とした部分とその理由
1)平成16年度校長就任内定者については、文書は作成しておらず、不存在のため不開示。
2)下記1-14から1-20については、部分開示
 1-14 平成23年4月1日付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-15 平成24年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-16 平成25年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-17 平成26年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-18 平成27年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-19 平成28年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
 1-20 平成29年4月付け国立高等専門学校長候補者一覧
  不開示部分:標題以外の部分
  不開示理由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障を 及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当

 2-1  国立高等専門学校機構校長選考委員会委員名簿
不開示部分:外部委員の氏名及び所属・職名
理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-2  第1回校長選考委員会議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-3  第2回校長選考委員会議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-4  第3回校長選考委員会議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-5  国立高等専門学校機構校長選考委員会委員
  不開示部分:外部委員の氏名及び所属・職名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-6  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第1回)議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名、第一選考通過者の所属及び氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-7  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第2回)議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名、平成29年度4月付け国立高等専門学校長候補者(面接)の所属、氏名及び選考の検討に関する記述
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-8  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第3回)議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名、平成29年度4月付け国立高等専門学校長候補者(面接)の所属及び氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 2-9  平成28年度独立行政法人国立高等専門学校機構校長選考委員会(第4回)議事要旨
  不開示部分:外部委員の氏名、平成30年度4月付け国立高等専門学校長候補者(書面審査及び面接審査)の所属及び氏名
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-1  推薦理由書
  不開示部分:推薦理由に関する記述
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-2  略歴
  不開示部分:肖像写真
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-3  校長就任に際しての抱負
  不開示部分:記載内容に関する指示及び本文
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-4  国立高等専門学校長登用候補者推薦書
  不開示部分:推薦理由に関する記述
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障 を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
  不開示部分:印影
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-5  国立高等専門学校長登用候補者調書
  不開示部分:標題以外の部分
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、かつ人事管理に関する情報であつて、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 3-6  校長としてのビジョン
  不開示部分:記載内容に関する指示及び本文
  理   由:人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 5-1  辞職願
  不開示部分:辞職理由、印影
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 6-2  労働条件通知書(西尾典眞氏)
  不開示部分:本給月額、本給表・級・号給
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当
 6-3  労働条件通知書(山崎誠氏)
  不開示部分:本給月額、本給表・級・号給
  理   由:個人に関する情報であって、公にすることにより、個人の権利利益 を害するおそれがあるものであり、法第5条第一号に該当すると認められ、また、法第5条第一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相当

=====不開示決定通知書=====PDF ⇒ img_20180611_0020jm.pdf
様式3
                      30高機総第31-2号
                       平成30年6月7日
          法人文書不開示決定通知書
市民オンブズマン群馬
  代表者  小川  賢  様
                 独立行政法人国立高等専門学校機構
 平成30年5月1日付けで請求のありました法人文書の開示について、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第2項の規定に基づき,下記のとおり 開示しないことと決定しましたので通知します。
               記
1 不開示決定した法人文書の名称
1)平成16~29年度の各年における、学校長選考候補者および学校長選考通過者(校長就任内定者)について、その人数、および推薦機関と当時の年齢が把握可能な一切の情報(選考候補者・内定者名簿等)。
 1-21 推薦提出書類(平成17年4月就任分)
 1-22 推薦提出書類(平成18年4月就任分)
 1-23 推薦提出書類(平成19年4月就任分)
 1-24 推薦提出書類(平成20年4月就任分)
 1-25 推薦提出書類(平成21年4月就任分)
 1-26 推薦提出書類(平成22年4月就任分)

2 不開示とした理由
 人事管理に関する情報であって、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ があるものであるため、法第5条第四号ヘに該当すると認められ、また、法第5条第 一号ただし書き及び第二号ただし書きに該当するとは言えず、不開示とすることが相 当

※ この決定に不服がある場合は,行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定により, この決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に,独立行政法人国立高等専門学校機構に対して審査請求をすることができます(なお,決定があったことを知った日から起算して3か月以内であっても,決定があった日の翌日から起算して1年を経過した場合には審査請求をすることができなくなります。)。
 また,この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は,行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定により,この決定があったことを知った日から6か月以内に,独立行政法人国立高等専門学校機構を被告として,同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます(なお,決定があったことを知った日から6か月以内であっても,決定の日から1年を経過した場合には処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。
           担当窓口
             独立行政法人国立高等専門学校機構
             (学校名)本部事務局
             (担当課・係名)総務課・総務係
             (住所)〒193-0834東京都八王子市東浅川町7012
             (TEL)042-662-3120
             (FAX)042-662-3131
**********

■枚数が多いことは、事前に支払った手数料が5,400円だったことからも予想していましたが、部分開示あるいは全面非開示の文書が多いことは通知書を見て直感しました。こうなると5,400円も払った価値があったのか疑問が生じざるを得ません。

 とりあえず、高専機構本部での開示を希望してあったことから、さる6月19日に八王子の高専機構本部を訪れました。当日は朝10時に現地到着ということで、あらかじめ機構に電話を入れてありましたが、当日朝に急な用事ができたため、機構には朝9時前に電話で、午後1時半に訪問する旨つたえました。

 そして高崎駅を午前11時2分発のMaxたにがわ号で出発し、12時ちょうどに東京駅に着き、大急ぎで12時6分発の中央線特別快速に乗車し、高尾駅に午後1時5分に到着。京王線に乗り換えて1駅目の狭間駅に午後1時13分に着きました。






 いつもは直接3階の総務課に直行するのですが、今回は1階ロビーに内線電話があったため、そこから総務課に電話をしました。




 1階ロビー脇にある待合スペースで待っていると、まもなく担当の中島職員が3階から降りてきました。挨拶を交わした後、さっそく開示を受けました。すでに用意をしてあり、開示文書にはそれぞれ黄色の付箋紙が貼ってありました。

 せっかく足を運んだので、黒塗りされている校長選考委員会の外部委員は誰が選ぶのかその場で中島職員に聞いてみました。しかし、「人事関係のことは人事にきかないとわからない」というので、「理事長ですか?」と具体的に質問したところ、否定も肯定もせず、やはり「わからない」とのことでした。

 開示通知書記載の開示文書とひとつひとつ照らし合わせながら確認したため、都合25分程度機構に滞在しておりました。

 開示された文書を見て最初に感じたのは、「いつも通り、異様に黒塗り箇所が多いな」ということです。

■そして、今回開示された文書は以下の通りです。

※開示文書(40枚):
〇国立高専学校長の人事について(1-1~1-20):20枚
 PDF ⇒ 20180619wzli11120j.pdf
〇国立高専学校長の選考について(2-1~2-9、3-1~3-6、5-1、6-1~6-3):20枚
 PDF ⇒ 20180619wzili2129a3136a51a6163j.pdf

■まずは、各年の高専校長就任者一覧から見てみましょう。浮き彫りになってくるのはやはり、文科省からの天下り指定席として高専校長の椅子が食い物にされている凄惨な実態です。

 前職(あるいは就任前の「現職」)の欄に、ほとんどの場合「文科省」の字は明記されていませんので一読しただけではわかりませんが、理事、参事、執行役、事務系の部長、センター長、また「教授」と書かれていてもそれが理工学系でない場合、ほとんど全て、文部科学省からの天下りです。プロパーであることが確認できるのは、理工学系の教授の場合のみです。

 以下に平成17~29年度高専校長就任者のうち、ネット検索で文部科学省との繋がりが確認できる(=文科省天下り)人物の氏名と、校長就任者のうち何名が天下りであるかを列挙してみましょう。なお万一、計上に漏れや誤認がございましたら、都度ご報告ください。

★平成17年度
河上恭雄(かわかみやすお)
韮澤弘志(にらさわひろし)
塩谷幾雄(しおやいくお)
廣瀬寛(ひろせひろし)
⇒11名中4名が天下り校長!

★平成18年度
大島有史(おおしまありふみ)
⇒12名中1名が天下り校長!

★平成19年度
岸浪建史(きしなみたけし)
大島寛(おおしまひろし)
高橋誠記(たかはしせいき)
平野千博(ひらのゆきひろ)
森澤良水(もりさわよしみ)
落合敏邦(おちあいとしくに)
⇒10名中6→5名が天下り校長!
【6月25日追記】
※当会で再度、事後のチェックを行ったところ、岸波建史氏については、次のURLの通り天下り校長ではないことが判明しました。当初のチェックに漏れがあり誤認してしまったことをここにお詫びし訂正します。
https://researchmap.jp/read0166570/

★平成20年度
池田大祐(いけだだいすけ)
稲葉英男(いなばひでお)
三村洋史(みむらひろふみ)
⇒9名中3名が天下り校長!

★平成21年度
苅谷勇雅(かりやゆうが)
堀江振一郎(ほりえしんいちろう)
⇒8名中2名が天下り校長!

★平成22年度
竹本廣文(たけもとひろふみ)
工藤敏夫(くどうとしお)
船橋英夫(ふなばしひでお)
上田孝(うえだたかし)
⇒12名中4名が天下り校長!

★平成23年度
井上直樹(いのうえなおき)
⇒9名中1名が天下り校長!

★平成24年度
井上明(いのうえあきら)
吉田靖(よしだやすし)
⇒9名中2名が天下り校長!

★平成25年度
西尾典眞(にしおよしちか)
福島健郎(ふくしまたけお)
⇒8名中2名が天下り校長!

★平成26年度
中村隆行(なかむらたかゆき)
⇒8名中1名が天下り校長!

★平成27年度
齋藤福栄(さいとうふくえい)
寺沢計二(てらざわけいじ)
⇒12名中2名が天下り!

★平成28年度
新保幸一
石原祐志
⇒14名中2名が天下り!

★平成29年度
⇒なんと、この年は新任校長9名全員がプロパーで、天下り校長はゼロ。これは、ちょうどこの前に文科省から大学への現役出向問題が取りざたされたり、群馬高専の一件があったため、その流れで一時的に取りやめたのかもしれない。しかし油断は禁物、今年平成30年度の就任者一覧を見てみないと何とも評価しがたい。

■以上より、平成17~29年度の校長就任者131名のうち実に29名、およそ4分の1が天下り校長であるということになります。

 高専機構の説明によれば、「文科省はあくまで、他の大学・高専と同格の、校長候補者推薦機関の1つ」であるはずでした。とすれば、せいぜい天下りも毎年1名程度であろうと予想していたのですが、情報開示によって見えてきたのは、それをはるかに上回る現実でした。文科省から毎年複数人が校長になっていくということは、高専機構の建前に照らし合わせれば、なぜか文科省だけが複数人の「推薦」を許され、確率論的にありえないレベルで被推薦者全員が校長への就任を許可されているということになります。

 特に平成19年などは校長就任者10人のうち5人が文科省推薦ですが、これについて「文部科学省が特別優遇されている」以外に説明のしようがあるのか、あまりに実態がひどすぎて言葉もありません。しかも、近年になっても天下り傾向は収まる気配がなく、とても時代に合わせて改善されているとは言い難い状況です。

■次に、学校長候補者の名簿ですが、これはなぜかすべてが黒塗りとされています。個人の氏名までは明かさないにせよ、候補者の人数と各候補者の推薦機関は誰のプライバシーでもないことから開示されてしかるべきなのですが、高専機構は不開示としました。どうも、隠蔽体質はまったく改善されていないようです。

 さらに、学校長の選考委員について、外部委員の氏名は完全に非開示とされてしまいました。こうなると、幾多もの人間の人生を左右する校長職に就く人物を選別するという極めて重大な仕事にも関わらず、それを行っているのがどこの誰かすら一切わからないという、とんでもないシステムになっているということになります。どこの馬の骨とも分からぬ人間が、密室で、おおかた一度たりとも訪れたことのない学校の校長を書類でホイホイ決めてしまっているのです。ここまで異常な仕組みはハッキリ言って耳を疑います。

■そして、さらに今回、群馬高専の西尾前校長が機構理事長宛に提出した「辞職願」が開示されました。しかし、日付を見ると、2017年3月15日となっています。これは、高専機構の教職員就業規則に「退職予定日の30日前(やむを得ない事情がある場合14日前)までに届出」というルールがあることから、3月31日退職から逆算して、このルールで許されるギリギリに近い日に提出されたものと見られます。

 しかし、機構が、この日に初めて西尾前校長の退職意向を知ったわけはありません。少なくとも西尾前校長の退職を織り込んだうえで前年から校長選考が進められるわけですから、前年のうちに、非公式な形で退職を伝えられていたとみるのが妥当です。校長選考にあたっては、校長退職予定者のリストか何かを見ながら通過者数等を決めていくものと考えられ、当会の情報開示請求にも明記しましたが、存否情報を含め、こうしたリストの存在については一切触れられませんでした。これは、あまりにも奇妙だと言わざるをえません。

■このように、今回の情報開示によって明らかになったことは多々ありましたが、むしろ逆に謎も増えてしまいました。とりあえず、今回開示された情報を叩き台に、当会では更なる深掘りを試みる所存です。

【2018.8.14追記】
 その後、平成30年度の高専校長人事についても機構に情報開示請求を出したところ、8月7日付で開示されたため、ご報告します。

★平成30年度: PDF ⇒ jih30vzxgj.pdf
山下治
佐久間研二
磯山武司

⇒12名中3名が天下り校長!

 平成29年度に天下りはいったんゼロになりましたが、ほとぼりが冷めればなんとやら、今年平成30年になっても天下りは依然存在していることが明らかになりました。

 当会では文科省から高専機構・高専への天下りの実態、および問題点について、更なる調査を行うこととしています。


【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士に対する懲戒請求で本人から弁明書(2)が到来

2018-06-22 23:46:00 | 高崎市の行政問題
■昨年2017年9月6日、当会に寄せられた情報に基づき調査した結果、「高崎市斎場(高崎市寺尾町1084番地57)の指定管理者に選定されている株式会社プリエッセのホームページに当初、同社取締役として長井友之弁護士の名前が掲載されており、その後、9月13日に突然、取締役から相談役に書き換えられたことが確認されました。このため、高崎市の公平委員が同市の指定管理者の法人の要職についていることは同市や弁護士会のコンプライアンスに照らして問題があるのではないかという市民の声を踏まえて、当会では念のため、事実関係を確認する必要があると考え、同弁護士が所属する群馬弁護士会に懲戒請求書を9月27日に提出しました。その後、11月15日付で当会事務局に群馬弁護士会綱紀委員会から乙第1号証が送られてきたため、11月27日に反論書を提出したところ、2018年4月9日、同委員会から調査期日通知書が当会事務局に届き、5月7日に当会代表が出席して、綱紀委員会の担当弁護士ら3名からヒアリングを受けました。そして、5月31日にヒアリング結果についてまとめたものが当会事務局に送られてきたので、内容を確認して回答したところ、本日6月22日付けの対象弁護士本人からの弁明書(2)の写しが群馬弁護士会綱紀委員会(山田謙治委員長)から送られてきましたので報告します。

群馬弁護士会からの送付書。

 この懲戒請求に係るこれまでの経緯は次のブログをご覧ください。
○2017年9月29日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士を群馬弁護士会に懲戒請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2424.html
○2017年10月26日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士が群馬弁護士会に懲戒請求弁明書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2450.html
○2017年11月9日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士の弁明書への反論を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2457.html
〇2017年11月18日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセが陳述書を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2468.html
〇2017年11月27日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセ陳述書への反論書提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2480.html
〇2018年4月12日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求で調査期日が5月7日に開催予定
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2611.html
○2018年6月2日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士に対する懲戒請求で綱紀委から事由要旨の照会が到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2658.html

 弁護士会から送られてきた対象弁護士の2回目の弁明書の内容は次の通りです。

*****送付書*****PDF ⇒ 20180623_taisho_bengosi_benmeisho2.pdf
                         平成30年6月22日
懲戒請求者 市民オンブズマン群馬
   代表 小 川   賢 殿
                 群馬弁護士会綱紀委員会
                  委員長 山 田 謙 治
           送  付  書
 平成29年(綱)第41号事案に関し,対象弁護士から「懲戒請求に対する弁明書(2)」が提出されましたのでお送りします。
 「懲戒請求に対する弁明書(2)」について,反論ないし疎明資料がある場合には7月6日(金)までに提出してください。

=====対象弁護士からの弁明書(2)=====
<P1>

平成29年(綱)第41号
懲戒請求者 市民オンブズマン群馬
対象弁護士 長 井 友 之
        懲戒請求に対する弁明書(2)
                        平成30年6月21日
群馬弁護士会綱紀委員会 御中
                   対象弁護士 長 井 友 之
第1 「懲戒請求事由の要旨」についての認否
1 「3(1)」について
  認める。
2 「3(2)」について
(1)第1文のうち、指定管理者に関し、地方自治法第180条の5第6項と同様の規定が存在しないことについては認め、その余は争う。類推すべきとの主張は申立人の独自の見解に過ぎず、類推する根拠が存在しない。
(2)第2文のうち、高崎市において、委員会の委員又は委員が指定管理者の役員に就任することを禁止する条例が存在しないことについては認め、その余は不知。
3 「3(3)」について
(1)対象弁護士が高崎市公平委員会の委員(委員長)であること及び弁護士として高度の行政委員会の運営の公正性を維持すべき義務が存在することは認め、その余は否認ないし争う。対象弁護士は、高崎市営斎場の指定管理者であるプリエッセの取締役及び取締役に準ずべきものではない。

<P2>

(2)プリエッセは対象弁護士を「相談役」として自社のホームページに掲載しているが、文字どおり相談する相手という意味で掲載しているに過ぎない。
4 「4(1)」について
 対象弁護士が、高崎市公平委員会の委員(委員長)であることは認め、その余は否認する。対象弁護土はプリエッセの取締役及び取締役に準ずべきものではない。
5 「4(2)」について
 対象弁護士が弁護士である以上どのような事案であっても常に対立する当事者の双方から相談を受ける抽象的な可能性はあるが、対象弁護士が公平委員会の委員長であることにより双方の立場で相談を受ける可能性が生ずるという趣旨であれば否認ないし争う。対象弁護士は、高崎市の公平委員会の委員又は委員長ではない他の弁護士と比較して、利益相反に陥る可能性が高いわけではない。
6 「5」について
  争う 。

第2 対象弁護士の主張
1 地方自治法第180条の5第6項及び指定管理者制度の趣旨違反の主張について
(1)地方自治法及び高崎市の条例には、委員会の委員と指定管理者の取締役等との兼任を 禁止する規定は存在しないため、そもそも問題となる余地がない。
(2)また、対象弁護士は高崎市営斎場の指定管理者であるプリエッセの取締役もしくはこ れに準ずべき者には該当しない。
(3)以上のとおり、懲戒請求者の主張は二重にその前提を欠いている。
2 利益相反の主張について
(1)地方公共団体の公平委員会とは、「職員の勤務条件に関する措置の要求及

<P3>

び職員に対する不利益処分を審査するとともにこれについて必要な措置を講ずる」ことを職務とする行政委員会であり(地方自治法第202条の2第2項)、地方公共団体とその職員との間の問題を解決することを職務としているのであって、地方公共団体から、他団体との問題について相談を受ける立場にはない。
(2)つまり、対象弁護士は、高崎市の公平委員会の委員又は委員長ではない他の弁護士と比較して、利益相反に陥る可能性が高いわけではない。

第3 以上のとおり、懲戒請求者の請求は、全て事実上又は法律上の根拠を欠くものであることが明らかである。よつて、対象弁護士を懲戒手続に付さないことが相当である。
                               以上
**********

■この弁明書を読んで、皆さんはどう思われますか?当会は、これが対象弁護士の本音かと思うと、まことに情けない気持ちです。と同時に、群馬弁護士会の綱紀委員会の正しい判断により弁護士の倫理が示されることを期待するのみです。

 ここで気になるの対象弁護士が、弁明書の「5」で「対象弁護士が弁護士である以上どのような事案であっても常に対立する当事者の双方から相談を受ける抽象的な可能性はあるが、対象弁護士が公平委員会の委員長であることにより双方の立場で相談を受ける可能性が生ずるという趣旨であれば否認ないし争う。対象弁護士は、高崎市の公平委員会の委員又は委員長ではない他の弁護士と比較して、利益相反に陥る可能性が高いわけではない」として、自分はほかの弁護士と同じことをしている、というような主張をしていることです。

 このことから、ほかにも同じように自治体の委員会の委員をし、当該自治体の顧問弁護士をし、さらに当該自治体の指定管理者の取締役ないしそれに準じた役職に就いている弁護士がいる可能性が指摘されたので、高崎市をはじめ県内の自治体に実態を確認してみたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「高崎市HPより」
*****公平委員会*****
URL: http://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2013121702096/
 公平委員会とは、地方公務員法において地方公共団体に置くこととされているもので、その職務は、地方公共団体の職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること、並びに職員に対する不利益な処分についての不服申立てに対する裁決又は決定をすることです。
 高崎市においては、高崎工業団地造成組合及び高崎市・安中市消防組合と共同して設置しており、名称を「高崎市等公平委員会」といいます。
 公平委員会は、3人の委員で組織し、その任期は4年です。
〇このページの担当
企画調整課 電話:027-321-1206 ファクス:027-321-1190
Eメール:kikaku@city.takasaki.gunma.jp

*****高崎市公平委員服務宣誓条例*****
URL: http://ted.city.takasaki.gunma.jp/reiki/reiki_honbun/e203RG00000837.html
    ○高崎市公平委員会の委員の服務の宣誓に関する条例
                           昭和41年6月27日
                              条例第32号
 (目的)
第1条 この条例は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第9条第12項の規定に基づき、公平委員会の委員(以下「委員」という。)の服務の宣誓について必要な事項を定めることを目的とする。
(宣誓)
第2条 新たに委員となった者は、市長の面前において、別記様式による宣誓書に署名して市長に提出しなければならない。
2 前項の規定による宣誓書の署名及び提出は、委員がその職務に従事する前にするものとする。ただし、天災その他特別の理由がある場合において、委員が同項の規定による宣誓書の署名及び提出をしないでその職務に従事したときは、その理由がやんだ後すみやかにすれば足りるものとする。
(委任)
第3条 この条例に定めるもののほか、委員の服務の宣誓に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
 この条例は、公布の日から施行する。
別記様式

          宣   誓   書
 私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ、擁護することをかたく誓います。
 私は、地方自治の本旨を体するととともに、公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。
  昭和  年  月  日
                       氏         名(署名)

**********
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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…被告群馬県の主張を100%認めた東京高裁のアセス免除控訴審判決

2018-06-20 23:37:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■関電工による放射能汚染木材を大量に集荷し、チップにしてから、機械的に油圧プレスで脱水し、ボイラーに投入して燃焼させ、発生した高温高圧の蒸気でタービンを回すことで、発電機を駆動させて電気を起こし東電に販売するという亡国事業=バイオマス発電施設設置計画で、事業者である関電工が群馬県環境アセスメント条例の適用を受けないまま、既に2月13日以降、実質的な運転開始状態にあり、4月24日には営業運転開始に先立ち、完成披露式まで催す始末です。
 当会では、群馬県環境アセス条例がなぜ適用されないのか、その根拠となる情報開示請求を行ったところ、群馬県は「事業者の関電工が自ら適用不適用を判断したものであり、群馬県にはその判断の根拠となる情報は不存在だ」としたので不思議に思っていました。ところがその後、実は平成27年3月31日付で内部通達が出されていたことが判明したので、「不存在処分は間違いだから取り消してほしい」と審査請求をしましたが、受け入れられないため、前橋地裁に不存在処分の取り消しを求めて訴えました。すると前橋地裁の塩田裁判長は「群馬県が不存在だと言っているのだから、不存在なのだ」として、内部通達の存在を無視する判決を下したため、当会は東京高裁に控訴しました。
 この控訴審はこれまで、第1回口頭弁論が2018年2月5日(月)11時に、第2回口頭弁論が2018年3月12日(月)11時に、第3回口頭弁論が2018年4月23日(月)13時15分に、いずれも東京高裁7階717号法廷で開かれました。第3回弁論で裁判長は結審したいそぶりを見せましたが、当会では最後にもう一度チャンスを頂きたいとして、1週間以内に反論を提出する旨、裁判長に約束をし、4月30日に、控訴人控訴審準備書面(1)を提出しました。そして、5月16日(水)午後3時30分から、第4回口頭弁論が開かれ、その場で結審し、本日5月20日(水)午後1時10分に東京高裁717号法廷で判決言渡しがありました。

判決言渡しが行われた東京高裁のある裁判所合同ビル。



 この訴訟事件に関する前橋地裁一審判決から今の控訴に至る過程は次のブログをご覧ください。
○2017年11月8日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス不要根拠文書不存在訴訟で地裁が原告敗訴の問答無用判決
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2456.html
○2017年11月22日:【緊急速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電施設から大量の白煙!関電工の暴挙!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2472.html
○2017年11月30日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山南麓に漂うバイオマス発電の白煙と控訴状不備を指摘してきた裁判所
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2482.html
〇2017年12月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の一審敗訴で控訴理由書等を地裁に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2486.html
〇2017年12月19日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が2月5日に決定!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2504.html
〇2018年1月31日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の2.5控訴審が迫り群馬県が控訴答弁書を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2550.html
○2018年2月3日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…2月5日東京高裁で開かれた環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2559.html
○2018年3月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第2回控訴審が3月12日東京高裁で開廷
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2591.html
〇2018年4月23日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第3回控訴審を前に県が乙4号証を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2619.html
○2018年4月23日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第3回控訴審と直前に県が出した乙5号証
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2620.html
○2018年5月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟第4回弁論に向け当会が準備書面(1)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2627.html
〇2018年5月16日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が結審!判決は6月20日
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2641.html

■東京高裁には午後0時40分ごろ到着しました。被控訴人の群馬県訴訟代理人の石原栄一弁護士らとは、本日午前10時20分から、同じく前橋バイオマス発電燃料の補助金に係る住民訴訟で前橋地裁3階のラウンドテーブル法廷で第9回弁論準備を行いましたが、その際、本件の判決言渡しに出頭するのかと尋ねたところ、石原弁護士が「わざわざ行くんですか?」といい放ちました。そのため、「ああ、これはもう判決内容が伝わっているな」と予感しました。

 東京高裁717号法廷のある7階に上ると、法廷の壁に次の開廷表が掲示されていました。

*****東京高裁開廷表*****
717号法廷(7階)開廷表
平成30年6月20日 水曜日
●開始/終了/予定 11:10/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第1095号/債務不存在確認請求控訴事件、同反訴請求事件
○当事者      中村みよ外/中村元行外、中村保
○代理人           /
○担当       第23民事部Cイ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第1056号/保険金等請求控訴事件
○当事者      塩入達郎/三井住友海上火災保険株式会社
○代理人          /
○担当       第23民事部Eハ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 13:10/弁論(判決言渡)
○事件番号/事件名 平成29年(行コ)第368号/公文書不存在決定処分取消請求控訴事件
○当事者      市民オンブズマン群馬/群馬県
○代理人                /
○担当       第23民事部Cイ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子

●開始/終了/予定 13:15/第一回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第2140号/貸金請求控訴事件
○当事者      安藤禮子/金子求
○代理人          /
○担当       第23民事部Dロ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 内堀宏達
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 14:30/弁論
○事件番号/事件名 平成30年(ネ)第840号/リース代金不当利得返還反訴請求控訴事件
○当事者      吉田建設株式会社/新光重機株式会社
○代理人              /
○担当       第23民事部Bハ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 小川理津子
          書記官 中橋正幸、小山内文子
●開始/終了/予定 16:00/第1回弁論
○事件番号/事件名 平成30年(行コ)第99号/療養補償給付及び休業補償給付等不支給処分取消請求控訴事件
○当事者      天田真理子/国
○代理人           /
○担当       第23民事部Eニ係
          裁判長 垣内正
          裁判官 高宮健二
          裁判官 廣瀬諭
          書記官 中橋正幸、小山内文子
**********

 午後1時前に、赤城山の環境と子供たちを守る会の会長がお見えになり傍聴席で待機しました。午後1時10分からの判決言渡しでは、当会が先に出頭したので、本件が先に判決言渡しとなりました。

 定刻の1時10分に垣内裁判長が陪席裁判官2名を率いて入廷しました。一同、起立・礼をして着席すると、おもむろに裁判長が判決文の要旨を読み上げました。予想した通り裁判長の口から発せられたのは「本件控訴を棄却する」でした。

 書記官からはあらかじめ判決文の交付は15階の第23民事部の窓口で行われると伝えられていたので、直ちに法廷を出ました。守る会の会長には「上告を視野に検討したい」と伝えて了承を得ました。

 そのあと15階の一番端にある第23民事部の窓口で、判決文の交付を受けました。「少し時間がかかる」と言われたので、交付のあとも、窓口前で待機していると、裁判を終えた垣内裁判長らが向こうからちょうど歩いてきました。顔を見合わせると垣内裁判長は無言で会釈をして通り過ぎていきました。

 交付された判決文は次の通りです。

*****判決文*****PDF ⇒ img_20180620_0004.pdf
平成30年6月20日判決言渡 同日原本領収裁判所書記官 中橋
平成29年(行コ)第368号 公文書不存在決定処分取消請求控訴串件(原審・前橋地方裁判所平成28年(行ウ)第24号)
口頭弁論終結日 平成30年5月16日
             判        決
前橋市文京町1丁目15-10
      控  訴  人      市民オンブズマン群馬
      同代表者代表       小  川     賢
前橋市大手町1丁目1番1号
      被 控 訴 人      群    馬    県
      同代表者兼処分行政庁   群馬県知事 大澤正明
      被控訴人訴訟代理人弁護士 石  原  栄  一
      同            関     夕 三 郎
      同            織  田  直  樹
      同指定代理人       増  田  一  郎
      同            小  菅  健  矢
      同            森  下  留美 子
             主        文
     1 本件控訴を棄却する。
     2 控訴費用は控訴人の負担とする。
             事 実 及 び 理 由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 群馬県知事が控訴人に対し平成28年5月6日付けでした原判決別紙文書目録記載の公文書を開示しない旨の決定を取り消す。
第2 事案の概要等

<P1>
1 事案の概要
  本件は,控訴人が,群馬県情報公開条例(以下「情報公開条例」という。)の規定に基づいて,群馬県知事に対し,原判決別紙文書目録記載の公文書(以下「本件文書」という。)の開示を請求(以下「本件開示請求」という。)したところ,群馬県知事から本件文書を保有していないことを理由に本件文書を開示しない旨の決定(以下「本件決定」という。)を受けたので,本件決定の取消しを求めた事業である。
  原審が,平成29年11月8日,控訴人の請求を棄却する旨の判決(原判決)を言い渡したところ,控訴人が,同判決を不服として控訴した。
2 本件に関する法令等の規定,前提事実,争点及び当事者の主張は,後記3のとおり原判決を補正し,後記4のとおり,当審における当事者の主張を付加するほか原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。
3 原判決の補正
(1) 原判決6頁13行口の「(甲10」の次に「,以下「本件運用設定文書」という。」を加える。
(2)原判決6頁25行目の「立場にはない。」の次に,「なお,知事は,事業について環境影響評価の実施を判断することはないが,県は,大規模事業について種々の許認可をし,あるいは届出を受ける立場にあるから,このような届出等を通じて事業の種類や規模等の内容を認識することが可能である。したがって,当該事業が法令上環境影響評価の対象となる事業の種類又は規模であるにもかかわらず,それが実施されていない場合には,知事は,環境影響評価条例46条に基づき勧告及び公表を行うことになる。」を加える。
(3)原判決7頁1行目の「と判断した」を「と判断したことはないから,そ

<P2>
の」に改める。
(4)原判決7頁2行目の「保有していない。」の次に,「また,羽鳥が開示請求を行った公文書の内容は,本件開示請求の対象である公文書の内容と異なっているから,羽鳥に開示した本件運用設定文書が存在したからといって,本件文書が本件開示請求の時点で存在していたことにはならない。」を加える。
4 当審における当事者の主張
(1)控訴人の主張
  ア 本件運用設定文書には公印が押印されておらず,実施日も未記入であるから,公文書として成立しておらず,環境影響評価条例の別表1の運用改変は未だに完結していないし,同文書は,同文書の電子データによれば,平成28年10月27日に偽造(偽装工作)されたものである。したがって,被控訴人は,同条例12条により,株式会社関電工に対して条例アセスメントを実施させるべき義務があったから,本件文書は存在しているはずである。
  イ 被控訴人は,平成27年3月31日時点では,株式会社関電工が作成した本件発電施設の計画概罫書を保有していたのに,同社から,基準に満たないとの電話連絡を受けたのみで,これを廃棄するのは不合理であるから,本件開示請求時点でも計画概要害を保有していたはずである。
(2)被控訴人の主張
  ア 本件運用設定文書は,被控訴人の職員が職務上作成した文書であり,同職員が組織的に用いるものとして保有しているものであるから,公文書であるし,被控訴人が本件運用設定文書を不正に作成したことはない。
  イ 被控訴人の環境政策課職員は,本件発電施設の設置を計画する株式会社関電工から資料の提供を受けて,条例アセスメント制度について相談

<P4>
に応じたことがあったが,被控訴人には,事業開始前の段階において事業者に資料等を提出させて,その内容の適正を審査するなどの権限はない。したがって,被控訴人には当該資料を保有しておく理由はなかったから,その後,当該資料を廃棄しており,本件開示請求当時には存在しなかった。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も控訴人の請求を棄却すべきものと考える。その理由は,後記2のとおり原判決を補正するほか,原判決の「事実及び理由丿欄の「第3 当裁判所の判断」の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。
2 原判決の補正
(1)原判決7頁13行目の「ただし,」から19行目の「いうべきである。」までを削除し,「(東京高等裁判所平成22年(行コ)第183号平成23年9月29日判決参照)」を加える。
(2)原判決8頁15行目の冒頭から9頁12行目の末尾までを次のとおり改める。
  「3 甲3,8,10,11,乙3ないし5及び弁論の全趣旨によれば,環境政策課が,株式会社関電工からの本件発電施設に関する条例アセスメントの相談に対応した経過は次のとおりであったと認められる。
   (1)環境政策課は,平成25年末ころ,本件発電施設とは無関係の企業から,木質バイオマス発電施設の事業に関する条例アセスメントの相談に対応したことがあったところ,平成26年4月には,「エネルギー基本計画」の閣議決定がされたこともあり,再生可能エネルギーである木質バイオマス発電に関する条例アセスメントの取扱いについて検討を始めた。
   (2)株式会社関電工は,平成26年6月ころには,本件発電施設設置の計画が具体化するようになり,そのころから,本件発電施設による事業が

<P5>
条例アセスメントの対象になるかどうかを確認するため,環境政策課に対し,複数回問い合わせをした。
     環境政策課の職員は,株式会社関電工からの相談に対し,環境影響評価条例や同施行規則に基づき制度の説明をした上で,規模要件に該当するときには条例アセスメントの手続が必要であるなどの説明をした。
   (3)環境政策課は,木質バイオマス発電に関する条例アセスメントの取扱いについて検討を進めていたところに,更に株式会社関電工からも相談を受けたことから,環境影響評価条例の改正も視野に入れて全国の状況を調査するなどの具体的検討を始め,平成27年3月ころには,木質バイオマス発電事業に関する条例アセスメントの取扱いについて,新たな運用を定める方針となっていた。
   (4)環境政策課は,平成27年3月,本件発電施設による事業が具体化し、本件発電施設が環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件に該当して条例アセスメントが開始された場合に,そのスケジュールや事務処理の段取り等の参考にするために,株式会社関電工から本件発電施設の計画概要を記載した資料(以下「計画概要書」という。)の交付を受けた。
   (5)環境政策課は,平成27年3月31日,本件運用設定文書の決裁を終え,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件を適用させる場合の運用について,「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については,排ガス量を計算するにあたっては,含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする。」と定めて,その運用を開始した。
     環境政策課は,同日,株式会社関電工に電話をして,未利用の木質バイオマスを燃料とする工場・事業場について上記運用をすることを決定した旨を伝えた。

<P6>
   (6)環境政策課は,平成27年4月ころ,株式会社関電工から,本件発電施設からの総排ガス量は毎時約4万2000ノルマル立方メートルであるが,本件運用設定文書により決定した運用を適用して含水率を控除すると毎時約3万9000ノルマル立方メートルになり,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件未満となるとの連絡を受けた。
   (7)環境政策課では,条例アセスメントの手続をする必要がなくなり,株式会社関電工から問い合わせもなかったことから,同年5月末ころまでには,株式会社関電工から交付を受けた計画概要書を廃棄した。
   4 前記3(2),(4)のとおり,環境政策課の職員は,平成26年6月ころから平成27年3月までの問に,株式会社関電工から本件発電施設による事業が条例アセスメントの適用対象になるか否かについて複数回相談を受け,同月には,株式会社関電工から本件発電施設の計画概要書を入手したことが認められるところ,この計画概要書には,本件発電施設の排ガス量に関する情報等が記載されていた可能性が認められる。
     しかし,前記3(5)~(7)のとおり,環境政策課の職員は,同年4月、株式会社関電工から,本件運用設定文書によって変更された運用を本件発電施設に適用すると条例アセスメントの対象外である旨の連絡を受けて,その後に問い合わせもなかったことから,同年5月末までには,計画概要書を廃棄したことが認められるから,仮に,計画概要書が本件文書に該当したとしても,本件開示請求時には当該文書は存在しなかったものである。
     この点,控訴人は,環境政策課が,株式会社関電工から報告を受けただけで同文書を廃棄したことは不合理であるから本件開示請求時にも存在していたはずである旨主張するが,前記説示のとおり,環境影響評価条例の各規定は,事業者が実施しようとする事業が条例アセスメントの対象となるか否かの判断をするのは事業者自身と定めているから,環境政策課において,行政サービスの一環として,株式会社関電工の相談に応じて,同

<P7>
社に対し,環境影響評価条例の制度等について説明や助言等をし,同社が適切な判断をするための援助をしたことがあったとしても,同社において,本件発電施設が条例アセスメントの対象とならないとの判断をした場合には,(←当会注:関電工は、アセスメント免除は群馬県から伝えられたと言っているのに、裁判所はそのことを、関電工が判断した場合、などと勝手に想定して、判断の根拠から意図的に除外していることがわかります)以後,条例アセスメントを実施する場合に環境政策課がすべき事務等は発生しないこととなり,もはや環境政策課で計画概要書などの資料を保有しておく理由がなくなることからすれば,環境政策課において,これを廃棄したことには,格別不合理なところがあるとはいえない(←当会注:環境政策課で関電工の計画概要書を平成27年3月31日時点で保有していたことを判決文でも認めている)被控訴人が,その後,その他の各種届出等を通じて,当該事業が条例アセスメントの対象となるものであることを知ったときには,必要な措置をとるべきことを勧告することができることとなるが(←当会注:被控訴人の群馬県が関電工の事業がアセスメントの対象となるので、特定措置として運用条件を緩和したのだから、当該事業が条例アセスメントの対象だということを一番よく承知しているわけです。このような屁理屈を裁判所が判決で追認するのですから、我が国の司法がいかにねじ曲がっているかお分かりいただけると思います)(環境影響評価条例46条1項1号),そのために環境政策課において資料を残すべき義務があることにはならない。)。
    そして,環境政策課自身が,本件発電施設が条例アセスメントの対象となるか否かを判断するために,何らかの文書を作成したと認めるに足りる証拠はないし,前記3において認定した経過からしても,そのような文書が作成されなかったことは,何ら不合理とはいえない。
  5 」
(3)原判決9頁14行目の「F栄利用材による」から15行目の「件名の書面(甲10)」を「本件運用設定文書」と改める。
(4)原判決9頁24行目から25行目の「なお,」から10頁3行目の「該当しない。」までを,「なお,本件運用設定文書は,環境影響評価条例施行規則別表第1の規模要件を木質バイオマス発電施設に適用させる場合の一般的な運用を定めた文書であって、本件発電施設について作成された文書ではないから,本件文書に該当するものとはいえない。」に改める。(←当会注:この部分が全てを物語っています。関電工から相談を受けて、他の自治体にはない水分量2割を除外してアセスメントを免除するための運用を決めた文書を、こうして一般的な運用を規定するものだから、オンブズマンが請求した一切の関連文書にも当たらない、という屁理屈を正当化するものです)
(6)原判決10頁3行目の末尾に,「また,控訴人は,本件運用設定文書には公印が押印されず,実施日も未記入であるから,公文書として成立していない,

<P8>
同文書は平成28年10月27日に偽造されたものであるなどと主張して,平成27年3月31日時点において同文書に記載された運用は決定されていないから,被控訴人には,本件発電施設による事業に対して条例アセスメントを実施させる義務かおり,義務の履行のために必要な本件文書を所持しているはずであると主張する。確かに,本件運用設定文書の「回議用紙」には,環境企画係長,次長,課長の印が押印されており、決裁年月日に「27.3.31」と記載されているが,公印押印欄や施行年月目欄は空欄である(甲10)。(←当会注:このとおり、間違いなくオンブズマンが情報公開を請求した対象文書が存在していることを判決文でも認めています)しかし,被控訴人が,その文書管理システムにおいて保存している文書詳細によれば,本件運用設定文書の決裁区分は「課長」とされているから(甲16),被控訴人が本件運用設定文書に記載された内容を決定するためには課長の決裁が必要であることは認められるとしても,課長の決裁印では足りず,更に「回議用紙」に公印の押印や施行年月日の記載が必要であるとは認められない。また,同文書の更新日時と作成日時が「2016/10/27」となっており,最終印刷日が「2015/3/31」となっているからといって(甲17),直ちに同文書が最終更新日に偽造されたものであるとは認められないから,控訴人の主張は採用できない。」を加える。
3 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。

 東京高等裁判所第23民事部
        裁判長裁判官 垣 内   正
           裁判宮 内 掘 宏 達

<P9>
           裁判官 小 川 理津子

<P10>
これは正本である。
 平成30年6月20日
  東京高等裁判所第23民事部
    裁判所書記官  中 橋 正 幸
**********

■控訴審にしては珍しく4度の口頭弁論を経た上での判決言渡しでしたが、結果的には、被控訴人の群馬県の主張を全面採用した結果となりました。

 印象的だったのは、第3回の口頭弁論で、控訴人である当会に向けて、「別件で係争中であるからそちらのほうに注力したらどうか」という発言が裁判長からあったことです。これを聞いて、今回の判決内容の予兆を感じましたが、やはり、その通りの判決がくだされたことになります。

 しかし控訴審の判決では、赤字で示した通り、内部文書の存在が平成27年3月31日に存在していたことを明記したうえに、今回の控訴審で、平成27年3月31日の時点で、関電工から群馬県の環境政策課に前橋バイオマス発電の計画概要書なるものが存在しており、その2か月後に廃棄されたことが判示されています。

 実際には、平成28年3月31日に当会代表が環境政策課を訪れて、環境アセスメント免除にかかる根拠情報について同課の唐澤素子職員と上司の遠藤職員に面談した際、「アセスメント免除にかかる情報は、口頭で関電工に伝えているため、そもそも存在しない」という説明があったため、その確認のため情報開示請求を行った結果、やはり「不存在だ」という決定処分が出たため、都会ではそれなりに納得していました。

 ところが、その数か月後に別の県民が同様に開示請求をしたところ、平成27年3月31日決裁の内部文書が開示されたので、オンブズマンに出した不存在処分を取り消してもらう必要があったため、今回の行政訴訟を提起したものです。

 その結果、平成27年3月31日に環境アセスの運用に関する内部文書が決裁され、その判断のもととなった関電工のバイオマス発電に関する計画概要書も存在していたことが判決文にも判示されました。にもかかわらず、判決では、内部決裁文書の存在を認めながら、関電工の計画概要書がその後廃棄され、当会代表が開示請求をした平成28年4月の段階では、「環境アセス免除に関する一切の情報は不存在である」とする控訴審判決がでて、原審の前橋地裁の判決を支持したのでした。

 すなわち、前橋地裁の塩田裁判長(今年4月で異動)が、法廷で思わず被告を差し置いて原告に対して「(被告の)群馬県が存在しないと言っているのだから、当該情報は存在しないのだ」という訴訟指揮の言葉を、控訴審の垣内裁判長も採用したことになります。

 実際には存在する公文書を、行政が「存在していない」と主張し、それを裁判所も認めたわけですから、まったく訳が分かりません。

■実際には存在しているのだから、群馬県が「不存在だ」として処分決定したのを、「存在しています」と認めさせるだけなのに、なぜこのように裁判所まで群馬県のまちがった処分決定を支持するのでしょうか?

 それは、「不存在処分取消」の判決が出てしまうと、関電工が提出した計画概要書の内容について、公表しなければならないからです。この計画概要書には、環境アセスメント実施の要件である排ガス量4万ノルマル立方メートルの根拠と、運転条件や設備の性能値が明記されていることが十分に想定されるため、なにがなんでもオンブズマンには見せないようにするのが至上命題だからです。

 東京高裁の垣内裁判長は、そのことを知り尽くしていますから、第3回口頭弁論で、「現在前橋地裁で係争中の補助金取消訴訟で、群馬県とたたかったらどうか」と示唆したと考えられます。判決文を受け取りに東京高裁15階の第23民事部の窓口で、思いがけず垣内裁判長と視線を合わせた際に、無言でしたが、同裁判長の目を見て、そうしたことを感じ取りました。そして「これが我が国の司法の実態だ」と痛感した次第です。




【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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前橋市役所強制わいせつ事件・・・セクハラ被害軽視の背景にある自治労の果たすべき役割とは

2018-06-19 23:00:00 | 前橋市の行政問題
■本日の東京新聞にセクハラ被害者が直面したこれまでのセクハラ相談の苦悩が詳しく報じられています。この記事の中で特に目を引くのが「知人の地方議員に紹介され、自治労に相談しても、正規ではない嘱託には協力してくれなかった」という箇所です。実際、セクハラの被害を前橋市役所の職員課に通報しても、まったく相手にしてもらえず、時間ばかりが経過する中で、思い余った挙句、自治労群馬県本部なら、きっと労働者の側に立って支援してくれるにちがいない。そう思って相談したところ「セクハラの件を不問にすれば、嘱託職員として1年ごとの更新ではなく、5年間の嘱託契約にするように職員課に談判してやる」と言われる始末でした。このためセクハラ被害者は、外部の力に頼るしかなかったのでした。そこで、この自治労について考えてみました。まずは6月19日付けの東京新聞記事を見てみましょう。


**********東京新聞2018年6月19日
【群馬】上司からセクハラ 前橋市職員 嘱託の立場で訴えにくく

セクハラ被害を訴える女性が勤める前橋市役所=前橋市で
 前橋市の四十代の女性嘱託職員が、四十代の管理職男性からのセクハラ被害を訴えている問題。女性は各国の女性らがセクハラ被害を告発する運動「#MeToo」(「私も」の意)に勇気づけられていた。一年更新の嘱託である女性は雇用の不安、訴えている二度の被害に伴う精神的な苦悩を抱え、一年半に及ぶ闘いを余儀なくされている。 (菅原洋)
 「嘱託のために内部には訴えにくく、外部も回ってみたが、取り上げてくれず、遠回りしてきた」。女性は振り返る。
 女性が男性からセクハラ被害に遭ったというのは、二〇一六年十二月に市内の居酒屋で開かれた職場の忘年会。飲酒した男性に胸をもまれ、行為を宴席で同僚三人が目撃していた。
 女性が当時はショックで声が上げられない中、一七年三月に二度目の被害に遭う。市内で職場の宴会があり、途中で合流した上司であるこの男性が飲酒しない女性に車で送るように求め、車内で男性からキスされたという。
 精神的な苦痛が深まる中、同年六月に男性からメールが届く。嘱託を含む人員配置の見直しを示唆する内容。「嘱託の身分で職場で被害を訴えるのは難しい」。女性は実感を込める。
 そんな女性が注目したのが、同年の秋ごろから広まった「#MeToo」だ。女性は「私のように黙っていた女性たちが声を上げている」と希望を抱いた。ただ、知人の地方議員に紹介され、自治労に相談しても、正規ではない嘱託には協力してくれなかった
 女性が市にセクハラ被害を訴えられたのは、今年二月に男性の別の不祥事で職場に調査が入った際だった。市のセクハラ調査は進まず、ようやく今月十二日になって停職九カ月の懲戒処分が出た。女性は五月から警察に相談している。
 本紙の取材に、男性は胸をもまれたとの訴えに「記憶はないが、謝罪したい」、キスについては「求められるままに応じてしまった」と話している。
 女性は「一度セクハラ被害を受けた後に、私からキスを求めるわけがない」と二次被害に苦しむ。二次被害は東京都の前狛江市長(今月四日に辞職)、みなかみ町長のケースでも問題化している。
 「加害者が被害者に責任を転嫁するのは一緒で、精神的にきつくなる。それだけに(#MeTooの)運動には勇気づけられ、力になった。前橋市の処分は軽く、警察への相談で最後までやり遂げたい」。女性は気丈に語った。
**********

■自治労は全国の県庁、市役所、町村役場、一部事務組合などの地方自治体で働く職員のほか、福祉・医療に関わる民間労働者、臨時・非常勤等職員、公営交通労働者などの労働者など公共サービスに関連する組合が結集する労働組合で、全国各地2708単組、約81万人の組合員(2017年1月時点)が加入しているとされています。

■自治労のHPによれば、自治労は公共サービスを提供する労働者のために、4つの目標を掲げています。以下、引用です。

1●組合員の生活水準を向上させ、労働者の権利を守る
 自治労は、一人ひとりの組合員がゆとりを持って暮らせるよう、賃上げ、労働時間の短縮、必要な人員の配置、安全で快適な職場環境の確保などに取り組んでいます。また社会的にも年金や社会保障制度を充実させる活動を行い、トータルな生活水準の向上をめざします。実際に、制度や法律の設計や改正など必要に応じて、政党請願行動、省庁交渉、首長交渉などを行い、組合員だけではなく労働者の生活と権利を守るために行動しています。

2●やりがいのある仕事が出来るように
 私たちは、公共サービスを支える仕事をしています。そして、多くの組合員が住民・顧客に喜ばれ、自らも役に立っていると実感できる仕事がしたいと思っています。自治労は賃金・労働条件の改善だけでなく、やりがいのある仕事が出来るよう、住民や地域団体、企業、学識者と協力しながら地方自治研究活動(労働組合が主体的に、地方行政や自治体政策、公共サービスや自らの仕事のあり方について研究し、実践する活動)に取り組んでいます。自治労は地方自治研究活動を通じて、情報収集、研究分析、政策づくりを提言しています。実際に、現在多くの自治体で実施している「ごみの分別収集」「急病人の休日・夜間診療」は、自治労の自治研活動から実現した制度です。

3●社会正義を実現すること
 豊かで平和な暮らしは、職場の中の活動だけでは実現できません。地球的規模で起きる環境破壊や経済格差、戦争など現代社会はたくさんの問題を抱えています。それは、毎日の生活に直接的に影響する問題から、間接的に影響するものまで、広範囲にわたります。こうした個人では解決できないことでも、労働組合という組織で力を合わせ、大きな力とすることで問題の解決に近づけます。自治労はさまざまな団体等と連携し、“社会正義”の実現をめざします。その取り組みの一環として、自治労は原発再稼働を許さない取り組みや戦争につながる施策に反対する取り組み、賃金関係で言えば連合に結集して春闘に積極的に参加しています。

4●労働者の助け合い活動の実践
 組合員が過ごしやすい環境づくりのために、「自治労共済」という非営利運営による福祉事業に取り組んでいます。2013年6月以降は「全労済自治労共済本部」として大きく助け合いの輪を拡大し活動しています。サービスの提供により、日々の生活に必要な保険料などを抑制し、より多く組合員の可処分所得を確保します。

■今回の強制わいせつというセクハラ、あるいは上司という立場を利用したパワハラは自治労の掲げる上記1と3に関連しますが、どうやら自治労のいう労働者という定義は、組合員である正規職員のみを対象としていて、嘱託職員は除外されているようです。また、嘱託職員がセクハラで相談しても、管理職員のかたを持つことから、やはり嘱託職員は自治労の言う「労働者」の範疇には入らないのかもしれません。

 今回のセクハラ事件も、自治労がきちんと機能していれば、セクハラ被害者もこれほど苦悩せずに済んだはずです。自治労には猛省を促したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】



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【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に係る再追加質問と同校の回答…剥がれ始めた化けの皮?

2018-06-19 12:16:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■長野高専において、教員により不正会計380万円・うち着服51万円という大規模な職務違反・犯罪行為が行われ、しかも主犯の教授は定年退職で一切お咎めのないまま逃亡してしまったという大失態が発生し、しかもそのことが学内で一切話題にもなっていないという異常事態が起こっていることが、群馬高専アカハラ・寮生連続不審死に関する調査の途上、情報提供と告発によって判明しました。このため、本年4月20日に最初の質問状を同校に提出したのを皮切りに、1度目の回答と2度目の質問・回答を経て、なおも不明瞭な点が残っていたため、6月11日に3度目の公開質問状を、再追加質問書という形で長野高専に提出しました。この件に関するこれまでの経緯は以下の記事をご覧ください。

2018年6月18日に長野高専総務課から「さきほどFAXしました」との電話連絡とともに当会事務局あてに送信された再追加質問書に対する回答FAXの送り状。

○2018年4月1日:【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2603.html
○2018年4月22日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校宛に公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2617.html
○2018年5月8日: 【出張!オンブズマン】<速報>長野高専不正会計・着服問題に関して同校から公開質問状への回答書到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2631.html
○2018年5月11日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校の公開質問への回答に対し追加質問を発出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2634.html
○2018年5月20日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校への追加質問に対し回答FAXを受信!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2642.html

■当会からの再追加質問の内容は以下の通りです。

*****再追加質問状*****PDF ⇒ 20180611ispj1.pdf
                         平成30年6月11日
〒381-8550 長野県長野市徳間716
独立行政法人国立高等専門学校機構 長野工業高等専門学校 御中
TEL:026-295-7003/FAX:026-295-4356
             〒371-0801 群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
               市民オンブズマン群馬  代表  小川 賢
         TEL: 027-224-8567(事務局)/090-5302-8312(代表小川)
                          FAX: 027-224-6624

     長野高専不正会計・私的流用事件に関する再追加質問書

 拝啓 日々益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 5月10日付にて弊会から「長野高専不正会計・私的流用事件に関する追加質問状」を貴学に提出させていただいておりましたところ、さる5月18日にご回答を賜り、誠に恐縮です。
 ご回答を拝読させていただきましたところ、また少し疑問が生じましたので、ご多用のところ申し訳ありませんが、下記のとおり再度追加の質問をさせていただきます。

【再追加質問】
質問(11)
 貴学回答(7-C)に関し、以下の三点の疑問がございます。

(11-A)
 当該回答によれば、「これ以外の返還金1,590,836円は、元教授及び准教授から平成29年10月24日に受領しました。」とのことですが、この返還については、口座振込と貴学における直接支払のどちらで行われましたか。後者の場合、それは貴学のどこでなされましたか。

(11-B)
 この返還については、受領書等は文書として保管されていますか。弊会がそれを行政文書開示請求によって個人情報を除く部分を確認することは可能ですか。

(11-C)
 両名に関してこの返還がまったく同日(平成29年10月24日)に行われているのは、なぜでしょうか。

質問(12)
 貴学回答(8)に関して、以下の疑問がございます。
 今回報告書記載の不正会計事案群とはまったく別に、かつて東京高専および秋田高専で不正会計事件が発生し、それを平成26年3月2日に高専機構が公表したことがあります。この公表については、今回報告書同様に、「複数事案について」まとめて機構から報告が行われたものです。しかしこの事件に関しては、高専機構からの公表とは別に、事件態様と関係教員らへの処分について、東京高専および秋田高専のHPでも公表されたという経緯があります。

・高専機構による公表:http://www.kosen-k.go.jp/news/news20140328.html
・東京高専による公表(ログ):https://web.archive.org/web/20150709052113/http://www.tokyo-ct.ac.jp:80/220/000870.html
https://web.archive.org/web/20160825201727/http://www.tokyo-ct.ac.jp:80/220/645/press_release_20120216.html
・秋田高専による公表(ログ):
https://web.archive.org/web/20140619181504/http://akita-nct.ac.jp/news/news_20140328.html

 この経緯と、今回の貴学の対応を見比べると、貴学の対応の方がむしろ、前例に反した特異なものであり、「高専機構本部において公表されたため、本校で改めて公表する必要はないと判断した」ということについても、その合理的な理由が存在しないと感じます。少なくとも、全く同様の事例で高専複数が自ら公表を行った経緯がある以上、貴学もその前例に従うべきことは極めて当然と思われますが、いかがでしょうか。

質問(13)
 回答(10―A)では、「教職員への説明を校長が行った」とあり、次ぐ回答(10-C)では、説明の態様について細かく説明されています。しかし、この説明が行なわれたとされる2016年3月時点ではまだ石原校長は着任されていなかったはずです。となると、この説明を行った記録(想定されるのは日誌・議事録・録音等)が存在し、それを元に石原校長が今回の回答を行ったと思われますが、この「(黒田前校長が)説明を行った」という回答に関して、その根拠ないし記録は具体的に何でしょうか。またそれについて、個人情報に関わる部分を除いた箇所について、弊会が行政文書開示請求等で確認することはできますでしょうか。


 以上、よろしくお願いします。なお、回答については、大変勝手ながら、書面で6月15日(金)までにFAXにて上記弊連絡先まで折り返し送達いただければ幸いです。
 なお、質問(13)について、さる5月25日の14時36分に貴学総務課出納係の職員様にお電話にてお伝えして、内容を控えたメモを取っていただき、回答の用意をしていただくこともあわせてご上司へお伝えするとご約束いただいた経緯があることから、貴学としてこれに関してはすでに回答を準備済と判断し、大変勝手ではございますが回答期限については少し短めとしてあることをご了承いただければ幸いです。
 また、何らかの事情によりこの期限までの回答が不能である場合は、大変お手数ではありますが上記弊連絡先までお伝えいただきたく存じます。

                          敬具
**********

■再追加質問書を読んでお分かりの通り、今回のポイントは大きく以下の2つです。

 まず、長野高専は本件やそれに付随する教員への処分について「高専機構が発表している“から”長野高専として公表はしない」と強弁していますが、意図不明瞭なこの「から」がどういう論理なのか、深掘りすることにしました。その後の調査により、類似する案件で、「高専機構が公表し、各高専でも公表した」事例があったことが判明したため、ますます長野高専の主張の土台が危うくなってきたことも理由のひとつです。

 また、「事件の態様の詳細について、校長直々に教職員に説明した」と前回の回答で明言されたことに関して、内部関係者らから続々と「まともな説明など一切されていない。完全な虚偽回答だ」という情報提供が寄せられたため、虚偽回答とすれば公的機関としての信頼性すら揺るがす一大事と判断し、これについても長野高専側の認識を詳細に質問することにしました。

■実は、再追加質問書の末尾にもあるとおり、質問(13)については、迅速化のため文書でなく口頭で聞こうと、半月前の5月25日に長野高専総務課に電話で話をし、回答を用意するよう伝えてあったところ、5月30日に回答聴取のため改めて電話を掛けると、課長補佐とおぼしき人物から「うちは(この問題については)組織として対応しているので、(どんな些細な質問でも)文書で問い合わせてほしい」とにべもない回答がなされました。

 仕方がないので、質問項目を盛り込みつつ多忙の合間をぬって再追加質問書を作成し、今回送付したというのがひとつの裏事情でもあります。

■そして、回答期限として記載の6月15日に長野高専から「間に合わないので週明け月曜日に回答する」との連絡があり、そして6月18日に回答が来着しました。

 再追加質問書への長野高専からの回答FAXの内容は次のとおりです。

*****長野高専からの回答FAX*****PDF ⇒ 20180618.pdf
<P1>
2018 06/18 16:53 FAX 026 295 4356 長野高専 総務課 0001/0003
                        平成30年6月18日
群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
 市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢 殿
                 長野県長野市徳間716
                 独立行政法人国立高等専門学校機構
                 長野工業高等専門学校長
                 TEL:026-295-7003
                 FAX:026-295-4356

『長野高専不正会計・私的流用事件に関する再追加質問書』に対する回答を別紙のとおりお送りします。

<P2>
質問(11)
 貴学回答(7-C)に関し、以下の三点の疑問がございます。

(11-A)
 当該回答によれば、「これ以外の返還金1,590,836円は、元教授及び准教授から平成29年10月24日に受領しました。」とのことですが、この返還については、口座振込と貴学における直接支払のどちらで行われましたか。後者の場合、それは貴学のどこでなされましたか?


回答(11-A)
 口座振込です。


(11-B)
 この返還については、受領書等は文書として保管されていますか。弊会がそれを行政文書開示請求によって個人情報を除く部分を確認することは可能ですか?


回答(11-B)
 証拠書類は保管されています。開示請求があってから30日以内に開示等の決定を行うこととなります。


(11-C)
 両名に関してこの返還がまったく同日(平成29年10月24日)に行われているのは、なぜでしょうか?


回答(11-C)
 本校において銀行口座への入金が確認できたのは平成29年10月24日でした。銀行の取扱日付は、准教授が平成29年10月23日、元教授が平成29年10月24日です。


質問(12)
 貴学回答(8)に関して、以下の疑問がございます。
 今回報告書記載の不正会計事案群とはまったく別に、かつて東京高専および秋田高専で不正会計事件が発生し、それを平成26年3月2日に高専機構が公表したこ


<P3>
とがあります。この公表については、今回報告書同様に、「複数事案について」まとめて機構から報告が行われたものです。しかしこの事件に関しては、高専機構からの公表とは別に、事件態様と関係教員らへの処分について、東京高専および秋田高専のHPでも公表されたという経緯があります。

・高専機構による公表:http://www.kosen-k.go.jp/news/news20140328.html
・東京高専による公表(ログ):https://web.archive.org/web/20150709052113/http://www.tokyo-ct.ac.jp:80/220/000870.html
https://web.archive.org/web/20160825201727/http://www.tokyo-ct.ac.jp:80/220/645/press_release_20120216.html
・秋田高専による公表(ログ):
https://web.archive.org/web/20140619181504/http://akita-nct.ac.jp/news/news_20140328.html

 この経緯と、今回の貴学の対応を見比べると、貴学の対応の方がむしろ、前例に反した特異なものであり、「高専機構本部において公表されたため、本校で改めて公表する必要はないと判断した」ということについても、その合理的な理由が存在しないと感じます。少なくとも、全く同様の事例で高専複数が自ら公表を行った経緯がある以上、貴学もその前例に従うべきことは極めて当然と思われますが、いかがでしょうか?

回答(12)
 繰り返しの回答となりますが、高専機構本部において公表されたため、本校においては改めて公表する必要はないと判断したものです。


質問(13)
 回答(10-A)では、「教職員への説明を校長が行った」とあり、次ぐ回答(10-C)では、説明の態様について細かく説明されています。しかし、この説明が行なわれたとされる2016年3月時点ではまだ石原校長は着任されていなかったはずです。となると、この説明を行った記録(想定されるのは日誌・議事録・録音等)が存在し、それを元に石原校長が今回の回答を行ったと思われますが、この「(黒田前校長が)説明を行った」という回答に関して、その根拠ないし記録は具体的に何でしょうか。またそれについて、個人情報に関わる部分を除いた箇所について、弊会が行政文書開示請求等で確認することはできますでしょうか?


回答(13)
 会議配布資料と当時の会議出席者の記憶によるものです。会議配布資料は、開示請求があった日から30日以内に開示等の決定を行うこととなります。

**********

■回答を読んで最初に驚かされたのは、回答(12)です。当会は何度も「高専機構が公表していると、なぜ長野高専が公表する必要がないのか」と質してきたのですが、今回返ってきた回答は、「高専機構において公表されたため、長野高専が改めて公表する必要がないと判断した」というオウム返しでした。どうも、日本語が通じていないようです。というより、これまでは見た目はまともな回答を行ってきていた長野高専が、ついに無茶苦茶な強弁を始め、文面にも本性を現し始めたのではないか、と感じられます。

 さらに異常なのは、回答(13)です。当会が「校長がしっかり説明したと、そう断言できる根拠は何か?」と質問したのに対し、長野高専は「関係者の記憶」と「会議配布資料」を根拠として回答しました。

 しかし、長野高専は、このひとつ前の質問状(追加質問書)に関する回答中の、回答(10-B)において、「資料の配布はありませんでした。」と、そうはっきりと明言しました( http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2642.html )。となると、以前のこの回答と、「会議配布資料」の存在を明言した今回の回答は真っ向から矛盾することになります。長野高専がいったい何を考えてこの支離滅裂な回答を行っているのか、首を傾げざるをえません。

 さらに、議事録や録音の存在について長野高専は一切触れませんでした。「会議の席上で、校長が自らマイクを握っての説明を行った」にも関わらず、これらが残っていないのだとすれば、あまりにも不自然だと言わざるをえません。

■とりあえず当会としては、今回の回答を踏まえての新たなアクションについて、早急に策定し実行することとしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (5)
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