市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

日弁連元副会長の酔っ払い弁護士を除名できなかった日弁連の仲良しクラブ度

2009-07-27 23:13:00 | 不良弁護士問題
■平成20年10月5日(日)午後、安中市野殿の県道前橋安中富岡線の元駐在所付近で、ゴルフ場でビールや焼酎をシコタマ飲んでからの帰路、酒気帯びのまま運転中、対向車線の乗用車と衝突し、女性にケガを負わせたとして、自動車運転過失傷害などの疑いで現行犯逮捕された群馬弁護士会所属で日弁連元副会長の内田武弁護士は、平成21年4月21日付で群馬弁護士会から業務停止4ヶ月の懲戒処分を受けていました。

 ところが内田弁護士は、これを不服として、4月28日付で、日本弁護士連合会あてに、業務停止1ヶ月が相当だとする審査請求を出しており、日弁連から5月7日付で事案番号:平成21年(審)第11号として審査開始通知が当会に到来しました。

■そこで、当会から5月12日に、業務停止4ヶ月ではなく、弁護士会から除名するよう、異議申出書を日弁連に郵送しました。そして、5月13日に、当会の異議申出について、日弁連の宮崎誠会長名で、事案番号「平成21年懲(異)第8号」として、審査が開始された旨の通知が送られてきました。

 その後、日弁連から特にこの件で何も連絡がないため、先日、弁護士会館15階を訪れて、進捗状況について問い合わせてみましたが、具体的な回答がないため、審査結果は今年末までかかりそうだと予測していました。

■ところが、昨日の日曜日に、突然、日本弁護士連合会審査第二課から、2通の配達証明郵便が届きました。開けてみると、なんと日弁連の懲戒委員会の議決を踏まえて、日弁連会長による審査請求事案の裁決通知と、異議申出事案の決定通知です。どうやら、弁護士さんたちが夏休みに入る前に、駆け込みで議決をしたようです。

■まずは、元日弁連副会長だった群馬弁護士会所属の内田武弁護士から、「4ヶ月の業務停止は重過ぎるから、1ヶ月の処分に減じてほしい」とする審査請求事案に関する、日弁連の裁決結果について見てみましょう。
**********
【当会への裁決通知書】
平成21年7月24日
小川賢殿
  日本弁護士連合会 会長 宮崎誠 (公印)
審査請求事案の裁決について(通知)
 下記事業につき懲戒委員会の議決に基づき裁決したので,裁決書謄本を添えて通知します。
    記
本件事案番号: 平成21年懲(審)第11号

【裁決書】
 群馬県前橋市大手町三丁目4番15号
  内田武法律事務所 群馬弁護士会所属弁護士
   審査請求人   内田  武 (登録番号13572)
   上記代理人弁護士    小 磯 正 康
   同           横 田 哲 明
   同           官 下   章
 審査請求人にかかる平成21年懲(審)第11号審査請求事実について,日本弁護士連合会は次のとおり裁決する。
主文
 本件審査請求を棄却する。
理由
 本件審査請求について懲戒委員会が別紙議決書のとおり議決したので,弁護士法第59条の規定により,主文のとおり裁決する。
平成21年7月14日
  日本弁護士連合会 会長 宮崎誠(自署)

【議決書】
平成21年懲(審)第11号[群馬弁護士会平成20年(懲)第1号・同第2号]
議 決 書
   群馬県前橋市大手町三丁目4番15号
    内田武法律事務所
     群馬弁護士会所属弁護士
     審査請求人      内 田  武(登録番号13572)
     上記代理人弁護士   小 磯 正 康
     同          横 田 哲 明
     同          宮 下   章
主文
 本件審査請求は棄却するを相当とする。
理由
第1 群馬弁護士会の判断
 審査請求人にかかる本件懲戒請求事件につき,群馬弁護士会の認定した事実及び判断は,同弁護士会懲戒委員会の議決書記載のとおりであり,同弁護士会は前記認定と判断に基づき,審査請求人を業務停止4月の処分に付した。
第2 審査請求人の審査請求理由
 審査請求人の本件審査請求の理由は,同弁護士会のなした「4月の業務停止」の処分は重きに過ぎるものとして,「1月の業務停止」との処分の変更を求めるものであるが,併せて,同議決書「理由」第3項(6)記載「(審査請求人の運転車両が)対向車と衝突したことから,その後続車が対向車と衝突し,対向車は道路脇にあるリアルオートの敷地に飛ばされ,ガードレールを破壊し,『数台の車両を破壊して』止まった。」との認定に対する不服申立てがなされている。
第3 当委員会の認定事実
 当委員会は,審査請求人の群馬県警察における供述調書および実況見分調書別示図面および当委員会が行った審査請求人に対する審査期日の審問結果から,「審査請求人の運転車両は被害者運転の対向車に衝突して道路上に止まり,同対向車が中古自動車販売店リアルオートこと後閑雄大の敷地に飛ばされ,同敷地内に駐車していた車両の1台に衝突して止まった。」という事実を認めた。したがって,当委員会は,審査請求人が不服とする前第2記載の同議決書記載事実である「『数台の車両を破壊して』止まった」との同弁護士会の認定を上記のとおり変更する。
第4 当委員会の判断
 審査請求人は,先例と比較して「4月の業務停止」は重きに過ぎると主張する。確かに先例には,酒気帯び運転の事業において「1月の業務停止」の議決例があるが,本事案は酒気帯び運転のうえ人身事故,物件損害事故を惹起させるという反社会的事実が加わっている。さらに,審査請求人は過去に群馬弁護士会の会長,日本弁護士連合会の副会長という要職にあったのであり,一般の弁護士以上に身を律してしかるべき立場にあった。したがって,審査請求人が弁護士会に功績のあったこと,事故が新聞報道されるなどの社会的制裁を受けたことおよび既に刑事罰を受けたことなどの事情を斟酌しても,社会人としていかなる理由があろうとも犯してはならない酒気帯び運転を行い,被害者等に人身,物件の損害を与えたことは極めて重大であり,弁護士としての品位を失わせるものといえる。
第5 結論
 当委員会が審査した結果,前記議決書の認定には前第3で述べた以外に誤りはなく,当委員会に新たに提出された証拠を考慮してもその処分の程度もやむを得ないところであるから,同弁護士会の審査請求人に対する本件懲戒処分は相当である。なお,前第3記載の認定の誤りは,同弁護士会の行った処分の判断に影響を与えるものではない。
 よって,本件審査請求は理由がないので棄却するを相当とし,主文のとおり議決する。
平成21年7月13日
  日本弁護士連合会懲戒委員会
   委員長  長 濱   毅 (自署。以下同様)
   委 員  坂 本   成
        都 築   弘
        原 田 國 男
        大 島 忠 郁
        大 島 稔 彦
        佐柄木 俊 郎
        神 長   勲
        二 國 則 昭
        谷 口 和 夫
        河 内   保
        円 谷 瑛 子
        八 戸 孝 彦
        永 石 一 郎
これは裁決書の謄本である
平成21年7月23日
  日本弁護士連合会 事務総長  丸 島 俊 介(公印)
裁決の効力の生じた年月日:平成21年7月21日
**********

 日弁連は、内田弁護士からの審査請求を棄却して、4ヶ月の業務停止処分を行った群馬弁護士会の決定を支持しました。この結果、平成21年7月21日から4ヶ月の業務停止の効力が発生したようです。実際には、内田弁護士いわく、弁護士活動を自粛しているということで、その期間も参入するとなれば、既に事故を起こしてから9ヶ月以上経過しているため、本人にとっては日弁連のこの裁決は痛くも痒くもないことになります。

 議決書の中で、注目されるのは、酔っ払った内田弁護士の運転するレクサスが、対向車と衝突したあと、「対向車のうしろを走っていた後続車が、対向車に追突して、対向車が道路わきにある中古車販売店の敷地に飛ばされ、ガードレールを破壊して、数台の車両を破壊して止まった」のではなく、「対向車が中古自動車販売店の敷地に飛ばされ、同敷地内に駐車していた車両の1台に衝突して止まった」のが正しい状況だったというものです。

 つまり、破壊したのは、事故現場に隣接していた中古自動車販売店にあった「数台の車両」ではなく、「1台の車両」だけだった、というのです。

■次に、当会が日弁連に提出していた、「4ヶ月の業務停止処分では軽過ぎるから、酔っ払い弁護士を日弁連から除名してほしい」とする異議申出事案に関する、日弁連の決定結果について見てみましょう。

**********
【当会への決定通知書】
平成21年7月24日
小川賢殿
     日本弁護士連合会 会長 宮崎 誠(公印)(注:「崎」の字は「山」扁に「立」と「可」)
異議申出事案の決定について(通知)
 下記事案につき懲戒委員会の議決に基づき決定したので,決定書謄本を添えて通知します。
     記
本件事案番号: 平成21年懲(異)第8号

【決定書】
群馬県安中市野殿980番地
異議申出人 小川  賢
 異議申出人の申出による群馬弁護士会所属弁護士内田武君(登録番号13572)にかかる平成21年懲(異)第8号異議申出事案について,日本弁護士連合会は次のとおり決定する。
主文
 本件異議の申出を棄却する。
理由
 本件異議の申出について懲戒委員会が別紙議決書のとおり議決したので,弁護士法第64条の5第5項の規定により,主文のとおり決定する。
平成21年7月16日
    日本弁護士連合会 会長 宮崎 誠(公印)

【議決書】
平成21年懲(異)第8号[群馬弁護士会平成20年(懲)第2号]
議決書
 群馬県安中市野殿980番地
  異議申出人 小川  賢
 群馬県前橋市大手町三丁目4番15号
  内田武法律事務所 群馬弁護士会所属弁護士
  対象弁護士 内田  武(登録番号13572)
主文
 本件異議の申出は棄却するを相当とする。
理由
 異議申出人の対象弁護士に対する本件懲戒請求の理由及び対象弁護士の答弁の要旨は,いずれも群馬弁護士会懲戒委員会の議決書に記載のとおりであり,同弁護士会は同議決書記載の認定と判断に基づき,対象弁護士を業務停止4月とする懲戒処分をした。
 本件異議の申出の理由は,要するに,前記認定と判断は誤りであり,同弁護士会の処分は不当に軽く不服であるから,更に相当の処分を求めるというにある。
 当委員会が審査した結果,同議決書8頁,理由3(6)8行目記載の「数台の車両を破壊して」を「審査請求人の運転車両が同対向車に衝突したことにより,同対向車が道路沿いにある中古自動車販売店リアルオートこと後閑雄太の敷地に飛ばされ,同店前に設置されていたガードレールを破損し,同店に置いてあった車両に衝突し,さらに,審査請求人の運転車両と同対向車のガラスの破片が飛び敷って,同敷地内に置いてあった7台の車両の天井等の表面を傷つけるという物件損害を与えた。」と認定し直したほかは認定に誤りはない。異議申出人主張のように,社会的にも道徳的にも手本となるべき弁護士が,このような社会の規範を無視して,酒気を帯びながら車を運転したうえに,対向車と衝突事故を起こし,さらに物的,人的事故を招致したことは極めて遺憾であるといわざるを得ない。
 しかし,対象弁護士は,本件事故の報道などにより社会的制裁及び刑事罰を受けているなどの事情を斟酌すると同弁護士会の処分は相当なものと判断する。
 よって,本件異議の申出は理由がないので棄却するを相当とし,主文のとおり議決する。
平成21年7月13日
  日本弁護士連合会懲戒委員会
   委員長  長 濱   毅 (自署。以下同様)
   委 員  坂 本   成
        都 築   弘
        原 田 國 男
        大 島 忠 郁
        大 島 稔 彦
        佐柄木 俊 郎
        神 長   勲
        二 國 則 昭
        谷 口 和 夫
        河 内   保
        円 谷 瑛 子
        八 戸 孝 彦
        永 石 一 郎
これは決定書の謄本である
平成21年7月17日
  日本弁護士連合会 事務総長  丸 島 俊 介(公印)
**********

■日弁連は、酔っ払い弁護士の内田武の審査請求への裁決通知では、「破壊された車両は数台ではなく1台だった」と修正認定しましたが、当会の異議申出への決定通知では、「対向車が事故現場に隣接する中古自動車販売店にあった数台の車両を破壊しただけでなく、ガードレールも破壊しており、さらに、内田武の運転していたレクサスと、ぶつけられた対向車のガラスの破片が飛び散って、販売店の敷地内にあった7台の車両の天井等を傷付けた」と修正認定しました。

 なぜ、内田武に対しては、「破壊された車両は1台だけ」と簡単な修正記述なのに、当会への決定書では、さらに詳しく破壊状況を説明した記述としたのか、理由は不明ですが、加害者のレクサスと被害者の乗用車の、両者のガラスが広範囲に飛び散った状況は、衝突のショックが相当すさまじかったことを物語っています。ということは、内田武が相当酒によっていて運転を誤ったものと推測できます。

■日弁連は、当会の主張を引用して「社会的にも道徳的にも手本となるべき弁護士が,このような社会の規範を無視して,酒気を帯びながら車を運転したうえに,対向車と衝突事故を起こし,さらに物的,人的事故を招致したことは極めて遺憾であるといわざるを得ない」としながら、「しかし,対象弁護士は,本件事故の報道などにより社会的制裁及び刑事罰を受けているなどの事情を斟酌すると同弁護士会の処分は相当なものと判断する」として、4ヶ月の業務停止処分を妥当だと判断しました。しかし、刑事罰を受けているのですから、弁護士資格の剥奪を含めて、厳しい処分を科すのが、酔払い運転撲滅を願う社会世論に沿った正しい判断であったはずです。

 しかし、日弁連はそれができませんでした。世論が期待した、弁護士という特権意識の塊の団体による「お仲間クラブ」的な発想の打破は、やはり、無理でした。

■こうして、酔っ払い弁護士の内田武は、遅くとも、今年12月から、再び弁護士稼業に復帰することになります。となれば、こうした酔払い弁護士に弁護を依頼しないよう、我々としても注意しなくてはなりません。行政においても、こうした前歴を有する弁護士への行政訴訟の弁護依頼は、厳禁としてもらいたいものです。それでなくても、行政寄りの御用弁護士が多いのが実態ですが、今後、内田弁護士がもし行政訴訟で、群馬県や自治体の弁護を引き受けた場合には、この酔払い運転事故を起こした弁護士の資格や資質について、行政の見解をきちんと質していきましょう。

【ひらく会事務局】

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1 コメント

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Unknown (赤影)
2011-02-16 15:28:59
虚偽は正当な弁護士業務だ !

 日弁連・会長:宇都宮健児は、「虚偽(詐害行為)は正当な弁護士業務だ」と主張(議決)して、懲戒対象弁護士を擁護し、これを撤回せずに、裁判で争っております。

 弁護士を指導・監督する立場にある宇都宮健児のこの行為は、不法行為を教唆するものであり、国民への背任です。

 表向きは、社会正義の実現(弁護士法1条)を強調しながらも、裏陰では、「虚偽(詐害行為)は正当だ」と指導しているのですから.弁護士トラブルが急増するは当然です。
 
 日弁連・会長:宇都宮健児らは、提訴し、勝訴するための「虚偽は正当だ」との理念を抱き、当然のように実践する人間たちだということでしょう。

 そして、組織的な権力を得ている日弁連・会長:宇都宮健児らのこの裏影での卑劣な行為を国民は知ることができず、それをとがめる手段もないのです。

 国民は、日弁連・会長:宇都宮健児らのこの卑劣な事実を知るべきであり、この元凶者たちを排除すべきです。

法曹界に正義はありません。
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