市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【ルポ】日本人移住80周年を迎えた南米パラグアイの知られざる現況(1)・・・地球の反対側への道のり

2016-08-30 11:44:00 | 国内外からのトピックス
■ひらく会情報部海外取材班はこれまで世界各地を訪れてきましたが、今回72か国目として南米のパラグアイを初めて訪問することになりました。同国の面積は約41万平方キロと日本の約1.1倍ですが、人口は僅か約700万人です。ちょうど日本とは地球の反対側に位置する内陸国ですが、日系人のかたがたが約1万人おり、大変親日的です。また、中国を承認しておらず、台湾と正式国交を結んでいるところが非常に好感の持てるところです。

羽田空港国際線ターミナル107番ゲートで出発を待つルフトハンザ航空717便。



搭乗開始。いよいよ30時間の往路の旅が始まる。
国際線ターミナルからC滑走路までタクシーイング。

 地球の反対側のパラグアイに行くには、いろいろなルートがあります。北米経由、欧州経由、ドバイ経由、豪州経由など、どの方向に向かって進んでも、直線的にはどれも最短ルートだからです。

 今回は当初米国経由で渡航を計画しましたが、米国を通過する場合でも米国政府は、ビザを持たずに米国に入国或は通過をする旅客全員にESTA(通称「エスタ」)と呼ばれる電子渡航認証システムによる申請手続きを義務付けています。詳細は次のURLを参照ください。
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html

 このエスタ申請は、2010年9月8日より、全てのビザを持たずに米国に入る(通過だけでも対象)旅行者全員に課せられ、14ドルのエスタ料金をクレジットカードで支払う必要があります。その支払いは、ネットを使ってのエスタ申請手続きの最後の画面で要求されます。エスタ申請はいつでもパソコンで可能で、通常一度承認されれば、米国へ複数回の渡航が可能で、エスタは2年間または申請者のパスポートの有効期限、あるいはその他再申請しなければならない状況が発生するまで有効です。すでにエスタ認証を受けた渡航者は必須項目以外の情報更新の際にはエスタ費用を支払う必要はありません。ただし、新しいパスポートを取得したり、エスタ再申請の場合には費用の支払いが必要になります。

 筆者も米国経由サンパウロ行きのチケットを手配しようと、次のエスタ公式申請サイトにアクセスしてみました。
https://esta.cbp.dhs.gov/esta/

 ところが「免責事項」⇒「申請者の情報」⇒「渡航情報」と進んで、4番目の画面で「適格性に関する質問」のところに次の「あなたは2011年3月1日以降に次の国に行ったことがあるか?」という設問があり、「イラン、イラク、スーダン、シリア、リビア、ソマリア、イエメン」という具体的な国の名前が挙げてありました。

 筆者は昨年、ソマリランドに2泊3日で訪れたことがありますが、共和制が敷かれていて、自前の通貨や軍隊、警察を保有して、治安も一般的なアフリカ諸国より良好で、事実上は独立国家として機能しています。しかし、依然として国際的にはプントランドやソマリア連邦政府のあるモガディシオやその周辺の南西ソマリアと一緒に「ソマリア」として認知されているため、国家として承認されていません。そのため、エスタ申請において虚偽の申告をするわけにいかず、かといってYESのボタンをクリックしてしまうと認証拒否となり、赤坂にある米国大使館に予約をとってビザ申請のための面接などの手続をとる必要があります

 調べてみると、米国のビザ申請から取得までには約3週間は見ておく必要があることが分かりました。それでは到底間に合いません。そこで、米国経由は断念して、欧州経由で南米に向かうことにしました。

 そして急遽手配したのが、羽田空港→フランクフルト→サンパウロ→アスンシオンというルートでした。それぞれの飛行時間を見ると11時間15分、11時間20分、1時間45分となっており、フランクフルトでの乗り換え時間に3時間20分、サンパウロの乗り換えにやはり3時間20分を要し、結局日本出発から現地到着までちょうど30時間かかることがわかりました。


これからC滑走路から離陸。


大井ふ頭。↑


お台場上空。




↑シベリア上空を北極圏に向かって飛行中。


スカンジナビア半島の上空を縦断。

 台風が接近して雨模様の天候が続く羽田空港を午後2時半ごろ離陸したルフトハンザ機は、ほぼ北の方向に飛行し、北極圏上空を通過して、スカンジナビア半島を南下しました。太陽が進む方向に飛行しているため、なかなか日が暮れません。国際線の機内では通常、窓を閉めて、乗客は睡眠をとっていますが、外の様子が気になるので、デンマークの上空から眼下をみたら、地形が非常によく確認できました。

 高度1万メートル以上の高空からみるコペンハーゲンは非常に小さく見えました。また、コペンハーゲンから対岸のスウェーデンのマルモまでを結ぶ国際橋のようすもよく分かりました。 



デンマーク首都コペンハーゲンを上空から俯瞰。


コペンハーゲン港の沖合に洋上風力発電施設群が見える。


バルト海にもさらに大規模な洋上風力発電施設群がある。

 そして同じ日の午後7時前にフランクフルト空港に着陸しました。まだ、夏の日が照り付けており、着陸前の目的地の気象情報では、天候が晴れで気温は35度Cもありました。


ドイツ上空。

ドイツ国内でも風力発電施設群をあちこちで見かけられる。

まもなくフランクフルトに着陸。

フランクフルト空港ターミナル。

午後7時過ぎなのにまだ明るい。

ラウンジ。

フランクフルト着のLH717便と同じ機体で今度はサンパウロ行506便に搭乗。

サンパウロに向け搭乗開始。

今度は2階席。

午後10時のフランクフルト空港を間もなく離陸。さすがに暗くなった。

 ここで3時間20分後に同じ機体のB747-8型機で、今度はサンパウロに向かいました。今度は夜の10時半ごろ出発して、翌日の午前5時前にサンパウロに到着するまで、ずっと夜間飛行でした。


サンパウロまでのルート図。

スペインの地中海岸沿いに飛ぶ。

モーリタニアの首都ヌアクショット上空。

午前5時、サンパウロに到着。

 サンパウロ空港では、気温がかなり低く、15度Cくらいの感じでした。出発の待合室にいると、丁度日の出となり、現地の乗客らもスマホをかざして一斉に写真を撮っている姿が見えました。


朝日が昇るサンパウロ空港。

↑サンパウロ空港323、324番ゲートの待合室。↑

 日も上り、午前8時35分の出発時間の30分前に搭乗開始となりましたが、それまで待合室にいると、かなり涼しいのにも関わらず蚊が1匹、周囲を飛んでいるのが分かりました。ジカ熱の恐れがあるため、かなり緊張しましたが、ズボンの裾からいつの間にか侵入したらしく、かゆみを感じました。

 アスンシオン行きの飛行機はブラジルのLATAM航空のB767型機で、乗客は3分の2くらい搭乗していました。機内アナウンスはポルトガル語と英語です。

 青空のサンパウロを離陸した飛行機は、サンパウロの大都会を眼下に機首を西方向にとって、飛行を続けました。すると次第に雲が厚くなりはじめ、山がちな地形に散在するさまざまな形状の小さな畑のようすから次第に平野部の大きな区画の畑が見えるようになりました。また、ときどき大きな川が現れましたが、やがて完全に雲で下界が見えなくなりました。


サンパウロ空港ターミナルの様子。

ブラジルは国土が広いため航空網が充実している。写真はLATAM航空機。

アスンシオンに向けて離陸。奥に見える右側の四角い建物が先ほどまで待機していた第3ターミナル。

離陸後、高度を上げる。

眼下に見えるサンパウロのダウンタウン(セントロ)。

上昇中のLATAMU航空のFA(フラントアテンダント)ら。まだ水平飛行前なのに早くも座席を倒しているので驚いた。こんなところにもラテンアメリカを感じる。

1時間40分のフライトだが朝食が出された。

パラグアイ領空に入ると雲が多くなった。

アスンシオンに向けて最終着陸態勢。

ランディング。滑走路は3353mのこの1本だけ。向こうにアスンシオンのシルビオ・ペッティロッシ国際空港のターミナルビルが見える。

ようやくターミナルに横付け。

 ときどき乱気流で機体の揺れを感じましたが、飛行はほぼ順調で、やがて飛行機は降下態勢をとり、現地時間午前9時50分にパラグアイの首都アスンシオンのシルビオ・ペティロッシ国際空港に着陸しました。実に日本を発ってから30時間が経過しており、日本との時差は13時間遅れで、完全に体内時計の針が逆になった感じでした。


到着ゲート出口。スペイン語、英語、そしてグアラニー語で「到着」と書いてある。ここを通過してようやく30時間の長旅に終止符。



アスンシオン国際空港の名称になった同国航空界のパイオニアであるシルビオ・ペッティロッシの胸像と銘板。

 さっそくアスンシオン市内に向かい、セントロと呼ばれるダウンタウンにあるホテルにチェックインをしました。運転手の話によれば、数日前までは気温が30度を遥かに超える毎日だったが、おとといから雨空となり気温もぐんとさがって昼間でも20度C前後だということでした。


ターミナルビルを出て駐車場に向かう旅客ら。今日は雨模様で気温も15度Cだが、2、3日前までは最高気温38度Cだったという。1日の昼夜の気温差も相当激しい。

空港から市内中心部(セントロ)までは約20分。ただし休日の場合。平日は車の混雑で小一時間かかる。驚いたことに高層ビルもある。ただしここは地震もハリケーン(台風)もないという。

 地球の反対側にある親日国パラグアイの様子をルポしてまいります。

【ひらく会情報部・海外取材班・この項続く】



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