市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・スラグ撤去について前橋市監査委員にオンブズと市職員らが陳述(後半)

2016-08-20 22:12:00 | スラグ不法投棄問題
■当会では前橋市長に対して、前橋市内にも存置されたままになっている有毒スラグの撤去と措置命令を求める住民監査請求を前橋市監査委員に提出していますが、これに関連して、8月2日(火)午前9時半から前橋市役所6階の入札室でオンブズマン側から前橋市監査委員に対する陳述と監査委員との質疑応答が1時間に亘り行われました。その後、同日午前11時から市側担当職員(課長クラス)3名による陳述及び監査委員からの質疑応答が12分にわたり行われましたので、前半につづいて後半として、市役所職員らの陳述の模様を報告します。

後半の市関係職員らの陳述には立会人として参加。
 司会は前半のオンブズマンからの陳述の時と同様に、前橋市監査委員事務局長の湯浅真一氏で、冒頭に次の注意事項として「これより住民監査請求にかかる関係職員の陳述を始めます。私は監査委員事務局長の湯浅ともうします、本日の進行を務めます。よろしくお願いします。はじめに陳述の進行方法と注意事項について4点ほど説明させていただきます」と説明がありました。4点というのは、次の通りです

●1点目 陳述される職員はその場で名前を述べてから陳述を開始すること
●2点目 陳述時間については、通知した通り、監査委員からの質問時間を含めて概ね正午までとすること
●3点目 陳述は7月11日付で収受した前橋市職員措置請求書に記載されている請求の要旨に対して、市としての意見等を述べること。また本日は陳述の場で有ります。監査委員への質問の場ではないので、ご承知おき願いたいこと
●4点目 陳述の録音等は禁止とするが、監査委員事務局では本日の陳述内容を記録するため録音をとること

 次に、司会の湯浅事務局長が、「陳述に先立ちまして出席している関係職員の自己紹介をお願いをいたします。その場でご起立いただき職種氏名をお願いします」と関係職員に対して指示をしました。

 前橋市側から陳述の場に出席したのは、道路建設課長のナガオカ氏、廃棄物対策課長のモロハ氏、環境政策課のカミヤマ氏の3名でした。

 司会の事務局長は「それではただいまから関係職員による陳述を開始する。関係職員は名前を述べてから陳述をして下さい」と高らかに陳述の開始を宣言しました。

**********
【道路建設課長】はい、道路建設課課長のナガオカでございます。陳述を始めさせていただきます。平成28年7月8日付で前橋市監査委員宛に提出のありました前橋市長への前橋市職員措置請求につきまして、担当者として意見を陳述させていただきます。前橋市職員措置請求書の写しを読ませていただきました。この請求は前橋市が市発注工事で使用した有害鉄鋼スラグを撤去せずに、存置する方針を示したことが、公有財産の管理を怠る事実に当たり、公有財産を破壊するほか、住民の生活環境の保全上重大な支障をきたすことから、当該鉄鋼スラグを撤去するため、市長は廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づいた措置命令を出すように監査委員による勧告を求める、という内容のものでした。この請求書の要旨に対しまして、道路建設課の立場から考え方を異にする点について意見を述べさせていただきます。
「2 事件の態様」及び「3 違法性」の中で、関東地方整備局、県県土整備部、渋川市で構成される鐵鋼スラグに関する連絡会議において、鉄鋼スラグを含む材料の対応方針を示し、処分方法を勝手に決めるのは越権行為であり、許されないとありますが、本連絡会議は大同特殊鋼株式会社渋川工場から出荷された鉄鋼スラグに関して、国、県、及び渋川市の各公共工事事業者が相互に情報共有等を図り、連携した対応等を行うことを目的としており、群馬県環境部局の助言を得ながら適切に対応して行くこととしております。本市においても、この対応方針を参考の上、市環境部の助言を受けながら、適切な対応を図っていくことで、問題ないと考えております。以上です。

【司会】えー、陳述は以上でよろしいでしょうか?

【道路建設課長】はい。

【司会】はい。えー、それでは、えー、関係職員による陳述が終了しましたので、監査委員から・・・

【場内】ええっ!

【司会】ああ、すいません。

【廃棄物対策課長】すいません。廃棄物対策課課長のモロハでございます。措置の請求に対しまして、陳述させていただきます。えー、廃棄物処理法に基づく措置命令ですけれども、処理基準、又は保管基準に適合しない廃棄物の処理等に起因する生活環境保全上の支障を除去し、または、発生を防止するための必要な限度において行うことができる、というものでありますことから、えー、支障の程度や、状況に応じまして、経済的、技術的に合理的と思われる範囲内で講ずるべき措置を選択しまして、その実施を命じなければならないこととなっております。えー、なお、生活環境保全上の支障と言いますのは、人の生活に密接な関係がある、環境に支障が現に生じまして、または、社会通念上、その恐れがあると思料するに相当な状態が生じる場合を言います。まあ、例えば、汚染地下水の飲用、まあ、こういったようなことが考えられるわけです。えー、これまで鉄鋼スラグを含む材料が使用されました本市公共工事周辺の環境調査結果におきましては、地下水の汚染など、生活環境保全上の支障が生じていると考えられる事例は確認をされておらず、えー、直ちに、廃棄物処理法に基づく措置命令が、必要であるとは考えておりません。以上です。

【環境政策課長】続きまして環境政策課課長のカミヤマと申します、えー、私のほうからは、えー、土壌汚染対策法につきまして陳述をさせていただきます。えー、土壌汚染対策法が対象としておりますのは、土壌でありまして、鉄鋼スラグを含む砕石につきましては同法の土壌とはみなされておりません。従いまして、鉄鋼スラグを含む砕石に対しまして、土壌汚染対策法による措置命令を発出することはできません。えー、次に、鉄鋼スラグを含む砕石の使用箇所についての措置命令ですが、土壌汚染対策法の措置命令として、土壌汚染による健康被害が生じる恐れがある土地についての、調査命令があります。えー、しかし、鉄鋼スラグを含む砕石の使用箇所につきましては、この調査命令を発出する要件に該当しておりません。次に措置命令として、汚染の除去等の措置の指示又は命令があります。この指示又は命令は、土壌汚染対策法に基づく要措置区域について出されるものであります。要措置区域に指定するためには、調査命令による調査が必要であります。えー、鉄鋼スラグを含む砕石の使用箇所におきましては、調査命令を発出する要件に該当しておりません。よって、鉄鋼スラグを含む砕石の使用箇所は、要措置区域として指定する要件に該当しないことから、汚染土壌除去等の措置の指示又は命令を出すことはできません。したがいまして、鉄鋼スラグを含む砕石の使用箇所につきましては、住民監査請求として請求人が請求をしております措置命令を発出するための要件に該当しないと考えております。えー、以上簡単ではございますが、監査委員より指示のありました陳述について担当職員として意見を述べさせていただきました。よろしくお願いいたします。

【司会】えー、陳述は以上でよろしいでしょうか。

【市側関係職員ら】はい。

【司会】それでは、陳述が終了しましたので、監査委員から何かございましたらよろしくお願いいたします。

【小林監査委員】はい。よろしいですか。

【司会】お願いします。

【小林監査委員】確認のために質問をしたいと思いますけれども、えー、鉄鋼スラグを使用した道路について、富士見地区内の行政について、ですけれども、請求書の添付資料によりますと、先方の会社の応分の負担で安全対策を講じると、いうふうにされていますけれども、これについてはどのような対応を取っておりますか。

【道路建設課長】はい、安全対策法といたしまして今現在、鉄鋼スラグを含む材料の撤去及び処分費等を大同特殊鋼に負担させていただく、という内容となっております。

【小林監査委員】それに関して、大同スラグ、あー、大同・・・さんとの話は、協議は、どうなっているのですか。

【道路建設課長】えー、今現在はですね、協議の方を進めておりまして、えー、基本協定については、えー、交わしております。ええ、

【司会】よろしいでしょうか。えーと、他に質問は?

【横川監査委員】じゃあ。

【司会】お願いします。

【横川監査委員】ちょっと1点だけ質問をさせていただきたいと思います。さっきのお話の中で、新たにですね、使用が判明した工事6か所については、スラグの砕石を原状のまま存置するとのことですが、なぜそのように存知したのかをおうかがいしたい。

【道路建設課長】えー、あらたに分かりました6工事ですが、えー、該当する工事のですね、品質確認証明書等を確認した結果、えー、環境基準に、環境基準を満足している、というのを確認できましたので存置することといたしました。

【司会】はい、他にえーと、質問はありますか。

【田子監査委員】えーと、本件について、建設部と環境部と関係あると思うんですけれども、その連携等というのはどのような形でしていらっしゃるのか。

【環境政策課長】環境部の方からちょっと、お話をさせていただきます。えー、環境部と致しましてはですね、あのう、まあ、適切な対応が図られますように、今までと同様、まあ今までもやってきたことなんですけれども、建設部に対しまして、まあ、関係法令に基づきます、まあ、助言をですね、えー、行って参りましたというふうに考えております。はい。

【司会】えー、他に何かご質問、ございますでしょうか。はい。えー、それでは、えー、以上を持ちまして、関係職員による陳述を終了させていただきます。ありがとうございました。
**********

■このように前橋市役所から出頭してきた関係職員らは、いずれも大同スラグは法令に違反していない、と口を合わせて主張しました。

 一方で、大同特殊鋼と協議をしており、費用負担については大同と前橋市との間で基本協定は締結していることを示唆した発言もありました。

 しかし、今回の市関係職員らの発言内容から、おそらく、完全撤去は念頭にないものと思われます。今後の住民監査の行方については、慎重に見極めていく必要がありそうです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項終わり】


コメント (3)
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